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日本企業は外国人の「高度人材」を獲得せよ。世界の優秀層を確保するためのビジネス戦略

65歳以上の人口比率は主要先進国の中でも最高水準、一方、15歳未満の子供のそれは最低水準。少子高齢化を背景に、将来の日本の経済を支える労働力不足の問題は深刻です。そこで、労働力の減少を補う選択肢の一つとしてあがっているのが、外国人労働者の確保。とりわけ、専門的・技術的分野で高い知識を持った外国人労働者は「高度人材」と呼ばれており、彼らを獲得しようという日本企業も増えてきました。しかし日本企業が「高度人材」の外国人労働者を受け入れ、職場に定着させるためには、解決すべき問題がまだまだたくさんあります。その現状と課題についてリポートします。
(取材・構成=フリーライター・上田里恵)

「人文知識・国際業務」「技術」の在留資格を得て 日本企業で働くホワイトカラーの外国人が増えている

法務省入国管理局の統計によると、2004年末現在、日本で働く外国人労働者(就労を目的とする外国人の登録者数)は19万2124人。このうち、専門的な技術や知識などを生かして日本企業に就職している、ホワイトカラー層を中心とした「高度人材」の外国人労働者は1万3214人で、前年から1588人(13.7%)も増加しています(図表(1)(2)(3)参照)。日本企業の外国人労働者の受け入れについて詳しい社会保険労務士の下川原篤史さんは、次のように言います。

図表1 就労を目的とする外国人の登録者数の推移

図表2 高度人材(日本企業に就職することを目的として 「人文知識・国際業務」または「技術」の在留資格を得た外国人)の推移

図表3 2004年に在留資格を得た高度人材(1万3214人)の国籍

図表1~3 法務省入国管理局調べ

「これまで外国人の在留資格では、この数年、『人文知識・国際業務』と『技術』の在留資格に登録している外国人が増えていますね。彼らはホワイトカラーの高度人材の外国人労働者で、2004年の統計では全登録者の約37%を占めています」

在留資格とは、外国人が日本での滞在を認められる資格のことで、「永住者」「日本人の配偶者等」といったように身分、地位にもとづくもので、日本での活動に制限のないものと、「投資・経営」「人文知識・国際業務」「技術」「企業内転勤」のように日本での活動に制限のあるものがあります。日本で働く場合には必ず必要になるものですが、2004年に「興行」の在留資格で働いている外国人は6万4742人、また「人文知識・国際業務」は4万7682人、「技術」2万3210人となっています。

「『人文知識・国際業務』とは、外国人が語学指導、通訳・翻訳、営業、マーケティングなどの職種に就くときに認められる資格です。大卒・大学院卒の文科系ホワイトカラーが中心ですね。一方、『技術』は主にIT技術者や機械等の設計者です。こちらは当然、理工系ホワイトカラーが多い」

彼らは、世界で通用する専門的・技術的知識を有する「高度人材」として、国際競争力を高めるためにも、いま日本政府が積極的に受け入れていこうとしている層だと下川原さんは言います。これら「高度人材」の外国人は、日本企業に定着しつつあるのでしょうか。

世界的な高度人材の獲得競争で後れをとっている日本 企業の外国人労働者に対する古い見方にその原因がある

2000年、日本政府は「IT基本戦略」を発表し、その中でIT関連人材の育成・確保の急務をあげました。国・大学・民間で、高度なIT技術者・研究者を育成し、あわせて、2005年までに3万人程度の優秀な外国人人材の技術者を受け入れていこう、というものです。

しかし2004年末現在、IT技術者が含まれる『技術』の在留資格を有する外国人労働者は2万3210人です。ここには、IT技術者以外のエンジニアも含まれるので、実際はもっと少なくなります。先に見たように高度人材の外国人労働者は増えていますが、目標に照らしてみれば、まだまだ人数は少ない状況だと言えます。

