無料会員登録

日本の人事部への登録は45秒で完了!
※登録内容はマイページで確認・変更できます。

※「@jinjibu.jp」からのメールが受信できるようにしてください。

既に会員の方はこちら

または各SNSで登録

日本の人事部があなたの許可無く投稿することはありません

既に会員の方は
こちらからログイン

ログイン

無料会員登録

不正な操作が行われました。
お手数ですが再度操作を行ってください。

会員登録完了・ログイン

ありがとうございます。会員登録が完了しました。
メールにてお送りしたパスワードでログインし、
引続きコンテンツをお楽しみください。

無料会員登録

不正な操作が行われました。
お手数ですが再度操作を行ってください。

会員登録完了・自動ログイン

会員登録とログインが完了しました。
引続きコンテンツをご利用ください。

マイページ

会員登録済み


選択したSNSアカウントは既に会員登録済みです。

タナケン教授の「プロティアン・キャリア」ゼミ【第59回】
キャリア・リスキリング!
万華鏡理論(Kaleidoscope Careers)とは?

法政大学 キャリアデザイン学部 教授

田中 研之輔さん

タナケン教授の「プロティアン・キャリア」ゼミ

令和という新時代。かつてないほどに変化が求められる時代に、私たちはどこに向かって、いかに歩んでいけばいいのでしょうか。これからの<私>のキャリア形成と、人事という仕事で関わる<同僚たち>へのキャリア開発支援。このゼミでは、プロティアン・キャリア論をベースに、人生100年時代の「生き方と働き方」をインタラクティブなダイアローグを通じて、戦略的にデザインしていきます。

タナケン教授があなたの悩みに答えます!

キャリア知見を学び続けることの醍醐味は、二つあります。

一つ目は、きわめて実践的な知見であるという点です。それぞれのキャリア形成期に直面する課題や困難は、個別具体的な問題ではあるものの、同じような境遇で悩んでいる人が数多くいます。たとえば、若手がキャリア形成期に直面する「このままでいいのか」というこれからのキャリアへの不安や、ベテラン社員が直面する組織に依存してしまい、新たな挑戦や変化におっくうになることなどは、この国の社会問題であると捉えても過言ではありません。

そのようなキャリア課題に直面したとき、プロティアン・キャリア知見をベースに、中期でキャリア資本計画をたて、これからをデザインしていくこと。あるいは、バウンダリーレス・キャリア知見をベースに、越境活動を重ねて組織依存から脱却していくことなど。キャリア知見は、インプットしたその日から、実践的に取り組んでいくことができるのです。

二つ目は、キャリア知見自体が時代の変化に適合しながら、進化し続けているという点です。前回のゼミで紹介したのは、新たなキャリア知見(New Career Studies)の動向でした。私が皆さんと一緒に実現したい未来像の一つは、ビジネスパーソン一人ひとりが定期的にキャリア知見をリスキリングしていくような文化を創っていくことです。キャリア知見は、人事部や人材開発、あるいはキャリア支援に関わる人たちの専売知見ではないのです。というのも、業界や業種を越え、すべてのビジネスパーソンにとってキャリア知見は、人生のお守りになるからです。

万華鏡理論(Kaleidoscope Careers)とは?

というわけで今回のゼミでも、キャリア知見の進化に触れてみることにしましょう。取り上げたいのは、最近、私自身が関心を持っているプロティアン・キャリア理論と万華鏡理論(Kaleidoscope Careers)との関係性についてです。

本ゼミの理論的支柱であるプロティアン・キャリア知見は、1976年にダグラス・ホールによって提唱された概念であり、アイデンティティとアダプタビリティを軸に、自らが主体的にキャリアを形成していくことに力点が置かれています。

これに対して、本ゼミで初めて紹介する万華鏡理論は、2002年にアーサー・R・メイナードとスーザン・P・メイナードによって開発された、キャリア選択における個人の多様性と柔軟性を重視する理論です。キャリアを万華鏡に例え、個人の価値観や優先順位が変わることで、キャリアの形も変わっていくという概念を提唱しています。

イメージ図:個人の価値観や優先順位が変わることで、キャリアの形も変わる

キャリア知見を理解する鍵の一つになるのが、用いられている「メタファー(比喩表現)」の意味を考えることです。ギリシア神話の神プロテウスをメタファーに変幻自在の姿を想起させるプロティアン。一方、いろいろな形に変化していく万華鏡からは、キャリア形成における「しなやかさ」や「多様性」をイメージすることができます。

