【コスト削減・業務効率UP・コンプライアンス強化】
要注目の「電子契約」とこれからの企業実務
1. 電子契約とは
ここ数年、企業の間で電子契約が話題になることが多くなってきました。一般財団法人日本情報経済社会推進協会(JIPDEC)が「電子契約元年」と題して電子契約の普及を推進していることにも支えられて、多くの企業が電子契約の導入に取り組んでいます。すでに、金融、建設、大規模商店、不動産などの広範囲の分野で、実際の運用が始まっています(例えば、新日鉄住金ソリューションズのhttp://www.nsxpres.com/e-contract/example/を参照)。
電子契約とは、紙の契約書を交わさずに、電子文書だけで行う契約です。特に、企業間(BtoB)や企業個人間(BtoC)で契約書を作成して行っている契約の電子化を指します。広い意味では、クレジットカード等を用いるインターネットショッピングも電子契約です。しかし、ここでは、金額が大きいものや契約内容を個別に決めるものなどの契約書を要する契約を対象に説明します。
契約は、一方が契約を申し込んで、もう一方がこれを承諾することにより成立します。典型的な例は、注文書と請書による契約の成立です。もちろん、口頭やメール等で内容を決定して契約書を作成する方法でも契約は成立します。電子契約は、これらの契約方法を電子的に実現します。
例えば、図1は、A社が作成して電子署名(後述)を付した契約書をB社に送り、B社も電子署名をしてA社に返送するという方法です。まず、電子的に作成された契約書にA社が電子署名したうえでB社に送ります。B社はA社の電子署名を確認してから電子署名し、これをA社に送るとともに自社で保管します。図2は、これをクラウドサービス等のASPによって実現する例です。この例では、A社、B社の双方が、ASPの機能を利用して電子契約書の作成・電子署名の付加を行います。それぞれのファイルスペースに文書が入ると、それが通知され、閲覧・確認等を行うことができる仕組みです。
このような方法により、契約書だけでなく、注文書、請書、見積書、請求書、領収書なども、同じように電子化することができます。
人事の専門メディアやシンクタンクが発表した調査・研究の中から、いま人事として知っておきたい情報をピックアップしました。