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HR業界TOPインタビュー「人・組織」ビジネスを牽引する希代の経営者

株式会社ベネフィット・ワン 代表取締役社長

白石 徳生さん

「サービスの流通創造」という斬新なビジネスモデルで起業
 現在は「BPOのワンストップ・ソリューション」にも挑む
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(2016/04/28掲載)
白石 徳生さん
人事・総務関連の部署の方々にとって、株式会社ベネフィット・ワンといえば、「福利厚生アウトソーシングサービスのトップ企業」というイメージが強いのではないでしょうか。実際、同社が提供する福利厚生サービス「ベネフィット・ステーション」は、会員数734万人(2015年9月末時点)に達し、圧倒的な存在感を示しています。しかし、1996年に同社が創業された際の事業コンセプトは、必ずしも福利厚生に特化したものではありませんでした。それまで「ユーザーが比較・検討し、内容と価格のバランスがもっとも優れた商品を買う」という当たり前のことが難しかった「サービス」の世界に、それを可能にする「流通」の概念を持ち込む。そのためにまず目をつけたのが企業の福利厚生だったのです。学生時代から常に事業の種を探していたという同社創業者・白石社長に、ビジネスのバックグラウンドやアイデアの誕生と企業成長の秘密、今後の展望などを詳しくお聞きしました。
プロフィール

白石 徳生(しらいし・のりお)●1989年に拓殖大学政経学部を卒業後、1996年パソナグループの社内ベンチャー第1号として、株式会社ビジネス・コープ(現 株式会社ベネフィット・ワン)を設立、取締役に就任。2000年ビジネス・コープ代表取締役社長に就任。2001年ベネフィット・ワンへ社名変更。2004年JASDAQ上場、2006年に東証二部上場を果たす。
福利厚生サービスのみならず、インセンティブ、CRM、BTM、ヘルスケアなど次々と新規事業を展開。2012年からは海外進出を開始し、アジア地域および米国・欧州に全7拠点の現地法人を設立。会員数は734万人 (2015年9月末時点)を超え、福利厚生事業で培ったユーザー課金型のビジネスモデルを強みに、新しい「サービスの流通創造」を目指す。

ベンチャーに興味を持った学生時代。ビジネスの種を探しに渡米

―― 株式会社ベネフィット・ワンの創業は、白石社長が当時勤務されていた人材ビジネス大手・株式会社パソナの「社内ベンチャーコンテスト」で認められたことがきっかけとうかがいました。もともと起業志向を強くお持ちだったのでしょうか。

私が大学生だった1980年代後半は、バブル景気によって日本全体がとても元気のいい時代で、大学生が起業してそのまま経営者になる「学生ベンチャー」がブームでした。USENの現取締役会長 宇野康秀氏やGMOの現代表取締役会長兼社長 熊谷正寿氏など、私と同年代で学生ベンチャーの代表として活躍していた人が本当に多かったんです。そういう空気に触れていたので、「自分も新しいビジネスの種をみつけて、チャンスがあれば起業したい」という思いがありました。

パソナとの接点ができたのは、19歳の頃のことです。私がとても親しくしていた先輩の叔父にあたる方が、当時パソナのアメリカ現地法人の社長で、食事会でお会いしたときに「ベンチャーをめざすなら、まずアメリカを見に来なさい」と言われたんです。その言葉がずっと頭の中にあり、大学3年になると本当にロサンゼルスに行って、現地のパソナでインターンシップを経験しました。

今でこそあまり差を感じなくなりましたが、当時のアメリカは日本に比べると圧倒的に進んでいました。4、5年の差があったのではないでしょうか。日本はバブル景気でお金があるので、ロサンゼルスの主要なビルはほとんど日本企業が買収していましたが、ビジネス環境や社会インフラの面ではまだまだかなわないことを思い知らされました。ソフトバンクグループの現代表取締役会長 孫正義氏が『タイムマシン経営』とよくおっしゃっていますが、アメリカで成功したビジネスモデルを日本に持ち込むだけで、時代を先取りした事業ができるということの理由を、肌で感じることができました。

もちろん、うまいビジネスの種が転がっているわけではありません。大学卒業後もアメリカに残って自分で立ち上げた貿易関係の仕事をしていましたが、1年後くらいに日本である商材のプロモーションを行った時に、アメリカに渡るきっかけをくれた方から、今度は「一緒にやらないか、手伝ってくれ」と言われ、帰国してパソナに入社しました。

―― 入社後、パソナではどのような経験をされたのでしょうか。

白石 徳生さん インタビュー photo

まず配属されたのは、ゴールドマン・サックス証券やリーマン・ブラザーズといった大手金融機関の日本法人等の、主に外資系企業への人材派遣を行う「パソナジャパン」でした。パソナグループには若手をどんどん抜擢していく風土があるので、2年目からは責任者として、ほぼすべてを任せてもらいました。まだ24歳の頃です。社員数10名程度の比較的小さな組織とはいえ、直属の上司である社長以外は、全員が私の部下。派遣の営業から人材採用、システム構築まで、あらゆる仕事を経験しました。

たとえば、外資系企業に派遣する人材として英語ができる帰国子女を集めたいと考え、メディアミックスで効果的な採用を行いました。また、当時は人材のアレンジを紙ベースの手作業で行っていましたが、すべてコンピュータシステムに切り替えました。社長がかなり自由にやらせてくれたこともありましたが、新しい方法を導入して売り上げを伸ばしていくのは、非常におもしろかったですね。

営業もどうすれば効率がよくなるのか、自分でいろいろと考えて動きました。いちばん成功したのは、外資系企業で働いている人を集めた「異業種交流会」。外資系専門にヘッドハンティングを行っている人と会計事務所の人に声をかけて、一緒に300人規模の異業種交流会を立ち上げたんです。立ちあげ後は、口コミでどんどんオーダーが入ってくるような状態でした。

―― そんな時に「社内ベンチャーコンテスト」に応募されたのですね。

はい。パソナジャパンではとてもいい経験をさせてもらいましたが、2~3年もすると、人材派遣の仕事に関する「勘どころ」がほぼわかってきたんです。採用戦略、営業戦略、マッチングのシステム。この三つをきちんと押さえていれば、結果はついてきます。さぁ、次にどんなことにチャレンジしようかと考えていた矢先に、パソナグループの「社内ベンチャーコンテスト」が開催されました。目まぐるしい毎日の中でも常に「何か新しい事業の可能性はないか」と考えていた私は、当然のようにコンテストに応募。アイデアが認められ、翌年には現在のベネフィット・ワンにつながる会社を立ち上げました。


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