リクルートマネジメントソリューションズ、研究レポート発表
従業員満足度を高める要因とは〜満足度の高い企業の組織・風土を探る
リクルートマネジメントソリューションズ(東京都千代田区、釘崎広光・代表取締役社長)は、この度、「従業員満足」に関する研究レポートを発表しました。
● 従業員満足度を高める要因とは〜満足度の高い企業の組織・風土を探る
研究員 鏑木理恵
近年、多くの日本企業が業績を落とし、回復の糸口をつかめないでいます。このような時、従業員が一丸となって苦境に立ち向かってくれたら、経営者はどれだけ心強いことでしょう。また働く一人ひとりも、楽ではない状況だからこそ、この組織この仕事で働く意味を考える機会が多くなるのではないでしょうか。「従業員満足」は古くて新しいテーマといえそうです。
当HPでは6月号の特集でも「働きがい」と業績の関係を考察していますが、今月は、弊社商品である「ESサーベイ2」の2006年4月〜2009年3月までの実施分のうち一定の基準を満たした190社分のリファレンスデータを用いて分析を行い、従業員満足度を高める要因を考察します。
企業戦略としての従業員満足度向上について、あらためてご一緒に考えてみませんか。
■ SECTION 01
職場の改善と成長への志向・上司の部下への積極的なかかわり・
合理的な人事諸施策への評価が高い企業では、従業員満足度が高い
従業員満足度の高い会社と低い会社にはどのような違いがあるのでしょうか。ESサーベイ2は「結果指標(満足度・負担感・会社の将来性)」と「要因指標(仕事・職場・上司・会社)」という構造を持っています。結果指標のうち仕事・職場・上司・会社に対するそれぞれの満足度を平均した「総合満足度」と各要因指標との相関係数から、満足度と関係の強い要因を探ります。
相関係数とは、2つの変数の相関関係を示す指標です。値は必ず-1〜1の範囲に収まり、1に近ければ正の相関(片方の値が上がれば、もう片方の値が一定の割合で上がる関係)がある、-1に近ければ負の相関(片方の値が上がれば、もう片方の値が一定の割合で下がる関係)があるといいます。(図表01)に各要因指標と「総合満足度」との相関係数を表しました。
図表01 「総合満足度」との相関係数
⇒ 図表はこちらのページをご覧下さい。
仕事の側面においては全体的に正の相関が見られるものの突出した尺度はありません。これは仕事に期待することや指向・好みに個人差が大きいことと関係があると思われます。満足度向上の実践現場においては、部署や職種などごとに仕事の特性と従業員の指向との適合を考慮することが有効と考えます。 性格特徴と職務特性の関係が従業員満足度に及ぼす影響を調べた論文もご参照ください。
職場の側面においては、課題面では<バイタリティ>、対人面では<相互成長>の相関が強く出ています。現状に満足せず改善や成長を目指す前向きな職場において満足度が高まるようです。
上司の側面では、課題面よりも対人面と満足度の関係が強いようです。上司から自分への直接的な働きかけを含むだけに、満足感への影響が大きいのでしょうか。
社の側面では<評価・処遇>(適切な人材登用や異動、評価・処遇の納得感)、<組織体制>(合理的な資源配分と役割分担)、<執務環境>(能率的に働くためのハード・ソフト環境)の相関が強くなっています。経営トップ層の各尺度の相関が目立たないのは寂しいようにも思われますが、実は「経営トップの行動は、会社の将来性の中の<市場での発展>を高め、そのことを通じて従業員満足度を高める」という先行研究があります。今回の結果も先行研究と整合性のあるものといえるでしょう。
◆ 以下、レポートの詳細はこちらをご覧ください。
リクルートマネジメントソリューションズ http://www.recruit-ms.co.jp/ /同社プレスリリースより抜粋・8月25日