2014年度労働時間総合調査
所定・総労働時間、休日・休暇、時間外労働等の最新実態
時間外労働の実態
時間外労働の実態
1人1ヵ月当たり平均17.7時間
13年度の時間外労働時間は、全社または本社の男女計・1人1ヵ月当たりで平均17.7時間となりました(時間表示は十進法。以下同じ)。
規模別では、1000人以上21.9時間、300~999人15.9時間、300人未満14.2時間で大手ほど長くなっています。
また、男女別にも回答があった企業を見ると、男性20.3時間、女性11.6時間で、男性のほうが8.7時間長い結果となりました。これを年間に換算すると、男性のほうが約104時間長いことになります。
法内残業分を含むか否かで見た実態
「法内残業分を含む」ほうが、「含まない」よりも5.6時間長い
1日の所定労働時間を法定労働時間(8時間)より短く設定している場合、終業時刻を超えて実際に働いた時間が8時間に達するまでの、いわゆる「法内残業」が生じることになります。ここでは、【図表2】で見た時間外労働時間を、「法内残業」分を含むか否かに分けて集計し、比較しました。
なお、労基法が定める割増賃金の支払い義務が生じない「法内残業」については、割増賃金を一切支払わないケース、通常の時間外と同様に支払うケース、通常とは異なる割増率で支払うケースなど、企業によって取り扱いが異なります。ここでは、こうした割増賃金の取り扱いとは関係なく集計しています。
【図表3】によると、法内残業の取り扱いについて回答があった230社では、「法内残業分を含む」が114社で最も多く、1ヵ月当たりの時間外労働は平均17.6時間となりました。一方、「法内残業分を含まない」は24社にとどまり、時間外労働は平均12.0時間で、「含む」のほうが「含まない」よりも5.6時間長い結果となっています。残りの92社は「所定労働時間は8時間」で、そもそも法内残業が発生しないケース。時間外労働は平均19.2時間でした。
休日労働分を含むか否かで見た実態
「休日労働分を含む」ほうが、「含まない」よりも5.1時間長い
休日労働分を含むか否かで時間外労働時間を見ると、男女計では「休日労働分を含む」が平均18.6時間で、「休日労働分を含まない」の同13.5時間より5.1時間長くなっています。
男女別に見ると、男性は「休日労働分を含む」が21.8時間なのに対し、同「含まない」は14.7時間で、前者が7.1時間長くなっています。女性の場合も同様に、「休日労働分を含む」が12.0時間、同「含まない」が10.0時間で前者が2.0時間長いものの、男性に比べるとその差は格段に小さくなっています。
業種別の実態
建設の月平均30.0時間が最長
【図表6】に、業種別に見た時間外労働の実態を示しました。業種によって集計(回答)社数にバラつきがあり、社数の少ないところでは必ずしもその業種の実態を反映していない場合もあるので、利用の際には留意してください。
集計社数が1社の業種を除くと、建設の30.0時間が最も長く、以下サービス23.9時間、不動産22.4時間、その他製造22.1時間、情報・通信21.7時間と続きます。
製造業と非製造業で見ると、全体的に非製造業のほうで長時間の業種が多くなっています。製造業・非製造業別の平均は前掲の【図表2】に示していますが、製造業15.2時間、非製造業20.3時間で、非製造業のほうが5.1時間長くなっています。
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