パート・アルバイトの経営理念への共感と定着の関係性
アイデム人と仕事研究所
鈴木 優子
経営理念とは、会社の方向性や目的・目標を示すもので、社内では社員一人一人の行動指針となり、社外では、会社の雰囲気やブランドが創られるものです。一方で、経営理念の浸透は、パート・アルバイトの定着にも関わっています。当社発行の「平成29年パートタイマー白書」で企業と個人に聞いたアンケート結果から、経営理念の浸透が「どのように定着に関わっているか?」をみていきます。
経営理念を知っていますか?
パート・アルバイトの方は、今働いている会社の経営理念を知っているでしょうか。現在の勤務先の「経営理念を知っているか」を聞いたところ、図1のとおり、
- 「知っており、その内容に共感している」34.0%
- 「知っているが、その内容に共感していない」18.1%
- 「知らない」37.9%
という結果になりました。共感しているか否かを問わなければ、5割を超えるパート・アルバイトが経営理念を知っていることになります。
経営理念への共感=愛社精神?
次に、先ほどの「経営理念への把握と共感」と「愛社精神」の関わりをみていきます。愛社精神とは、会社に対する愛着や誇りのことで、『従業員エンゲージメント』など、あらためて、人材定着や社員のパフォーマンス向上のために必要とされている要素です。
まず、パート・アルバイトに、現在の勤務先に対して「愛社精神を持っているか」を聞いたところ、
- 持っている+どちらかと言えば持っている(以下、持っている)49.7%
- どちらかと言えば持っていない+持っていない(以下、持っていない)50.2%
という結果になりました。約半数のパート・アルバイトが愛社精神を持っていることがわかります。
さらに、これを経営理念への共感度との関係でみると、下記の図2のようになります。経営理念の内容に共感している人は、愛社精神を持っている割合が他と比べて高くなっています。経営理念を知っており、内容に共感している人で愛社精神を持っている人は77.0%、経営理念を知っているが内容に共感していない人では、愛社精神を持っている人は28.8%しかおらず、71.2%の人が愛社精神を持っていませんでした。つまり、経営理念への共感があると愛社精神もあるということがわかります。
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