なぜ、高度人材の外国人が今ひとつ日本に定着しないのか。下川原さんは、その背景の一つとして、日本企業の外国人労働者に対する意識の未熟さがあると指摘します。

「たとえばアジア系の優秀な学生は欧米、特にアメリカ志向で、特に優秀な学生はアメリカに就職すると言われています。日本企業は彼らから見ると、『魅力がない』と映るようです。1990年代以降に世界的な高度人材の獲得競争が起きている中で、日本企業はその認識が乏しいのかもしれません。外国人を採用するにあたり、例えば本国の賃金水準では大卒初任給が日本円で5万円から6万円、それなら、日本に来て10万円の月給で働いてくれるだろうといった安易な考えで賃金を決めてしまうようであれば、国籍を理由とした労働条件の差別的取り扱いを禁じた労働基準法上の問題だけでなく、そういう考え方ではもう高度人材は獲得できないと思います」

主要先進国における高度人材(高度熟練労働者)の外国人の比率(経済産業省発表)をみると、日本はわずかに1.1%。カナダ7.2%、アメリカ6.0%などと比べて、低水準です。日本は外国人に対する規制が厳しいため、入国すること自体がむずかしいという背景もありますが、高度人材は「お金」だけでなく、自分の技術を正当に評価してくれる市場に流れていくと言います。

もう一つ、高度人材の外国人が日本に定着しない背景には、企業の採用・育成における人材マネジメントが曖昧である、ということもありそうです。2004年、労働政策研究・研修機構が外国人労働者を雇用している事業所を対象に行った調査の結果をみると(図表(4)参照)、外国人労働者を採用した理由で最も多かったのが「たまたま外国人だった」という回答です。50事業所がそう回答しており、次いで「特殊な技能・能力、高度な技術があったから」が40事業所、「日本人を雇うことができなかったから」が24事業所と続きます。外国人労働者は、「自分は○年後にこうしたい」というキャリア志向が日本人よりもはっきりしていると言われます。とくに高度人材ではそういう意識が強いと言われますが、日本企業が明確な目的もなく彼らを採用しようとして、うまくいくとは思えません。そこで問われるのが、やはり人材の採用・育成マネジメントです。

図表4 外国人労働者を採用した理由は?(複数回答)

独立行政法人労働政策研究・研修機構「外国人労働者問題の現状把握と今後の対応に関する研究」(2004年)より

高度人材をなぜ採用するのか目的をはっきりさせて 事業の方向性と本人の希望を摺り合わせることが大事

「日本企業が高度人材を採用できたと喜んだのも束の間、ほどなく辞められてしまった、などという話もよく聞きます。日本企業と高度人材のそれぞれの採用・就職の目的を摺り合わせていないと、そんな結果になるでしょう」と下川原さんは指摘します。たとえば日本企業は終身雇用を前提に長期的な育成をしようと思って高度人材を採用していた。ところが、採用された高度人材のほうは、2、3年勤務して実務を身につけたら、帰国して起業したいと考えていた、といったことがあると言います。

日本企業にすれば、どのような目的で高度人材の外国人を採用するのか、まずそこを明確にしなければなりません。

「たとえば、高度人材に国内メインの事業で力を発揮してもらいたいのか、それとも海外展開の事業でやってもらいたいのか。採用後は社内で育成していくのか、それともすでに育成の必要のない人を採用したいのか。これだけを考えるだけでも、採用すべき高度人材のイメージが違ってきますよね。通訳、翻訳など国内中心の事業で即戦力を必要とする仕事なら、ある程度、経験のある中途採用者が必要になりますし、内部で人材育成したい営業やマーケティングの仕事であれば、日本企業に長く勤務したいと考えている新卒者でもいいでしょう。
一方、高度人材のほうでも日本企業で働く目的は違っています。日本で短期間働きたいのか、長期間働きたいのか。また、組織内でキャリア構築を目指すライン志向なのか、それともスペシャリスト志向なのか。そうした本人のキャリアイメージと、日本企業の側の人材戦略をマッチングさせなければうまくいきません」

仕事以外の生活のアドバイスもできるメンターをつける 採用決定の段階では在留資格と労働契約書に注意する

また採用後のモチベーション維持も大切ですが、高度人材の外国人に意欲的に仕事に取り組んでもらうためには、どうしたらいいのか。日本人社員に対する方法とは異なる、どんな方法があるでしょうか。

