平均時給が上がる業種は?
~平成28年度地域別最低賃金改定の影響について~
アイデム人と仕事研究所 関 夏海
地域別最低賃金の改定で平均時給にはどんな変化があるのか?(東日本)
表2は、東日本の発行エリア地域における業種・職種別平均時給と最低賃金改定の影響をまとめたものです。平成28年度地域別最低賃金を下回ってしまうデータを、最低賃金と“同額”に切り上げて平均時給を算出し、単純集計した平均時給との差額を出しています。この差額について、「東京都」では4円増、「神奈川県」は7円増、「埼玉県」は3円増、「千葉県」は2円増、「茨城県」は2円増、「群馬県」は1円増、「栃木県」は1円増、「静岡県」は3円増となりました。差額を割合で表した平均時給上昇率は0.5%以下の地域が多く、差額からは大きな変化はみられませんでした。
都県ごとに業種・職種別の改定影響率をみると、地域によってかなり異なる傾向がみられました。改定影響率には、階級ごとに色分けをしてあります。色が濃くなれば、より影響がある職種・業種となっています。「神奈川県」は、表1で改定影響率の高い地域として名前を挙げましたが、半数以上の職種・業種が40.0%を超えるという結果になりました。「東京都」は、全体でみれば22.5%の影響となっていますが、「東京23区」と「東京都下」で分けてみると、その差は明らかでした。
「東京23区」では、「製造業」で約半数のデータ(49.2%)が影響を受ける結果となりましたが、その他に40%を超える影響がでる業種・職種はありませんでした。一方で「東京都下」では、改定影響率40.0%以上となった業種が六つ、職種が六つあり、都下全体でみれば37.3%で、「神奈川県」を超える結果となりました。
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