複数内定獲得学生に選ばれるためには?
関 夏海(せき なつみ)
2016年卒の学生を対象にした調査では、入社予定企業に就職することを決定した理由を三つまで聞いています(2016年3月卒業予定者の就職活動に関する調査2015年10月1日状況)。
最も多くの回答を集めたのは「会社の雰囲気」の38.5%(10月1日状況)、次いで「職種」の29.5%(同)、「採用担当者や社員の人柄」は29.0%(同)、「勤務地」は28.2%(同)、「業界」は28.0%(同)となりました。「会社の雰囲気」を除く上位の選択肢は28%~30%の間で、どれも同程度であることが分かります。この問いは複数回答で、最大3つまで選択できますが、選択肢に大きな偏りは見られませんでした。
ところで「会社の雰囲気」とは、企業のどんなところから感じ取っているのでしょうか。上記調査では、企業選定の際に重視する項目で「会社・社員の雰囲気」を「重視している」「どちらかと言えば重視している」「どちらとも言えない」と回答した学生に、会社・社員の雰囲気をどこから感じ取ったかを聞いています(複数回答)。
これによると、全体では「採用担当者」が66.3%で最も多く、次いで「企業のホームページ」が55.7%となり、この二つの選択肢を選んだ回答者が5割以上となりました。他の選択肢では、「OB・OG等、採用担当者以外の社員」は31.7%、「就活ナビサイトに掲載されている企業情報」は27.1%となりました。学生にとって会社・社員の雰囲気とは、インターネットで得られた情報と、実際に働いている社員から抱いた印象の、大きく二つから創られるようです。
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