企業研修、採用、評価、人材開発、労務・福利厚生のナレッジコミュニティ

HR業界TOPインタビュー「人・組織」ビジネスを牽引する希代の経営者

株式会社ディスコ 代表取締役社長

夏井 丈俊さん

ユーザー視点に立脚し、キャリアにプラスとなる
新しい人材ビジネスのモデルを実現する

2015/5/20
夏井丈俊さん
1973年創業の株式会社ディスコは、企業の人材採用を総合的に支援しています。新卒・中途のほか、グローバル採用支援にも強く、ボストン、ロサンゼルス、ロンドン、シドニー、上海などでジョブフェアを開催していることで有名です。夏井丈俊さんは8年に及ぶ海外勤務を経て、2010年に代表取締役社長に就任して以来、人材ビジネスの新しいあり方を提案し続けています。2015年6月には新しい就活サービス「キャリタス就活2017」を立ち上げます。これまでの就職サイトの枠を超えたモデルとして注目が集まっています。夏井さんにこれまでの仕事の経験と、今後の同社の方向性について詳しいお話を伺いました。
プロフィール

夏井丈俊(なつい・たけとし)●1987年(株)ディスコ入社、1998年アメリカ現地法人 DISCO International, Inc. 社長として赴任、2000年にはイギリス現地法人 DISCO International, Ltd. 社長を兼務、2005年12月常務取締役、2010年10月代表取締役社長として現在に至る。

ディスコに入社、アメリカ法人の経営立て直し

―― 夏井さんは大学卒業後、新卒でディスコに入社されましたが、どのような経緯で人材ビジネスに関わろうとお考えになったのでしょうか。

大学の就活時期には、出版業界や広告業界に就職したいと思っていました。そんな時にディスコからダイレクトメールが送られてきて、人材ビジネスという業界が存在することを初めて知りました。この時、「人材派遣」「人材あっせん」ぐらいのイメージしかなかったため、「人材ビジネス」と「広告業」がすぐには結び付きませんでした。ただ、自宅には新卒関連の就職情報誌が届いていたこともあり、いったい人材ビジネスとはどのような業界なのか、求人を扱う仕事とはどういうものなのか、話を聞いてみようと思い、ディスコの会社説明会に足を運びました。

話を聞くと、求人広告というビジネスが、商品広告とは異なり、会社そのものをPRするという点で、当時の私にとっては非常に新鮮でした。このような広告ビジネスもあるのだ、と強く印象に残りました。

当初考えていた出版業界は、非常に狭き門。出版業界に対するあこがれはありましたが、最終的には独立したいとも考えていました。そのためにもまずは社会に出て働くことが大事だと思い、この時に縁があったディスコで働こうと思いました。また当時、ディスコは社員数が50人ほどの小さな会社。若い人が多かったし、これから人材ビジネスで成長していける予感がありました。人材ビジネスの世界で、自分の力がどれだけ生かせるかチャレンジしてみようと思ったのです。

夏井丈俊さん インタビュー photo

―― 最初は、どのような仕事をされたのですか。

求人広告の営業です。最初は主に中堅・中小の専門商社を担当しました。その後、建設、住宅、不動産業界を担当しましたが、160社余りをほとんど一人で回っていました。会社が伸び盛りの時期でしたので、それを苦に感じるようなことはありませんでした。軌道に乗った後、都市銀行や政府系銀行などを担当しました。

私が入社したのが1987年。その翌年からバブル景気の下、企業の求人意欲が非常に活発化しました。営業で企業に伺うと、すぐに反響があるなど、とても忙しかったことを覚えています。また、良い営業成績を上げることができ、営業の仕事が自分に向いていると思いました。この頃はまだ紙媒体でしたが、媒体の企画を自分で作るなど、途中から営業推進の仕事を兼務するようになりました。

ところが、1998年、急遽アメリカ行きを命じられました。現地の子会社社長として赴任することになりましたが、要は現地法人の立て直しです。

―― アメリカへの赴任が決まった時、どのように感じましたか。

転勤することはないと思っていましたので、驚きました。ただ、アメリカに行ってみたいという気持ちは持っていたので、切り替えはすぐにできました。というのも、営業推進の仕事をしていた時、アメリカのキャリアフォーラム事業を担当しており、現地の子会社の役員だったからです。現地の子会社が厳しい状況にある時、立て直しに行くとしたら自分しかいないだろうと思っていました。

アメリカで会社を経営するなんて、なかなかできる経験ではありません。結局、ニューヨークで8年間を過ごすことになりましたが、いろいろな意味で貴重な経験をすることができました。事業を立ち上げたり、現地の大学と折衝したりするなど、良いトレーニングとなりました。とにかく、やることなすこと全てが新しい経験。その中で会社を黒字化しなければなりませんでした。いま考えると、外国人と一緒に何かを進める上で臆することがなくなったことが、一番大きい収穫だったように思いますね。

