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2014年度労働時間総合調査
所定・総労働時間、休日・休暇、時間外労働等の最新実態

台風や大雪における遅刻・早退・欠勤時の取り扱い

労働時間の取り扱い
「労働したものとみなす」が遅刻・早退で91.1%、欠勤で71.4%と主流

近年、大型台風や大雪により交通機関が麻痺(まひ)し、社員が遅刻・早退、欠勤等を余儀なくされるケースが見られます。そのような場合、労働時間・賃金等についてどのような取り扱いをしているか、自然災害への一般的な対応、または直近の実例を自由記入で回答いただきました。

例えば首都圏で記憶に新しいのは、2014年2月の大雪でしょう。これについて記述のあった企業では、“帰宅困難とならないよう、終業時刻前に、業務が終了した社員から退社するよう指示。通常どおり労働したものとみなし、賃金の控除はしなかった” といった内容が多く見られます。また、中には、“フレックスタイム制のため1日ごとの労働時間は関係ないが、コアタイムに不就労となった場合は労働したものとみなした” というところも見られました。

各社の回答内容から、自然災害に対する一般的な対応、または直近に起こった台風や大雪への対応における労働時間や賃金の取り扱いをまとめてみました【図表7】。

台風や大雪時には、97.7%が「何らか対応する」としています。社員の安全確保のため、ほとんどの企業が何らかの対応をしていることが分かります。

実際の場面では、帰宅困難とならないよう早退する、定時出社が難しい場合は遅刻する、交通機関の状況により出社できない場合は欠勤するなどが想定されますが、そのような場合でも、不就労時間については「労働したものとみなす」が遅刻・早退で91.1%、欠勤で71.4%を占めました。欠勤では「その他」が16.7%とやや多くなっていますが、“本人が保有する年休を充当するのが原則だが、年休充当を希望しない場合は不就業補償として賃金の60%を支給” “振り替え休日扱いとし、別の休日に出勤させる” などが挙げられました。

【図表7】台風や大雪における遅刻・早退・欠勤時の取り扱い
【図表7】台風や大雪における遅刻・早退・欠勤時の取り扱い

賃金の取り扱い
“控除しない”が遅刻・早退で91.0%、欠勤で71.4%

上記のように、労働時間については「労働したものとみなす」が主流であることから、賃金の取り扱いについても「賃金を控除しない」が多く、遅刻・早退で91.0%、欠勤で71.4%でした。

通常、社員が遅刻・早退や欠勤をした場合は、賃金を控除する企業が多くなっています。当所が10年に行った調査では、遅刻・早退で66.8%、欠勤で84.2%が月例賃金を「控除する」と回答しています(第3785号−10.11.12)。大雪や台風などの自然災害時には、通常の労働時間・賃金管理とは別の、例外的取り扱いをしている企業が大半であることが分かります。

* ここでは、一般財団法人労務行政研究所が行った「2014年度労働時間総合調査」(2014年5月17日に調査票を発送、6月18日までに回答)をもとに、『日本の人事部』編集部が記事を作成しました。詳細は『労政時報』第3875号(2014年10月10日発行)に掲載されています。
◆労政時報の詳細は、こちらをご覧ください → 「WEB労政時報」体験版
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【用語解説 人事辞典】
労使協定
労働時間
過労死ライン
コンプレストワークウィーク
36協定