どうなる? 今年のパート時給
岸川 宏(きしかわ・ひろし)
パートタイマー白書や学生を対象にした就職活動に関する意識調査など、当研究所が独自で行っている調査から見えてくることを考察します。
当社求人広告『しごと情報アイデム』における、平成26年のパート・アルバイトの募集時平均時給(※1)は、関東(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)で920.9円、関西(大阪府、京都府、兵庫県)で868.3円となった(表1、図1)。前年と比較すると、関東で9.8円、関西で14.9円の上昇となった。
リーマンショックのあった平成20年以後、平成23年まではパートの有効求人倍率は1.0倍を下回り、募集時の平均時給の上昇においても低調な状態が続いていた。
平成24年以降、景気回復の動きとともに有効求人倍率は1.0倍を超え、募集時平均時給も連動するように上昇傾向にある。
平成27年に入ってからの求人動向を見てみると、パートの有効求人倍率は1月が1.58倍、2月が1.61倍と、平成19年以来8年振りの高水準で推移している(表2)。今年の春闘では、非正規労働者の賃上げ状況も18.17円(加重平均)の引き上げとなった。今年に入ってからの動向を踏まえても、賃金上昇の動きは続いているようだ。
※1 平成26年のパート・アルバイトの募集時平均時給 は、専門的職業、管理的職業を除いた職業計
☆有効求人倍率はすべて、厚生労働省「職業安定業務統計」より
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