―― 帰国された後、今度はどのような仕事に就かれたのですか。

2006年に帰国し、常務取締役となったわけですが、事業部長として担当することになったのが学生募集、キャリア教育、就職指導など学校関連の情報を扱う教育広報事業です。これまで、企業の採用畑を担当してきたわけですから、まさか学校関連を担当するとは思いもしませんでした。ただこれも、良い経験だったと思っています。大学の置かれている状況を、さまざまな角度から学ぶことができたからです。その後、専務取締役となり、今度は採用広報事業を担当することになりました。そして2010年10月に代表取締役社長となりました。

―― 社長に就任されるまでの間、重要な事業を幅広く体験されたわけですね。

キャリアの偶然性を感じずにはいられません。計算して、このようなキャリアを積んだわけではありませんから。その時々の重要な課題について、その任務について責務を遂行しただけのことです。実際に担当した仕事の内容をふりかえってみると、事業の立て直しが多かったように思います。アメリカの子会社は当時、経営面で行き詰まっていたので、どう再建するかが問われました。日本に戻ってきてからも、最初は教育広報事業の立て直し。その後、採用広報事業に移ったのも事業の立て直しをするという背景がありました。社長になったのもリーマンショックの後、会社として大きな赤字を出した時。まさに経営の立て直しです。キャリアの途中からは、「再建屋」という認識を持っています。


  • このエントリーをはてなブックマークに追加

HR業界TOPインタビューのバックナンバー

佐藤 剛志さん(株式会社ジェイック 代表取締役):
「世の中になくてはならない企業」をつくりたい
人材教育と紹介で、就職ポテンシャル層と企業の可能性を拓く
「教育支援」と「採用支援」をかけ合わせた「教育融合型人材紹介事業」を展開する、株式会社ジェイック。フリーターや第二新卒を対象とした、就職講座・面接会一体型の就職...
2020/01/24掲載
舟橋 孝之さん(株式会社インソース 代表取締役 執行役員社長) :
顧客の「こうなりたい」という気持ちに寄り添い、課題解決に貢献
“作り続ける”サービスで多様な人材が活躍できる組織を生み出す
年間研修実施回数2万2000回超、年間研修受講者数51万人超など、企業研修業界で圧倒的な実績を持つ、株式会社インソース。研修事業に加えて、公開講座やITサービス...
2019/09/20掲載
根岸 千尋さん(株式会社廣済堂 代表取締役社長):
ベトナムで人材サービスを立ち上げて人生が変わった
――創業70周年で社長に就任。「100年企業」への礎を築く
今年で創業70年を迎える株式会社廣済堂。「広く社会に貢献する」を基本理念に、出版印刷をはじめとする情報コミュニケーション事業、求人メディアや人材紹介、海外人材サ...
2019/08/29掲載

関連する記事

企業と学生の相互理解を促進!「キャリタス就活フォーラム インターンシップ&仕事研究」を活用した、新卒採用活動の最前線に迫る
2015年7月11日、東京ビックサイトでインターンシップイベント「キャリタス就活フォーラム インターンシップ&仕事研究」が開催されました。当日は官公庁のほか、多...
2015/08/03掲載注目の記事
外国人の求職者を日本企業に紹介する難しさ
日本企業でも外国人の採用が増えているという記事を、新聞などでよく目にするようになりました。しかし、新卒採用が中心で、外国人の中途採用は積極的に行われていないのが...
2014/01/06掲載人材採用“ウラ”“オモテ”
人事マネジメント「解体新書」第53回
2013年 新卒採用の動向と対策(前編)
2013年の新卒採用は、日本経団連の倫理憲章によって、例年より2ヵ月遅れて2011年12月にスタートした。これにより、多くの企業が採用戦略の見直しを迫られること...
2012/02/27掲載人事マネジメント解体新書
目標管理・人事評価システム導入のメリットとは?

会員として登録すると、多くの便利なサービスを利用することができます。

注目コンテンツ


「目標管理・人事評価」に役立つソリューション特集

目標管理・人事評価システムを選ぶときのポイント、おすすめのサービスを紹介します。


【人事の日制定記念企画】
オピニオンリーダーからのメッセージ

HR領域のオピニオンリーダーの皆さまから全国の人事部門に向けてメッセージを頂戴しました。


人事メディア情報

人事メディア情報

人事・労務関連の代表的なメディアをご紹介いたします。


Employee Experienceを企業競争力の源泉へ<br />
リクルートが本気で取り組む「エンゲージメント型経営」

Employee Experienceを企業競争力の源泉へ
リクルートが本気で取り組む「エンゲージメント型経営」

リクルートホールディングスでは2015年から、働き方変革を推進。グロー...


企業の成長を促す「エンゲージメント経営」<br />
Employee Experienceが競争力の源泉となる

企業の成長を促す「エンゲージメント経営」
Employee Experienceが競争力の源泉となる

将来の労働力減少が見込まれる現代において、「従業員一人ひとりが持つ経験...