【入社直前意識調査】内定期間中、もっと支援してほしかったこと「具体的な業務内容を学ぶ機会」
累計13,000社420万人以上の組織開発・人材育成を支援するALL DIFFERENT(オールディファレント)株式会社(所在地:東京都千代田区 代表取締役社長:眞﨑大輔)および「人と組織の未来創り🄬」に関する調査・研究を行うラーニングイノベーション総合研究所🄬は、2025年1月21日~3月7日の期間で、2025年に企業に入社する新入社員に対し、入社直前意識調査を行いました。本リリースでは、2025年の新入社員が、内定期間中にどのような準備をして入社を迎えたか、「入社前の取り組み」にフォーカスした調査結果を公表します。
〈背景〉
当社は、入社直前意識調査を通じ、2025年入社の新入社員がどのような理想を抱いているのか、そしてどのような気持ちで入社を迎えたのかを、第1弾、第2弾で公表してきました。これらの調査では、新入社員のキャリアに対する考え方や成長意欲について公表しており、中でも、入社を迎え期待していることの1位は「学び、成長したい」という結果が明らかになりました。
このような健全な成長意欲を持っている新入社員は、入社前にどのように内定先の企業とコミュニケーションを深め、入社の日を迎えたのでしょうか。
本調査では、内定期間中の企業からのサポートを新入社員がどう受け止めていたのかという結果とともに入社後にできるとよいサポート、そして来年度以降の新入社員受け入れのヒントをご紹介します。
調査結果の概要
● 社会人になるにあたり努力したこと「働く経験」「生活習慣の改善」が上位に
● 内定期間中の“ありがたかった支援” 「内定者との関係を築く機会」が6割以上でトップ
次いで「先輩社員との関係を築く機会」が半数以上
● 内定期間中“もっとサポートしてほしかったこと”
1位は「具体的な業務内容を学ぶ機会」 2位は「先輩社員との関係を築く機会」
● 内定期間中の会社の人とのコミュニケーションの充足感
対人事、充足感あったと90%以上が回答。対先輩社員、充足感あったとの回答6割にとどまる
〈考察〉新入社員の納得感・安心感を醸成する支援とは
調査結果の詳細
1. 社会人になるにあたり努力したこと「働く経験」「生活習慣の改善」が上位に
まず、社会人になるにあたり努力したことについて質問しました。
結果、「アルバイトを通じ、働く経験をしている」が62.3%でトップとなりました。次いで、「早寝早起きなど、生活習慣の改善に取り組んでいる」が38.8%、「専門知識を学んでいる」が35.5%という結果になりました。
2. 内定期間中の“ありがたかった支援” 「内定者との関係を築く機会」が6割以上でトップ
次いで「先輩社員との関係を築く機会」が半数以上
次に、内定期間中にあった内定企業からの支援で「ありがたかったこと」は何だったか質問しました。
結果、「他の内定者との関係を築く機会」が61.9%で最も高い割合となりました。次いで「先輩社員との関係を築く機会」が54.9%、「職場見学(オフィスツアー)」が39.6%という結果になりました。同じ会社の人との関係構築の機会があったことに満足感を得ている様子が見られました。
3. 内定期間中“もっとサポートしてほしかったこと”
1位は「具体的な業務内容を学ぶ機会」 2位は「先輩社員との関係を築く機会」
ありがたかった支援は「内定者との関係を築く機会」がトップでしたが、「もっと支援してほしかったこと」は何だったのでしょうか。
結果、「具体的な業務内容を学ぶ機会」がトップで27.5%、「先輩社員との関係を築く機会」が25.6%、「業界の専門知識や専門スキルを学ぶ機会」が21.6%と続く結果となりました。
4. 内定期間中の会社の人とのコミュニケーションの充足感
対人事、充足感あったと90%以上が回答。対先輩社員、充足感あったとの回答6割にとどまる
内定期間中の会社からの支援で、「ありがたかった支援」と「もっと支援してほしかったこと」のどちらにも、「先輩社員との関係を築く機会」がランクインしました。では、内定期間中のコミュニケーション量についてどのように感じていたのか、〔社長・役員〕〔人事・採用担当者〕〔先輩社員〕〔同期〕とコミュニケーションの相手を4つに分けて分析しました。
【社長・役員とのコミュニケーション】
まず、社長・役員とのコミュニケーションの充足感について質問しました。結果、「コミュニケーションの量が十分だったか」という質問に対し、「そう思う」「ややそう思う」と回答した新入社員は7割を超えました。
次に、社長・役員とのコミュニケーションにおいて、手法と充足感の関係を調査しました。結果、「SNS」と「オンライン会議」でのやり取りにおいて、充足感が高いことが明らかになりました。また、「コミュニケーションはとっていない」と回答した層でも、十分だと思うかという質問に対し、「そう思う」「ややそう思う」と回答した割合が半数以上いることもわかりました。
【人事・採用担当者とのコミュニケーション】
続いて、人事・採用担当者とのコミュニケーションの充足感について質問しました。
結果、「コミュニケーションの量が十分だったか」という質問に対し、「そう思う」「ややそう思う」と回答した新入社員は93.4%と、他関係者と比較して、最も高い割合となりました。
