2015年賃上げの見通し―労使および専門家504人アンケート
~定昇込みで昨年実績並みの2.2%と予測。
経営側の35.7%がベアを「実施する予定」~
自社における2015年定昇・ベアの実施
※前項の「実際の賃上げ見通し」は、“世間相場”の観点から一般論として回答いただいたものであるが、ここでは自社における来る交渉に向けた考えを尋ねた。
- 定昇の実施:労使とも「実施すべき」「実施する予定」が9割程度とほとんどを占める
- ベアの実施:経営側の「実施する予定」は35.7%、労働側の「実施すべき」は70.5%
定昇の実施[図表3]
アンケートでは、賃上げ額・率の世間一般的な見通しに加え、自社における賃金制度上の定期昇給(賃金カーブ維持分を含む)および業績等に応じたベースアップ(賃金改善分を含む)の実施についても労使双方に尋ねた(なお、労働側・経営側の回答者は、それぞれ異なる企業に属しているケースが多い点に 留意いただきたい)。
15年の定昇については、労働側90.0%、経営側87.3%と9割程度が「実施すべき」「実施する予定」と回答。経営側の「実施しない(凍結する)予定」は1.9%(3人)にとどまった。実質的な賃金制度維持分に当たる定期昇給については、労使ともほとんどが実施する意向を示している。
ベアの実施[図表3~5]
ベアに関しては、経営側では「実施する予定」35.7%、「実施しない予定」37.6%で拮抗する結果となった。一方、労働側では、ベアを「実施すべき」が70.5%と7割を占めた。
各年においてベアを「実施すべき」または「実施する予定」と回答した割合の推移を[図表4]に示している。10年以降、先行き不透明な経済経営環境から、労使ともベアの実施には否定的な傾向が続いていたが、14年は、労働側は一転、実施派が主流となった。例年、ベア実施には慎重な姿勢を示す経営側も、14年16.1%、15年35.7%と「実施する予定」の割合は増加傾向にある。
経営側に、自社における14年のベアの実績を尋ねたところ、「実施した」は51.0%であった[図表5]。集計対象(回答者)が異なるため厳密な比較ではないが、14年の経営側のベア「実施予定」は16.1%であり[図表4]、実際にはこれを大幅に上回る企業がベアを実施したことになる。
今回の集計対象における14年実績と15年の予定を併せて見ると[図表5]、14・15年とも“実施しない”が31.2%で最も多いものの、両年とも“実施”も26.8%と4社に1社に上った。
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