新卒採用で会社を変える、業界を変える
徹底した「社員第一主義」を貫く、国際自動車の若手採用・育成の極意
国際自動車株式会社 専務取締役
渡邉 啓幸さん
「社員第一主義」を貫き、入社3年での離職率10%以下を実現
「大卒3年以内の離職率は平均30%」といわれるなか、貴社では「10%以下」だとうかがいました。他業界と比較しても高い定着率を実現できている秘訣をお聞かせください。
まず、入社後のギャップが生まれないように、選考過程で丁寧に会社や仕事の実情をお話ししていることが挙げられると思います。入社してから「こんなはずではなかった」と思われるのは、一番避けたいことです。そこで、会社の魅力を伝えるのと同時に、できていないこと・整備されていないことも、ありのままに伝えるようにしています。
新卒採用は、これまで当社になかった若者の視点を学べる貴重な機会。新卒社員の声に真摯に耳を傾け、恐れずに、業界の慣習や会社のルールを変えていくことが重要です。当社が掲げているのは、徹底した「社員第一主義」です。社員を大切にし、イキイキと働ける職場をつくることが、結果的にサービスのクオリティーやお客さまの満足度の向上につながると考えています。「採用の選考過程を工夫して、魅力をアピールすること」と「新卒をはじめとする若者に選ばれる会社をつくること」。どちらか一方ではなく、その両方に同時に取り組むことが肝心です。
また、タクシードライバーという仕事には実際、たくさんの魅力や働きがいがあります。「20代で年収500万~700万円を稼げる」「個人主体の仕事なので人間関係の悩みが少ない」「隔日勤務で休みが多く、自由度の高い働き方ができる」「一年で6000人のお客さまとの出会いがあり、人として成長できる」など、タクシードライバーならではの魅力を体感した社員は辞めずに続けています。
最後に、今後の抱負についてお聞かせください。
新卒社員に「国際自動車への入社の決め手」を聞くと、9割以上が「新卒採用チームのスタッフ」の名前を挙げます。新卒採用に関わる社員の努力と人間性で、学生をひきつけているのです。一方で、当社が新卒採用を始めた当時は珍しかった「すっぽんぽん採用」「ありのまま採用」というテーマは、他社も取り入れるようになり、徐々に新しさがなくなっています。今はたくさんの新卒社員を迎えることができていますが、現在の手法を踏襲するだけでは、この先さらに採用数を伸ばしていくことは難しいでしょう。これからは会社のネームバリューやブランド価値をあげ、「国際自動車だから入社したい」と学生から指名されるような存在になっていかなければなりません。そのために大切なのは、やはり、先ほど申し上げたような「社員第一主義」を徹底することです。企業としての新たな魅力を創造・発掘しながら、業界のイメージ向上に寄与していきたいと考えています。