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HR調査・研究 厳選記事 掲載日:2022/04/05

第六回・新型コロナウイルス対策によるテレワークへの影響に関する緊急調査

パーソル総合研究所

新型コロナウイルス対策によるテレワークへの影響に関する緊急調査
【調査概要】
調査名 第六回・新型コロナウイルス対策によるテレワークへの影響に関する緊急調査
調査内容 新型コロナウイルス対策によるテレワークの実態・課題について、 ワクチン普及後の第6波の感染拡大状況下における実態や意識を定量的に把握する。
調査対象 [テレワーク実態について]
全国の就業者 20~59歳男女、勤務先従業員人数10人以上
 ​ 正規雇用 n=20,490 非正規雇用 n=4,725 公務員・団体職員 n=289​

※これまでの調査データと比較するため、主に正規雇用の従業員の数値を用いて分析。
 ​ ※正社員の調査結果の数値は平成27年国勢調査の正規の社員性年代別の構成比、第四回/五回調査時の職種の構成比に合わせてウェイトバック処理。​
※グラフ中のサンプル数はウェイトバック処理後のサンプル数。四捨五入処理の関係で、合計数値が異なる場合がある。

[テレワークのその他の実態について]
テレワーク実施者(正社員)=430​
調査時期 2022年 2月4日 - 2月7日
調査方法 調査会社モニターを用いたインターネット定量調査
調査実施主体 株式会社パーソル総合研究所

※報告書内の構成比の数値は、小数点以下第2位を四捨五入しているため、個々の集計値の合計は必ずしも 100%とならない場合がある

調査結果(サマリ)

テレワーク実施状況

正社員のテレワーク実施率は全国平均で28.5%、2021年7月末からほぼ横ばい

ワクチン普及後の第6波の感染が拡大した2022年2月における正社員のテレワーク実施率は、全国平均で28.5%。第5波の感染が拡大し、第4回緊急事態宣言が発令された2021年7月末に比べると、1.0ポイント増にとどまった(図1)。

図1.新型コロナウ感染者数とテレワーク実イルス施率の推移(正社員)

企業規模別のテレワーク実施率格差はやや拡大

企業規模別に正社員のテレワーク実施率を見ると、企業規模10-100人未満のテレワーク実施率は15.4%、1万人以上規模では46.9%と31.5ポイントの差がある。2021年7月時点の差は30.3ポイントで、やや拡大傾向。企業規模別のテレワーク実施率格差は依然大きいまま推移している(図2)。

雇用形態別の実施率を見ると、契約社員・嘱託社員は16.9%、派遣社員は22.5%、パート・アルバイトは6.3%。公務員・団体職員は11.8%であった(図3)。

図2.企業規模別テレワーク実施率の推移(正社員)
図3.雇用形態別テレワーク実施率

テレワークの頻度は微増

テレワークの頻度について2021年12月~2022年2月までの推移を見ると、12月は週平均0.87回、2月は0.99回で微増。

図4.2021年12月~2022年2月のテレワーク頻度(正社員)

テレワークに関する企業の方針と従業員の意識

テレワークを推奨・命令している企業は38.6%

テレワークに関する企業方針は、テレワーク推奨+命令の合計で38.6%。2021年7月末の第5波の37.3%からほぼ横ばいだった。「特に案内がない」は57.4%と高い(図5)。

テレワーク普及にあたって企業で行われた施策を見てみると、1位「遠隔会議システムの導入・利用促進」35.3%、2位「ビジネスチャットツールの導入・利用促進」27.9%。オンラインの懇親会やコミュニケーションを増やす施策や働き方への工夫は少ないことが分かった(図6)。

図5.テレワークに関する企業方針と推移(従業員回答)
図6.テレワーク普及にあたって行われた施策(従業員回答)

テレワーク実施者のテレワーク継続意向は過去最高

テレワーク実施者のテレワーク継続意向は80.2%。2021年7月末と比較すると78.6%から1.6ポイント増加し、過去最高となった(図7)。

図7.テレワーク実施者のテレワーク継続希望意向推移

分析コメント

テレワーク方針の明示とコミュニケーション施策の拡充を

2022年1月からオミクロン株の影響により新型コロナ感染が再び急拡大し、まん延防止等重点措置が各地で実施された。そこで、このような状況下におけるテレワークの実態・課題把握を目的に、2020年3月の開始以降、6回目となる緊急調査を行った。

調査の結果、今回の感染拡大・第6波では、急増した新規感染者数とテレワーク実施率がほぼ紐付かなくなった。その理由として、重症化リスク低下報道などをうけて感染への警戒心が薄れたことや、飲食制限に比べてテレワークへの注目度が低下していることなどが考えられる。

多くの企業は相変わらずテレワーク方針を従業員に明示できておらず、「特に案内がない」との回答割合は57.4%と昨年からほぼ変わらない。テレワーク関連の施策も、遠隔会議システムやビジネスチャットツールの導入など、ITツールの導入という表面的レベルにとどまり、従業員同士のコミュニケーションを増やす工夫はまだまだ少ない。

一方で、従業員のテレワーク継続希望率はついに80%を上回り、過去最高を記録した。テレワークに対する組織的な工夫や有意義な議論をどれだけ蓄積できるかが、これから人を集められる組織となるかどうかの分水嶺となるだろう。

※本調査を引用いただく際は出所を明示してください。
出所の記載例:パーソル総合研究所「第六回・新型コロナウイルス対策によるテレワークへの影響に関する緊急調査」

調査報告書(全文)

株式会社パーソル総合研究所

パーソル総合研究所は、パーソルグループのシンクタンク・コンサルティングファームとして、調査・研究、組織人事コンサルティング、タレントマネジメントシステム提供、社員研修などを行っています。経営・人事の課題解決に資するよう、データに基づいた実証的な提言・ソリューションを提供し、人と組織の成長をサポートしています。
https://rc.persol-group.co.jp/

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この記事ジャンル テレワーク、リモートワーク

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