40代・50代社員の課題と役割に関するアンケート
管理職・非管理職別に期待役割と実践度、活躍支援に向けた課題を調査(労務行政研究所)
2 管理職に期待している役割と実践度
[1]管理職(部長/課長)に期待している役割
ここでは、会社が部下を持つ管理職(部長/課長)に期待している役割を明らかにするため、以下の10の選択肢を提示し、自社の管理職に対する役割として当てはまるかどうかを聞いた。
【管理職に期待している役割の選択肢】
(1)組織のメンバーの成長を意識した指導・育成・提案を行う
(2)前向きな職場づくりを意識し、メンバーのモチベーションを高める
(3)自部署に関係する社内外の情報を収集し、メンバーへタイムリーに発信する
(4)社内外の関係者と適切にコミュニケーションを取り、人的ネットワークを維持・拡大する
(5)リーダーシップを発揮し、従来の方法にとらわれずに変革を推進する
(6)自部署と他部署が関係する横断的な課題・問題を把握し、対応策を立案する
(7)上位の方針に基づいて、所属組織あるいは個人の目標を設定し、その達成に向けて行動する
(8)適切なリソース配分を行う、メンバーが取り組むべき事柄を明示するなど組織内のマネジメントを担う
(9)自らも業務を担当して、部門業績のみならず個人業績も高める
(10)日頃から専門知識・専門技術を向上させ、環境変化にも柔軟に対応する
部長に期待している役割[図表3〜4]
(4)~(6)が8割を超える。(9)プレイヤーとしての期待は低い
部長に期待している役割(複数回答)としては、「(6)自部署と他部署が関係する横断的な課題・問題を把握し、対応策を立案する」が92.9%と最も高かった[図表3]。次いで「(4)社内外の関係者と適切にコミュニケーションを取り、人的ネットワークを維持・拡大する」が90.9%、「(5)リーダーシップを発揮し、従来の方法にとらわれずに変革を推進する」が84.8%と続き、上位三つは8割を超えている。
これは、規模別に見てもほとんど同じ結果だった[図表4]。ちなみに、「(9)自らも業務を担当して、部門業績のみならず個人業績も高める」は全体で15.2%だが、1000人以上の企業では、わずか2.8%となり、部長クラスにはプレイヤーとしての役割を期待する割合がかなり低い結果となった。
課長に期待している役割[図表3〜4]
(1)(2)(7)が9割超でメンバーへの関わりに期待大。(3)(5)(9)(10)も8割を超える
一方、課長に期待している役割(複数回答)としては、「(2)前向きな職場づくりを意識し、メンバーのモチベーションを高める」が92.9%と最も高く、次いで「(1)組織のメンバーの成長を意識した指導・育成・提案を行う」が91.8%、「(7)上位の方針に基づいて、所属組織あるいは個人の目標を設定し、その達成に向けて行動する」が90.8%となった[図表3]。また、「(10)日頃から専門知識・専門技術を向上させ、環境変化にも柔軟に対応する」87.8%、「(3)自部署に関係する社内外の情報を収集し、メンバーへタイムリーに発信する」86.7%、「(5)リーダーシップを発揮し、従来の方法にとらわれずに変革を推進する」81.6%、「(9)自らも業務を担当して、部門業績のみならず個人業績も高める」80.6%といった役割も8割を超えている。
規模別に見ると、多少のバラつきはあるが、上位三つはいずれの規模も8割を超えている[図表4]。
なお、部長に期待している役割として上位に入っていた「(4)社内外の関係者と適切にコミュニケーションを取り、人的ネットワークを維持・拡大する」と「(6)自部署と他部署が関係する横断的な課題・問題を把握し、対応策を立案する」は、それぞれ73.5%、63.3%と課長では8割を下回り、部長では部署を超えた役割や行動が期待されているのに対し、課長では部署内での組織づくりやメンバーの育成といった役割が期待されているという違いが浮き彫りになった。
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