【ヨミ】キツエンキュウケイ 喫煙休憩

「喫煙休憩」とは、就業時間中に従業員が喫煙目的で席や持ち場を離れ、オフィスに設置された喫煙コーナーや戸外など、喫煙が許される場所まで移動して休憩をとることをいいます。受動喫煙防止をうたった健康増進法の施行(2003年)以来、社内禁煙・分煙の流れが強まり、喫煙者は肩身が狭い思いをしていますが、一方で多くの企業では、定められた休憩時間外の喫煙休憩を職場の慣習として黙認しているのが実態です。非喫煙者と比べて非生産的で、不公平ではないかという批判も少なくありません。
(2013/7/29掲載)

喫煙休憩のケーススタディ

職務専念義務違反か、職場の潤滑剤か
社内ルールによる厳正な管理は困難

旅館やホテル、温泉施設を運営する星野リゾートグループは、「喫煙者は採用しない」という企業方針を明確に打ち出し、応募者の面接時には必ず喫煙の有無を確認することで知られています。同社が分煙さえ認めず、喫煙者を採用しない理由は、作業効率の低下や喫煙場所への投資が利益を圧迫するほか、喫煙習慣のある従業員だけに喫煙休憩を認めることで職場に不公平感が生じるからだといいます。

ドイツでも昨年、経済団体が就業中の喫煙休憩の廃止を提案して、論議を呼びました。08年に公共施設やレストランでの喫煙を禁じる法律が施行されたドイツでは、ほとんどの企業が職場を原則禁煙とし、社員は休憩時に喫煙室か、屋外でタバコを吸うように求められています。同団体が公表した試算によると、タバコを吸う労働者は1人平均5分間の休憩を1日に3回取ることで、年間2000ユーロ(約19万9000円)以上の損失を企業に与えているといいます。「喫煙者は非喫煙者より休憩時間が長く、非生産的だ」と指摘されるゆえんです。

一方、愛煙家たちにも「喫煙スペースでの談笑が社内での貴重な情報交換やコミュニケーションになっている」など、喫煙休憩を正当化する言い分があるようですが、そもそも会社員として勤める以上、勤務時間中は労働契約や就業規則などの定めるところによって、会社側から課された職務に専念しなければなりません。これを職務専念義務といい、違反した場合は何らかの処分や人事的なマイナス評価を受けることもありえます。したがって所定の休憩時間でもないのに従業員が持ち場を離れてまで喫煙しているとすれば、本来は当然、職務専念義務違反であり、サボリと批判されても文句はいえないでしょう。

ただし、実際にどういう行為が職務専念義務に反するかの判断は難しく、法的にも定義づけられていません。最高裁判所が、会社の業務や従業員の職務の性質・内容、その行動の様子など、さまざまな事情をくみながら総合的に判断すべきである、との立場を採っているためです。喫煙休憩についても、喫煙に関する社内規定が整備されず、勤務時間中であっても喫煙場所へ出向いてタバコを吸うことが黙認されている状況であれば、職務専念義務違反には問えないという意見があります。

1日に吸うタバコの本数を制限したり、喫煙休憩を申告制やタイムカードで把握して定時を延長したりするなどのルールの導入も考えられますが、そこまで細かい労務管理を行える企業は限られるでしょう。分煙を公正に実施する難しさや、さらには健康経営の重要性を考え合わせれば、今後「分煙よりいっそ全面禁煙を」という流れが強まっていくのは必至だといえます。

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