有賀 誠のHRシャウト!人事部長は“Rock & Roll”
【第7回】人事部とリーダーシップ(その3):リーダーの姿勢
株式会社日本M&Aセンター 常務執行役員 人材ファースト統括
有賀 誠さん
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キャリア構築の3要素
人は誰にでも「やるべきこと」「やりたいこと」「やれること」の三つがあります。その三者の折り合いをつけることこそが人生であり、またキャリアの構築であるとも言えるでしょう。
- やるべきこと = 使命・責任
- やりたいこと = 志・夢
- やれること = 器・能力
当然のことながら、「やるべきこと」を放っておくのは無責任です。企業組織の中にありながら、「やりたいこと」だけをやっているわけにはいきません。
一方、「やるべきこと」だけの毎日では、人生も仕事もつまらない日々になってしまいます。「やらされ感」や「受け身体質」が増長することになるでしょう。
ちなみに、「やりたいこと」を見つけるのは自分です。「つまらない」と言ってはいけません。それでは他責の姿勢となってしまいます。
また、「やれること」を広げる努力をすれば、「やりたいこと」も拡大するものです。例えば、「外国語を習得した→グローバルな舞台で活躍したい」「キャリア・カウンセラーの資格を取得した→人事や人材育成の仕事がしたい」など。
優れた人物は、「やれること」を広げながら、「やるべきこと」と「やりたいこと」を重ねる工夫をするものです。さらに、優れたリーダーは、チーム全体やチーム・メンバーの「やれること」を広げながら、「やるべきこと」と「やりたいこと」を重ねる努力をすることでしょう。実務の中においては、以下のような工夫がそれにあたります。
- 育成のためのストレッチをデザインする
- トップ・ダウンではなく 業務目標を一緒に作成する
- 目標を握った上で、やり方を任せる
- 目的や意義を共有することで、トンネルの向こう側を見せる
- 目標達成後の御褒美を約束する(「大変なプロジェクトだが、見事成功したら焼き肉を食いに行くぞ!」など)
一人のリーダーとして自らのチームのメンバーにこのように接することは当然のこととして、人事としては、社員全般の「やるべきこと」「やりたいこと」「やれること」の三つを重ねるために、やるべきこと、できることは多いのではないでしょうか。
有賀誠の“Rock & Roll”な一言
リーダーならポジティブ反転!
そして、イケてるクロス・オーバー!
やるべきこと×やりたいこと×やれること
- 有賀 誠
- 株式会社日本M&Aセンター 常務執行役員 人材ファースト統括
(ありが・まこと)1981年、日本鋼管(現JFE)入社。製鉄所生産管理、米国事業、本社経営企画管理などに携わる。1997年、日本ゼネラル・モーターズに人事部マネージャーとして入社。部品部門であったデルファイの日本法人を立ち上げ、その後、日本デルファイ取締役副社長兼デルファイ/アジア・パシフィック人事本部長。2003年、ダイムラークライスラー傘下の三菱自動車にて常務執行役員人事本部長。グローバル人事制度の構築および次世代リーダー育成プログラムを手がける。2005年、ユニクロ執行役員(生産およびデザイン担当)を経て、2006年、エディー・バウアー・ジャパン代表取締役社長に就任。その後、人事分野の業務に戻ることを決意し、2009年より日本IBM人事部門理事、2010年より日本ヒューレット・パッカード取締役執行役員人事統括本部長、2016年よりミスミグループ本社統括執行役員人材開発センター長。会社の急成長の裏で遅れていた組織作り、特に社員の健康管理・勤怠管理体制を構築。2018年度には国内800人、グローバル3000人規模の採用を実現した。2019年、ライブハウスを経営する株式会社Doppoの会長に就任。2020年4月から現職。1981年、北海道大学法学部卒。1993年、ミシガン大学経営大学院(MBA)卒。
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HR領域のオピニオンリーダーによる金言・名言。人事部に立ちはだかる悩みや課題を克服し、前進していくためのヒントを投げかけます。