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【ヨミ】グリット グリット

「グリット」(grit)とは、「困難にあってもくじけない闘志」「気概」「気骨」などの意味を表す英語で、成功者に共通の心理特性として近年注目されている、「やり抜く力」のことです。心理学者でペンシルヴァニア大学教授のアンジェラ・リー・ダックワース氏が、「社会的に成功するために最も必要な要素は、才能やIQ(知能指数)や学歴ではなく、やり抜く力である」という「グリット」理論を提唱して以来、教育界や産業界をはじめさまざまな分野で大きな反響を呼んでいます。
(2016/11/17掲載)

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グリットのケーススタディ

成功と生まれ持った才能・知能とは関係ない
“やり抜く力”をグーグルも採用の決め手に

成功に必要なのは、先天的な才能か、努力か――この命題をめぐる議論は尽きません。ある人は「天才は1%の才能と99%の努力」といい、またある人は「努力できることもまた才能である」といいます。

社会的成功に価値を見出す傾向の強いアメリカでは、新しい成功理論が次々と現れては消えていきますが、そのアメリカの教育界においても、これまでは「頭の良さが全てではない」「IQが高い人が必ずしも成功するわけではない」というところまでしかわかっていませんでした。何が最も大きな成功の要因なのかについては、自尊心か、自信か、あるいは楽観主義か、とさまざまな仮説が並んでいるだけだったのです。

そこへ現れたのが、「やり抜く力こそが成功のカギだ」とするダックワース氏の「グリット」理論でした。同氏によれば、その人が成功するかどうかを正確に予想するうえで、「グリット」=やり抜く力は、IQが示す知的能力など通常の意味での先天的才能より、はるかに役に立つ資質だといいます。

ダックワース氏は、大人であれ子供であれ、さまざまな分野でものすごく難しい課題に挑戦する人々を研究対象とし、「その中で1番の成功者は誰か、そしてそれはなぜか」を観察・考察しました。対象となったのは次の四つです。

(1)米陸軍士官学校の士官候補生の中で、厳しい軍事トレーニングに耐えて生き残る入隊者と耐えきれずに中途退学していく入隊者を予測する。
(2)アメリカ最大の綴り方大会「スペリング・ビー」でどの生徒が勝ち残るかを予測する。
(3)過酷な環境で働いている教育現場の先生たちを対象に、どの先生が年度末までその現場に残ることができるか、どの先生が最も生徒に影響を与え、学力を引き出し、結果に結びつけることができたかを研究する。
(4)一般企業の営業担当者を対象に、誰が営業担当として生き残り、誰がトップセールスを記録したかを調査する。

まったく分野の違うこれらの調査対象について研究した結果、一番の成功者には、ある共通点があることが分かったのです。高学歴でもなければ、知能の高さでもない。容姿や身体的な能力でもありません。それが「グリット」、やり抜く力だったのです。長期的なゴールを決めたら、どれだけ時間がかかろうとも継続的に粘り強く努力することによって最後までやり遂げる、物事への情熱と精神力のスタミナが成功のカギだというわけです。ダックワース氏によると、グリットの強さと知能指数などの間には、むしろ負の相関関係すら見られるといいます。

グーグルは人材採用の際に「強いグリットを持っているか否か」を重視するといいます。誰が成功への道を歩むのか――人の成長の行く末を見定める立場のリーダーや人事担当者にとっても、きわめて重要な示唆といえるでしょう。

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