情報提供が採用活動の成果につながる――?
「不採用の理由」を伝えるメリットとは
紹介の精度を上げたい人材紹介会社 採用担当者の思いはさまざま
成功への近道は「失敗をきちんと分析すること」とよく言われる。人材紹介においても、推薦した候補者が不採用になった場合、企業からその理由についてフィードバックを受け、きちんと分析しておくことが、次につなげるための大切な作業だといえるだろう。ところが、書類選考の段階では、その数が多いこともあってか、不採用の理由をはっきりと教えてもらえないことが少なくない。企業側にもいろいろな理由があるようだが、長い目で見ればこうした地道な作業こそ採用効率のアップにつながるのではないだろうか――。
知りたい理由、教えない理由
「残念ながら書類選考の結果、不採用となりました」
企業に推薦した人材の書類選考の結果は、メールで返ってくることが多い。この日受け取った不採用に関するメールには、その理由が書かれていなかった。企業によっては添え書きがしてあるが、たいていは「他の候補者と比較検討の結果……」「経験・スキル不足により……」などとなっていて、あまり具体的ではないのが一般的だ。
そこで、新規に人材を紹介する企業には、不採用の場合、その理由をできるだけ詳しく教えて欲しいとあらかじめ伝えることにしている。

「私どもが御社の求人要件を正しく理解していないため、不採用になるケースがあるのかもしれません。ですから、ご希望と違う部分があれば遠慮なくおっしゃってください。それによってご紹介の精度は上がると思います」
不採用の理由を知りたい事情はもう一つある。求職者の中には、採用されなかった理由を知ることで、自分の転職活動の方針が間違っていないか、検証したいと考えている人が多いからだ。例えば、異業種への転職を希望した場合、「業界未経験だから」という理由での不採用が続くようなら、その業界への転職は難しいと考えて戦略を少し変えてみる、といった利用方法である。公募では不採用の理由は原則教えてもらえないので、そのためにわざわざ人材紹介会社を経由するという求職者もいるほどなのだ。
しかし、「それが困る」という企業もある。「当社は消費財メーカーなので、応募された方たちは全員、当社の顧客でもあるんです。不採用になっただけでも気分はよくないはずなので、それ以上悪い印象が残らないように、理由までは明らかにしないことにしているんですよ」(消費財メーカー採用担当)
同じような理由として、「狭い業界なので、将来仕事上で何らかの関わりを持つ可能性が高い。だから悪い印象を与えたくない」という企業もあるようだ。
「ためらわれる理由もよく分かりますが、ご紹介の精度をアップさせるために、ぜひ御社の率直なご意見をうかがいたいのです」
ここまで食い下がっても教えてくれない場合は、大体「数が多すぎて手が回らない」「書類選考した部門長からのフィードバックをもらえていない」など、その企業の人事部門のマンパワーや社内での立場に問題があるケースが多い。
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