パートが「会社のために」力を発揮するようになる工夫
古橋孝美(ふるはし たかみ)
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経営理念を「知っている」と回答した方に、知った経緯とその共感度を聞くと、「入社時や勤務中に教育された」場合は、「掲示等を見る・周囲から聞くなど、教育以外で知った」「覚えていない」場合よりも、経営理念に対しての共感度が高くなっていました。
■「経営理念」をどのように知ったか
つまり、パート・アルバイトに経営理念についてきちんと教えると、→ 経営理念への共感度が高くなる→ 企業が求める、“会社の理念や方向性を理解して行動ができる”人材に近づく! ということになるのです。
愛社精神まで育める!
パート・アルバイトに経営理念を教えることは、彼らの「愛社精神」を醸成することにも影響していました。パート・アルバイトに、現在の勤務先に対して「愛社精神(会社に対する愛着や誇り)」を持っているか聞くと、「持っている」5.0%、「どちらかと言えば持っている」31.3%となり、全体の4割近くが勤務先への愛社精神を持っているとしています。
さらに、愛社精神と経営理念への共感度を見ると、経営理念への共感度が高いと愛社精神も抱きやすくなる、という比例の相関関係となりました。
経営理念は、入社時に経営者が熱く語るもよし、勤務中に業務にからめて「自社が大切にするもの」として教えるもよし。パート・アルバイトが経営理念に触れる機会をつくるという、ほんの少しの工夫が、彼らの愛社精神を育み、“会社の方向性を理解”してこれに則った行動のできる人材に近づける――と、言えるのではないでしょうか。
■愛社精神と経営理念への共感度の関係
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●文/古橋孝美(ふるはし たかみ)
2007年、株式会社アイデム入社。求人広告の営業職として、人事・採用担当者に採用活動の提案を行う。2008年、同社人と仕事研究所に異動し、毎年パートタイマー白書の企画・調査・発行をトータルで手がける。2012年、新卒採用・就職活動に関する調査等のプロジェクトを立ち上げ、年間約15本の調査の企画・進行管理を行う。2015年出産に伴い休職、2016年復職。引き続き、雇用の現状や今後の課題について調査を進める一方、Webサイトの記事・コンテンツ制作、顧客向け販促資料などの編集業務も行っている。
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