週末出勤や夜勤が前提の転職
社会を支える大事な仕事だが
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人材紹介会社にも不得意な分野がある
「休日の欄にある『完全週休二日制(交替制)』とはどういう意味なのでしょうか」
求人票を見た転職希望者の方に質問されることがある。
「これは、休日の曜日が決まっていないのでシフトで決める、ということですね。業種的に土曜・日曜も営業していますので、休日は交替で取る、ただし週2日は確実に休めます、という意味です」
サービス業の場合、週末はむしろ稼ぎ時ということも多い。また、水道やガス、通信、交通といった社会インフラを運営、管理している企業は、365日・24時間体制があたりまえだ。特に保守管理や顧客サポートなどの技術職は、休日や夜間を問わず対応が求められる。
当然、求人票にも交替制、シフト制などで週末出勤や夜勤があることは明記されている。それを見た人の多くは「家族と一緒に過ごす時間を持ちたいので、できれば土日が全部休みの会社を紹介してほしい」と言ってくる。
業界特化型などではない一般的な人材紹介会社を利用する人の場合、夜勤についても経験がないのでよくわからない(やりたくない)という人がほとんどだ。
「ああ、そうなんですね」とすぐ理解を示す人は、大抵これまでにも平日休みの体制や夜勤の経験がある。どういう働き方かイメージしやすいのだろう。
人材紹介会社は、法律で企業からの求人依頼を断ることはできないと決められている。どんな勤務形態の求人でも求人票を作成し、常に紹介できる状態にしているが、そういった仕事を希望する人材がいない限りは紹介できないのが実情だ。
「ぜひ候補者をご紹介したいと思うのですが、弊社に登録されている人材の傾向からすると、実際にご紹介するまでにかなり時間がかかると予想されます。業界特化型の紹介会社や一般公募などの別ルートも併用された方が、採用に結びつきやすいかと思います」
採用担当者にそう告げなくてはならないこともある。週末や夜間にも対応する仕事は、社会を円滑に動かしていくためには欠かせない仕事だ。ただ、キャリアアドバイザーとしての経験からすると、人材紹介会社を利用した転職を考える層と、そういった業界・職種の経験者層とはやや乖離(かいり)があるようだ。
今後、人材紹介利用者がさらに増え、希望する職種が広がるまでは、もうしばらくこの傾向は続くのではないだろうか。
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