次に、人事・採用担当者とのコミュニケーションにおいて、手法と充足感の関係を調査しました。結果、すべての手法で十分かという質問に対し、「そう思う」と回答した割合が6割を超えており、「ややそう思う」を含めると9割以上が「十分」と感じている結果となりました。特に「オンライン会議」「チャット」での充足感が高いことが明らかになりました。
【先輩社員とのコミュニケーション】
次に、先輩社員とのコミュニケーションの充足感について質問しました。結果、「コミュニケーションの量が十分だったか」という質問に対し、「そう思う」「ややそう思う」と回答した新入社員は65.6%と、他関係者と比較して最も低い割合となりました。
次に、先輩社員とのコミュニケーションにおいて、手法と充足感の関係を調査しました。結果、「オンライン会議」と「チャット」の充足感が高い結果がわかりました。一方で、他関係者と比較すると「電話」の充足感が低く、「対面」においては社長・役員と同等の割合となりました。
【同期とのコミュニケーション】
最後に、同期とのコミュニケーションの充足感について質問しました。結果、「コミュニケーションの量が十分だったか」という質問に対し、「そう思う」「ややそう思う」と回答した新入社員は71.1%となりました。
同期とのコミュニケーションにおいて、手法と充足感の関係を調査しました。結果、十分かという質問に対し、どの手法においても半数以上が「そう思う」と回答し、中でも「メール」と「電話」のコミュニケーション手法で高い充足感を感じていたことが明らかになりました。一方で、「コミュニケーションはとっていない」層における、コミュニケーションが十分と感じなかったと回答した割合は、他関係者と比較して最も高いことも明らかになりました。
まとめ
2025年入社の新入社員が、入社までにどのような取り組みをしてきたのか、実態を調査しました。結果、内定期間中に努力して取り組んだことのトップは「アルバイトを通じて働く経験をしたこと」でした。次いで「生活習慣の改善」がランクインしており、これは2024年10月に実施した内定者意識調査*3で、想定する困難に「生活リズムの変化」が高い割合となっていたこととの関係が推測でき、実際に社会人になる前に、働く経験や生活習慣の改善に取り組み、事前準備していきたいという意図が想像できます。
また、内定期間中にありがたかった支援は、「内定者との関係構築」が最も高い割合となりました。一方で、もっと支援してほしかったことは「具体的な業務内容を学ぶ機会」が最も高い割合となりました。また、「先輩社員との関係構築」は、ありがたかった支援ともっとサポートしてほしかったことのどちらにも挙がり、先輩社員とのコミュニケーション構築への関心が高いことが伺えました。
先輩社員とのコミュニケーションが十分だったかどうか聞いたところ、「十分だった」という回答の割合は、社長や人事よりも低い結果となりました。このことから、入社前・入社後に関わらず、先輩社員とのコミュニケーションの在り方は工夫できる余地がありそうです。
〈考察〉新入社員の納得感・安心感を醸成する支援とは
本調査では、新入社員が入社を迎えるにあたり、アルバイトで働く経験を積んだり、同期とのコミュニケーションを通じたりして、不安の軽減や自信の構築に取り組んできたことがわかりました。内定期間中にもっとしてほしかった支援として、「業務内容を学ぶ経験」「専門知識・スキルを学ぶ機会」や「先輩社員とのコミュニケーション」が挙がりましたが、これらは入社後も支援が不足している可能性が高いと考えられます。これらを支援するために、企業が取り組むべき2つのポイントをご紹介します。
■業務・知識の意味・価値を学ぶ
業務や専門知識の習得は必要不可欠ですが、納得感をもって仕事に取り組んでもらうためには、上司や先輩社員から「この仕事にどんな意味・価値があるのか」を伝えることが重要です。会社のビジョンなどを就職説明会で聞いてきた新入社員にとって、仕事の「意味」や「価値」を知ることは、会社へどのように貢献することができるかを考えることとなり、モチベーションが高まることが期待できるでしょう。
また、業務に直結する知識やスキルだけではなく、ビジネスパーソンとして活躍するために必須となる汎用的で基礎的なマインド・知識・スキルの獲得やそのための習慣を身につけることの必要性も繰り返し伝え指導することも重要です。
■先輩社員とのコミュニケーション
調査結果から、先輩社員とのコミュニケーションの充足感が最も低かったことが分かりました。コミュニケーション機会そのものがなかった場合もありますが、「機会があるけど本音が話せない」という情意的な影響も考えられます。入社直後は、頻繁にコミュニケーションの機会を設けることや積極的な声掛けが必要ですが、「話しやすい相手」を作る工夫も重要です。OJTだけでなく、相談役の設置やメンター制度を取り入れることも有効です。OJTは職場での業務を通じた成長をサポートしますが、メンターは「直属の上司以外の社員」が担当し、精神的な支援を担います。新入社員が相談して良い相手ができることによって、入社後にあたる様々な壁を乗り越える手助けとなるでしょう。
(1)業種
(2) 企業規模
◆本調査の詳細は、こちらをご覧ください。
(ALL DIFFERENT株式会社/4月9日発表・同社プレスリリースより転載)