「まずは高度人材に会社の社風や慣習に慣れてもらうために、プライバシーに立ち入り過ぎるのは逆効果ですが、仕事以外でも、日常生活のことなどを相談できるメンター(指導係)をつけるとうまくいくようです。日本語が十分ではない場合、習得をサポートするなど配慮も必要ですね」

図表5 外国人労働者への仕事上の配慮は?(複数回答)

独立行政法人労働政策研究・研修機構「外国人労働者問題の現状把握と今後の対応に関する研究」(2004年)より

採用段階で日本語能力や協調性はチェックするはずですし、留学生なら日本語は心配ないと思われますが、仕事の場面以外でサポート体制を整えてあげることで、高度人材の側に「自分は会社から本当に求められているんだ」と意識させることができると、下川原さんは言います。

さらに高度人材など外国人を採用する場合、日本人を採用する場合と違って注意しなければならないことがいくつかありますが、主なものを2つあげます。

まず、在留資格に関すること。先述した「採用目的を明確にする」ということは、高度人材(外国人)本人のやる気を促すだけでなく、在留資格を得るためにも重要です。日本人を採用する場合、「仕事の内容は入社してから」というケースが少なくありませんが、高度人材(外国人)の場合は、そうはいきません。採用の段階で、入社後の仕事内容を明確にしておく必要があります。中途採用の場合、その高度人材(外国人)が取得している在留資格以外の分野で採用・雇用することになれば不法就労になってしまいます。留学生を採用する場合は、「留学」(もしくは「就学」)の在留資格を変更しなければなりません。このとき、採用・入社後の仕事が学生時代の専攻に関連性があることが変更の条件になります。日本人が海外で働く場合も同様なのですが、自国民の採用が優先されるため、「どうしてもその高度人材(外国人)でなければだめ」という明確な採用目的がなければ、就労が認められにくくなっているのです。

労働契約についても、高度人材(外国人)を採用する場合は、書面できちんと交わしておく必要があります。

「労働契約書は、採用する人の母国語と日本語の対訳でつくり、仕事内容などの処遇、賃金を明確にすること。労働者災害補償保険、健康保険、厚生年金についても、原則として外国人労働者にも適用されます。6カ月以上厚生年金保険料等を納めた外国人は、脱退一時金を受給できるなど、社会保険の仕組みをあらかじめ文章にしておく必要があるでしょう。そうしないと、『手取り賃金がちがう』というようなトラブルに発展しかねません」

外国人労働者に就業規則を見せるだけでは不十分。労働契約書にお互いにサインをしたうえで、控えを本人に渡しておくといった対応が必要だと下川原さんは言います。

外国人の在留期間や受け入れ分野は拡大する方向へ 企業が高度人材を受け入れるよう意識改革できるか

自民党が検討している「外国人労働者に関する総合対策案」では、原則3年の在留期間を5年に延長するほか、留学生が日本で就職活動をするための滞在期間を1年に延ばす案が含まれています。経済財政諮問会議でも、現在は就労を認めていない介護の分野において外国人労働者の受け入れ拡大を検討しています。高度人材の確保に向けて、これから拍車がかかりそうです。

外国人を採用するルートも、新聞や雑誌の求人広告、就職情報誌、人材紹介会社、外国人雇用サービスセンター(ハローワーク)などのほか、最近では、リクルートが留学生に向けた企業の求人サイトを開設しました。今後、高度人材の需要が増えるにつれて、紹介・派遣事業を手掛ける人材会社も急速に増えるかもしれません。

将来の労働力不足を外国人で補うことに慎重な意見もあり、まずは国内の若年層の活用を、という声があるのも事実なのですが、日本企業が高度人材に限らず外国人研修生を受け入れることによっても、「適度な緊張感が醸成されて全社的なモチベーションがあがり、社内の空気に新しい風を吹き込むこともある」(下川 原さん)など、プラスアルファのメリットが現れることが多いと言います。今後、日本企業が優秀な高度人材を職場に定着させ、活用できるかどうか。採用目的の明確化など、受け入れのための改革がカギになりそうです。

(取材は2006年6月から7月にかけて行いました)


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