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田中潤の「酒場学習論」【第29回】
千葉・幕張本郷「大冨」と、チャレンジするということ

株式会社Jストリーム 執行役員 管理本部 人事部長

田中 潤さん

田中潤の「酒場学習論」

古今東西、人は酒場で育てられてきました。上司に悩み事を相談した場末の酒場、仕事を振り返りつつ一人で呑んだあのカウンター。あなたにもそんな記憶がありませんか。「酒場学習論」は、そんな酒場と人事に関する学びをつなぎます。

私には、ちょっと自慢したい能力があります。それは、通りすがりに素敵な酒場を見つけるという能力です。先日も青山の裏通りで素敵なモロッコバーに立ち寄りました。誰に話しても「よくあんな場所を通りすがったね」と言われます。知らない道を歩くのが好きなのでしょう。表通りを避けて裏通りを歩くのが好きなのでしょう。今回ご紹介する「大冨」とも、まさにそんなご縁で出会いました。

船橋駅の北側、駅から10分くらいでしょうか。繁華街を通り過ぎてしばらく歩いたところに、この酒場はありました。近くの住人でもないとなかなか通らないところですが、なぜかその夜は通りすがりました。引き戸を開けてすぐに「よい酒場だ」と確信します。焼鳥屋です。焼鳥屋を超乱暴に大衆と高級に二分するとすれば、高級に属するタイプでしょう。カウンターのみのつくりで、入口近くに焼き台、カウンターの奥には燗酒向きの日本酒の一升瓶が居並びます。

いつものように一杯目から燗酒をお願いすると、お通しが供されます。初訪の際のお通しは「きんかん」。私は「きんかん」そして「ちょうちん」が大好きなのです。ご存じない方に解説しますと、鶏の卵になる前の卵黄の部分を「きんかん」と呼び、鶏の「ひも」(輸卵管)と「きんかん」を一緒に串にさして焼鳥にしたのが「ちょうちん」です。一気に「大冨」の虜になりました。

美し過ぎる「きんかん」。コースのはじまりに花垣の貴醸酒とともに。

美し過ぎる「きんかん」。コースのはじまりに花垣の貴醸酒とともに。

やはり実力店、人気もどんどん上がり、予約がなければ入れない酒場に成長します。当時は週に一度の千葉勤務があったので、早めに仕事をあがれそうな日は昼に電話をかけて訪問していました。転職して千葉勤務がなくなってからは、まったく訪問できずに寂しい思いをしていました。

そして、世の中はコロナ禍に突入します。そんな折に「大冨」移転のニュースをインスタで知りました。しかも船橋から幕張本郷に街を変えるそうです。地元の方にとても愛されていた酒場です。未知の街に場所を変えるのは、相当チャレンジングなことのはず。しかもコロナ禍のタイミングです。どうされているのかなと思いつつも、なかなか足が向きにくい方向なので訪問できずにいましたが、昨秋に訪問する機会を作れました。

こちらは旧店。絶妙の焼き加減でさまざまな部位の鶏が提供されます。「酒は純米、燗ならなおよし」。

こちらは旧店。絶妙の焼き加減でさまざまな部位の鶏が提供されます。
「酒は純米、燗ならなおよし」。

新店舗は幕張本郷駅から数分の住宅街の一角にあります。以前よりも内装は高級感を増し、スペースはゆったりして席数も少し増えているようです。この時期に新しい街への移転は相当のチャレンジですが、しっかりと良いお客さまがついているようでした。

料理はコース仕立てに統一されています。コースの最後には特別に大好きな「ちょうちん」を出していただきました。コース終了後にはお好みの追加や〆をいただけます。コースを堪能して〆を選ぼうとメニューに目をやると、なんと船橋時代にはなかった「ラーメン」があるではないですか。聞けば移転準備の休業期間中、ラーメンの研究にチャレンジしていたとのことです。名酒場は常にいろいろなチャレンジをしているものです。店主や女将自身はチャレンジだなんて意識していないかもしれません。しかし、新しいことをしたり、定番メニューの味を見直したり、ご本人たちからみたら当たり前の日常も、足を運ぶ私たちにとっては美しいチャレンジなのです。

