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HR業界TOPインタビュー「人・組織」ビジネスを牽引する希代の経営者

ベトナムで人材サービスを立ち上げて人生が変わった
――創業70周年で社長に就任。「100年企業」への礎を築く

株式会社廣済堂 代表取締役社長

根岸 千尋さん

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根岸 千尋さん(株式会社廣済堂 代表取締役社長)

今年で創業70年を迎える株式会社廣済堂。「広く社会に貢献する」を基本理念に、出版印刷をはじめとする情報コミュニケーション事業、求人メディアや人材紹介、海外人材サービスを手がける人材ソリューション事業、エコビジネスなどを展開するライフスタイルデザイン事業を三つの柱に据え、多角経営を実現しています。創業70周年の節目である2019年6月に新社長に就任した根岸千尋さんは、HR分野で30年にわたり活躍してきた業界のプロフェッショナル。根岸さんのキャリアの軌跡をたどりながら、社長就任にあたっての思いや、廣済堂がこれから目指す姿、HR業界が抱える課題などをうかがいました。

プロフィール

根岸千尋(ねぎし・ちひろ)/1968年、神奈川県出身。学習院大学卒業後、広告会社にて営業として活躍。HR業界を中心に複数企業での役員・管理職経験を経て、2008年1月株式会社パソナフォーチュンに入社、エグゼクティブ層を対象とした人材紹介事業のマネジメントを担う。2009年10月、株式会社廣済堂に入社。2015年4月、HC事業部人材ビジネス本部執行役員本部長、2017年4月、HRS事業部上席執行役員事業部長兼ソリューション本部長、2017年6月取締役HRS事業部長兼ソリューション本部長、2018年6月常務取締役に昇格。2019年6月より現職。

あえて大手ではなく中堅企業を選んだ、バブル期の就職活動

根岸さんは、大学時代にどのような学問を専攻されていたのですか。

文学部哲学科で美学美術史を専攻し、図像学という学問を研究していました。図像学とは、絵画や彫刻などの美術表現の意味や由来について研究する学問のこと。例えば仏像一つをとっても、平安時代につくられたものと、鎌倉時代につくられたものでは、手に持つ道具や筋肉の表現がまるで違います。時代背景を読み解きながら、芸術作品の魅力を探求することは、とてもぜいたくで楽しい時間でした。寺めぐりや美術鑑賞は今でも、私の趣味の一つです。また、学問に没頭する一方で、サッカーサークルに所属したり、バンド活動をしたりと、自分の好きなことを思いきり楽しむことができた学生生活でした。

大学卒業後、新卒で入社されたのは、どのような企業だったのですか。

新卒で中堅の広告会社に入社し、5年ほど営業を経験しました。私が就職活動をしていたのはバブル全盛期。当時、学生に人気だったのは派手な仕事ができて、他業界よりも稼げる金融業界や広告代理店でした。私も、そんな時代の流れに乗って、広告会社を選んだミーハーな学生の一人でした。

他の学生と違っていたのは、「誰もが知る大手企業ではなく、中小企業に就職したい」と希望していたことでしょうか。大きな組織のなかで歯車の一つとして仕事をするよりも、若いうちから裁量ある仕事を担当して、頭角を現すことができる小規模な組織で働きたいと考えていました。若さゆえの青臭い野心のようなものがあったのでしょう。一般広告やセールスプロモーションを手がける中堅企業で、営業の基礎を身につけました。

新卒で入社した会社を退職されたあとは、どのようなキャリアを歩まれたのでしょうか。

根岸 千尋さん(株式会社廣済堂 代表取締役社長)

新卒で入社した広告代理店を退職し、一般広告と求人広告の両方を手がける会社に転職しました。入社当初は、これまでの経験を生かして一般広告の営業に携わりましたが、求人広告の市場が急拡大する時期だったこともあり、徐々に求人広告の営業へとシフト。私が入社したころに年商20億円規模だった会社は、わずか7年で80億円規模へ拡大しました。入社から4年後の31歳で役員になり、経営にも携わりましたが、残念ながら将来の会社の成長戦略において社長と意見があわず、34歳で退職しました。

30代後半は、いわば流浪の時代ですね。新卒で入社した会社に役員として出戻りをしたり、他の求人広告の会社やBPO事業の会社で役員を務めたり。そして2008年、38歳のときに株式会社パソナフォーチュンに入社。エグゼクティブ層を対象とした人材紹介事業の草創メンバーとして、経営管理室長兼エグゼクティブサーチ室長を務め、事業の本格稼働と経営管理を手がけました。

実にさまざまな経験をされた30代だったと推察しますが、この時期に学んだことや身につけたものは何だったのでしょうか。

求人広告・人材紹介・人材派遣と、多くの種類の人材サービスに携わり、知見を深めたことでしょう。一つの会社に長く勤めるということは、私にはできなかった素晴らしい生き方ですが、いろいろな会社で幅広い経験を積み重ねてきたことが、今の私を支える土台になっていると感じています。求人広告だけ、人材紹介だけしか手がけてこなかったら、また、同じ会社でキャリアを積んできたとしたら、今とは見える景色が違っていたのではないかと思います。

また、事業立ち上げや経営、マネジメントという観点でも経験を積む機会に恵まれました。人材ビジネス業界に精通していること、プレイヤーとマネジャーの両面で事業の拡大を担ってきたこと、複数の企業で経営の仕事に携わってきたことが私の強みと言えるかもしれません。


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