2014年度労働時間総合調査
所定・総労働時間、休日・休暇、時間外労働等の最新実態
一般財団法人 労務行政研究所(理事長:矢田敏雄)で毎年実施している「労働時間・休日・休暇等に関する実態調査」の2014年度の調査結果がまとまりました。本記事では、「所定労働時間・休日日数の実態」「年次有給休暇の取得状況」「時間外労働の実態」「台風や大雪における遅刻・早退・欠勤時の取り扱い」を中心に取り上げ、紹介します。
※『労政時報』は1930年に創刊。80年の歴史を重ねた人事・労務全般を網羅した専門情報誌です。ここでは、同誌記事の一部抜粋を掲載しています
◎調査名:「2014年度労働時間総合調査」
1. 調査時期・方法:2014年5月17日に調査票を発送、6月18日までに回答のあったものを集計。
2. 調査対象:全国証券市場の上場企業(新興市場の上場企業も含む)3431社と、上場企業に匹敵する非上場企業(資本金5億円以上かつ従業員500人以上)298社の合計3729社。ただし、持株会社の場合は主要子会社を対象としたところもある。
3. 集計対象:上記調査対象のうち、回答のあった255社。
2014年度の所定労働時間・休日日数の実態
所定労働時間・休日日数の水準
年間所定労働時間は1902時間58分、年間休日は120.0日
2014年度の1日当たり所定労働時間(始業時刻から終業時刻までの時間から、休憩時間を除いたもの)は平均7時間46分、休日日数は年間120.0日でした。年間の所定労働時間は1902時間58分で、同一企業における前13年度の水準(1903時間38分)から40分短くなっています。
ちなみに、年間所定労働時間を基にして単純計算すると、1ヵ月当たり(12分の1)は158時間35分、1週当たり(52分の1)は36時間36分となります。
規模別に見ると、1日当たりの所定労働時間は1000人以上が最も長く7時間49分、以下300~999人7時間46分、300人未満7時間44分でした。一方、年間休日日数は1000人以上が121.1日で最も多く、次いで300人未満119.8日、300~999人118.9日の順となっています。年間所定労働時間は300人未満が最も短く1893時間31分、次いで1000人以上1904時間34分、300~999人1911時間45分です。
年間所定労働時間の分布状況
1850~1950時間未満の間に46.3%
全産業・規模計では「1850~1900時間未満」が25.5%で最も多く、「1900~1950時間未満」が20.8%で続いています。よって、“1850~1950時間未満” の範囲に46.3%が分布しています。
この範囲に収まる企業の割合を規模別に見ると、1000人以上では57.4%と過半数を占めます。一方、300~999人は42.7%、300人未満は37.2%と4割前後にとどまり、分布にバラつきが見られます。同様に産業別で見ると、製造業は62.5%、非製造業は29.9%と大きな差があります。
ちなみに、年間所定労働時間が2000時間以上の企業の割合は、全産業・規模計で12.9%。昨13年度(12.9%)と変わらない状況です。
1日の所定労働時間の分布状況
「8時間」が39.6%を占める
「8時間」が39.6%で最も多く、以下「7時間45分」20.0%、「7時間30分」16.9%と続いています。「7時間45分」から「8時間」の間に全体の7割近くが集中していて、この範囲で1日の所定労働時間を設定している企業が多いことが分かります。
年間所定休日日数の分布状況
「120~124日」が52.2%を占める。全体の4分の3が120日以上の設定
「120~124日」が52.2%で最も多く、次いで「125~129日」の23.1%。これらを含め、年間120日以上の休日を設定している企業が、全体の76.1%と4分の3に上ります。
規模別に見ると、年間休日120日以上の企業の割合は、1000人以上80.9%、300~999人68.0%、300人未満77.9%であり、300~999人で少なくなっています。また産業別では、製造業は85.9%、非製造業は66.1%と20ポイント近い差が見られます。
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