派遣社員はここを見ている!
仕事探しでゆずれないポイントまとめ
~派遣社員4,000人アンケート調査~
ディップ株式会社
【調査概要】
調査主体:ディップ株式会社
調査手法:インターネット調査(GMOリサーチモニター利用)
調査実施時期:2020年7月2日(木)~2020年7月16日(木)
対象者条件:47都道府県内で派遣社員として就業している15~69歳の男女
有効回収数:SC調査7,102サンプル/本調査4,082サンプル
本レポートについて
新型コロナウイルス感染症 (COVID-19)(以下、新型コロナウイルス)により、雇用に影響が出てきているなかで、求職者の仕事探しにも影響が及んでいることが想定されます。
本レポートでは、「派遣社員の今後の仕事探し」と「応募意向を高めるためのポイント」について見ていきます。「応募意向を高めるためのポイント」では、求職者が求人を検討する際の大切な要素である「募集条件」「待遇・制度」「職場の環境・雰囲気」の大きく三つのカテゴリについて、求職者のニーズを調査・分析しています。
仕事探しに対する心境の変化
まず、新型コロナウイルスが求職者の仕事探しに対して、どの程度、そしていつ頃から影響を与えているのかを見ていきます。
「とても影響している」17.3%、「やや影響している」30.6%と、合わせて半数近くの人が仕事探しにおいて、新型コロナウイルスが心境に影響していると回答しています。
変化を感じた時期は、「とても影響している」「やや影響している」いずれの回答者も「4月上旬」がボリュームゾーンとなりましたが、「とても影響している」と回答した人の方が早い時期から変化を感じている傾向にあります。
新型コロナウイルスによる、仕事探しに関する各項目の希望や許容の変化についての調査結果は、下記のリンクからご覧ください。
次に、現在の環境下において、派遣社員の方が今後仕事探しをする際の方法・重視するポイントを見ていきます。
派遣社員の今後の仕事探し
仕事探しの方法
1位「既に登録している派遣会社からの求人紹介」32.2%、2位「インターネットの求人サイト・アプリ」26.7%という結果となり、上位2つで約6割を占めました。
これを性別・年代別に見ると、女性よりも男性の方が、また、男女共に若年層の方が「インターネットの求人サイト・アプリ」を選ぶ割合が高くなっていることがわかります。
また、全体と比較すると、男性は「ハローワーク」、女性は「既に登録している派遣会社からの求人紹介」の利用割合が高いことが明らかになりました。
次に、求職者が仕事を探す際に‟経験を活かす仕事”と“未経験の仕事”のどちらに比重を置いているかを探っていきます。
“経験を活かす仕事”と“未経験の仕事”を探す割合
「未経験の仕事を含めて探す」人は87.2%という結果になり、求職者が幅広く検討していることがうかがえます。また、「経験がある仕事を重点的に探す」人は約半数であることが明らかになりました。
次項から求職者が仕事探しをする際に譲れない条件を明らかにし、その条件ごとに応募意向を高める秘訣を探っていきます。
1つ前と同じ異なる業種・職種で就業している人は約6割、異なる業種・職種で就業している人は約4割という結果になりました。
応募を検討するための大切な要素
まずは、求職者が仕事探しをする際に、希望を満たしていなければ“応募の検討もしない”大切な要素を見ていきます。
希望を満たしていなければ応募の検討もしない、求職者が譲れない項目TOP3は、1位「給与(時給や月給など)」55.9%、2位「仕事内容」48.7%、3位「勤務地」45.1%という結果になりました。4位以降の項目と大きな差が出ました。
次項からは、これらの重視している項目において、応募意向を高めるポイントとなる具体的な希望や知りたい情報などを明らかにしていきます。
応募意向を高めるためのポイント
まずは、希望を満たしていなければ“応募の検討もしない”1位「給与(時給や月給など)」における求職者の応募意向を高めるポイントです。
給与関連について
最低限、希望する給与の水準
東京都と神奈川県では時給1,500円以上がボリュームゾーンとなり、いずれも、特に時給1,800円以上を1割の人が希望していることがわかりました。
また、北海道では「時給1,000~1,050円未満」が最多となり、愛知県、大阪府、福岡県では最低賃金時間額+100~200円が希望額となっています。
では、給与関連の応募意向が高まるポイントを見ていきます。
求職者が知りたい給与関連の情報
記載があれば応募しやすい情報は、1~3位いずれも5割以上となり、多くの人が必要としている情報であると言えそうです。
また、該当する情報を知ることができた場合、7割近くの求職者が応募意向が高くなると回答しています。
曖昧な表現は避け、上記の項目を中心に情報を丁寧に記載することで応募意向を高めることができそうです。
仕事内容について
次に、希望を満たしていなければ“応募の検討もしない”2位の「仕事内容」について見ていきます。
仕事内容を判断するうえで重視すること
仕事内容を判断するうえで最も重視することとして、特に「仕事の難易度」「やりがい」「体力面」を重視していることがわかりました。
では、仕事内容についてどのような情報を知れば応募意向が高まるのかを見ていきます。
求職者が知りたい仕事内容関連の情報
記載があれば応募しやすい情報として、1位「業務に必要なスキル」60.1%、2位「1日の業務の流れ」59.9%、3位「作業の進め方」50.9%が挙げられました。
また、「マニュアルの有無」や「業務の引き継ぎの有無」に関して3~4割弱の回答が集まりました。
しっかりとしたマニュアルがなかったり、業務の引き継ぎがなかったりする職場も多いのではないでしょうか。マニュアルを用意したり、引き継ぎ期間を設けたりすることは、求職者の不安を払拭し応募のハードルを下げることにもつながりそうです。
該当する情報を知ることができた場合、7割近くの求職者が「応募意向は高くなる」と回答しています。
曖昧な表現は避け、就業時のイメージが湧きやすい情報を記載することで、応募意向を高めることができそうです。
次のページでは、希望を満たしていなければ“応募の検討もしない”3位「勤務地」と、許容できる通勤時間について見ていきます。
人事の専門メディアやシンクタンクが発表した調査・研究の中から、いま人事として知っておきたい情報をピックアップしました。