「ちょうちん」に合わせるのは、丹澤山麗峰のあつあつ燗。

「ちょうちん」に合わせるのは、丹澤山麗峰のあつあつ燗。

さて、企業人事の世界に話題を移しましょう。「チャレンジできる風土をつくる」ことを目的に人事制度を改正してきた企業は、日本中に数えきれないほどあります。逆に言えば、それほど社員にチャレンジしてもらうことが難しいわけです。チャレンジした結果は、成功か失敗のいずれかです。人は失敗を恐れる生き物です。これは生命を維持するために危険を回避しようとする、太古の昔から私たちのDNAに刷り込まれている本能の一つです。チャレンジするためには、成功できそうな感覚持つことと、失敗しても多大な損害を被らないだろうという安心感が必要です。再挑戦できる人事制度や、心理的安全性を高めることに企業が取り組むのはこのためです。

太古の昔、日照りが続くと村人たちは雨乞いをしました。絶対に雨乞いに成功する祈祷師の話をご存じでしょうか。そんな祈祷師がいるわけがないと思うかもしれませんが、実はいるのです。その祈祷師は、雨が降るまで何日でも何日でも永遠に雨乞いをし続けるのです。いつか必ず天から雨粒は落ちてきます。ですから絶対に失敗は起こり得ません。しかし、ビジネス界ではそんな悠長なことはできません。

では、絶対に失敗しないビジネスパーソンの話をご存じでしょうか。絶対に失敗しない外科医でしたらテレビでおなじみです。強固な意志と卓越した技術と自らへの信頼が彼女の持ち味でしょう。「私、失敗しないので」が決まり文句です。絶対に失敗しないビジネスパーソンは違います。彼の決め台詞はこうです。「私、チャレンジしないので」。チャレンジしないから、失敗もありえないわけです。

素敵な酒場の皆さまのチャレンジをみていると、その動機の源泉は、再挑戦できる人事制度や、心理的安全性でないことは明らかです。それは、自らの酒場への愛情と、お客さまへの愛情ではないでしょうか。いつも足を運ぶあの常連にこれを食べさせて喜ぶ顔を見てみたい、自分の酒場で今度はあれを試してみたい……そんな純粋な気持ちです。

これをビジネスパーソンに当てはめれば、自分の仕事に対するプロフェッショナル意識と、顧客に対する貢献欲求となるでしょう。人事でいえば、顧客は自社の経営陣と一人ひとりの社員です。再挑戦できる人事制度や心理的安全性の担保は、ハーズバーグの二要因理論的にいえば、衛生要因になるのでしょうが、動機付け要因としては不十分です。人事制度を変えるだけで、社員のやる気を喚起できるわけではありません。

コース料理の魅力は、店主にすべてを委ね、店主の描くストーリーを一緒に楽しむことです。そして、合わせる燗酒のセレクトももちろんお任せします。都心からは少々距離がありますが、わざわざ総武線に乗るだけの価値がある酒場、それが「大冨」です。船橋時代にアルバイトで入っていた当時の学生の方が、社員としてカウンターに立たれていました。彼もいいチャレンジをしているなと思いながら、盃を重ねます。

新たなチャレンジ、〆のラーメン。鯉川の「あたためますよ」と一緒にいただきます。

新たなチャレンジ、〆のラーメン。鯉川の「あたためますよ」と一緒にいただきます。


田中 潤さん(株式会社Jストリーム 執行役員管理本部人事部長)
田中 潤
株式会社Jストリーム 執行役員管理本部人事部長

たなか・じゅん/1985年一橋大学社会学部出身。日清製粉株式会社で人事・営業の業務を経験した後、株式会社ぐるなびで約10年間人事責任者を務める。2019年7月から現職。『日本の人事部』にはサイト開設当初から登場。『日本の人事部』が主催するイベント「HRカンファレンス」や「HRコンソーシアム」への登壇、情報誌『日本の人事部LEADERS』への寄稿などを行っている。経営学習研究所(MALL)理事、慶応義塾大学キャリアラボ登録キャリアアドバイザー、キャリアカウンセリング協会gcdf養成講座トレーナー、キャリアデザイン学会代議員。にっぽんお好み焼き協会監事。

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