共通しているのは、プロティアン・キャリアも万華鏡理論も、変化の激しい社会変化の中でキャリアを形成していくための新たな知見として提唱された点です。

プロティアン・キャリアは、個人の価値観や自己概念を中心に据え、自己決定と柔軟性を重視します。ホールは、プロティアン・キャリアを二つの主要な特徴で説明しています。

自己主導:個人がキャリアの選択や変化を自己主導で行うこと
価値観の明確化:個人の内面的な価値観や目標に基づいてキャリアを築くこと

この視点によって、プロティアン・キャリアは従来の組織中心のキャリアモデルとは一線を画し、個人の主体性を強調する理論フレームの構築に成功したのです。

万華鏡理論は、個人がキャリア選択をする際に、人生の異なる局面で異なる優先順位を持つことに着目します。この理論は、以下の三つの要素で構成されます。

  1. 真実性(オーセンティシティ):個人の内面的な価値観が、外面的な行動や雇用組織の価値観と一致している状態
  2. バランス:個人が仕事と仕事以外の要求(例:家族、友人、高齢の親族、個人的な関心事)との間で均衡を保とうと努める状態
  3. 挑戦:個人が刺激的な仕事(例:責任、自律性)やキャリアの発展を求める必要性

これらの要素が、個人のキャリア選択の各段階において、それぞれ異なる重点を持つことで、キャリアの多様性と柔軟性がもたらされると考えられているのです。そこで今、私が考えているのは、プロティアン・キャリアと万華鏡理論をつなぎ合わせて、今の時代にさらにフィットしたキャリア知見を構築していくことです。

プロティアン・キャリアと万華鏡理論を接続させる

プロティアン・キャリアと万華鏡理論を接続することで、個人のキャリア形成において、より柔軟かつ動態的なアプローチの獲得が可能になります。たとえば、次のような理論的進化を期待できるでしょう。

自己の多様性を生きる

プロティアン・キャリアの自己主導性に加え、万華鏡理論の自由やバランスの概念を取り入れることで、キャリア選択の幅を広げることができます。個人は自分の人生の異なるフェーズで異なる優先順位を持ち、それに応じたキャリアパスを選択できます。言い換えるならば、これまではどちらかというと、集団の中での多様性に重きが置かれてきましたが、個人の中の多様性にも向き合う気づきを与えてくれることになるのです。

ダイナミックなキャリア形成

万華鏡理論の動的な視点を取り入れることで、プロティアン・キャリアはより変化に対応しやすくなります。個人はキャリアの途中で自分の価値観や目標が変わった場合でも、それに応じてキャリアを再設計する柔軟性を持つことができます。プロティアン・キャリアは、従来型の単線型キャリアからの転換として、複線型キャリアの可能性に触れてきましたが、複線型キャリアも、将来の目標から逆算するような形がイメージされやすい考え方でもありました。もっと、人生はしなやかでいいのです。万華鏡理論は、複線型キャリアに柔軟性を付け加えてくれます。

自己効力感の向上

プロティアン・キャリアの自己主導性に万華鏡理論の挑戦の視点を組み合わせることで、個人の自己効力感が高まります。仕事が個人の価値観に一致し、自由とバランスを持つことで、仕事に対する満足感とモチベーションが向上します。これまでも長年、同じ業務に携わることでのキャリアプラトー(停滞感)と、それに伴う組織内依存が問題視されてきました。言い換えるなら、新たに挑戦することはできなくなり、「キャリアの沼」から抜け出せなくなるのです。しかし私たちは、いつからでも挑戦していくことができます。変幻自在なプロテウスの神を私たちの内部に宿しながら、その挑戦自体に過度のプレッシャーを自ら与えないしなやかさを共在させていくのです。

プロティアン・キャリアと万華鏡理論を接続させることで、キャリアカウンセリングや組織の人材開発においても新たなアプローチが可能となるでしょう。キャリアカウンセラーは、クライアントの価値観や人生の優先順位に基づいて、柔軟かつ多様なキャリアパスを提案することができます。また、組織は社員の多様なキャリアニーズに応えるために、柔軟な働き方やキャリア開発プログラムを提供することが重要です。

このようにプロティアン・キャリアと万華鏡理論を接続させることで、現代の複雑なキャリア環境において、個人の多様なニーズに応えるための新たな理論的枠組みの獲得を目指していきます。

この接続により、個人は自己主導的に、かつ真実性とバランスを保ちながら、しなやかに挑戦し続けるキャリアを築くことが可能となります。組織もまた、この新たな視点を取り入れることで、社員の心理的幸福度を高めるだけではなく、競争力や生産性を向上させることができるでしょう。

それでは、また次回に!

田中 研之輔氏
田中 研之輔氏
法政大学キャリアデザイン学部教授/一般社団法人プロティアン・キャリア協会 代表理事/明光キャリアアカデミー学長

たなか・けんのすけ/博士:社会学。一橋大学大学院社会学研究科博士課程修了。専門はキャリア論、組織論。UC. Berkeley元客員研究員、University of Melbourne元客員研究員、日本学術振興会特別研究員SPD 東京大学。社外取締役・社外顧問を31社歴任。個人投資家。著書27冊。『辞める研修辞めない研修–新人育成の組織エスノグラフィー』『先生は教えてくれない就活のトリセツ』『ルポ不法移民』『丼家の経営』『都市に刻む軌跡』『走らないトヨタ』、訳書に『ボディ&ソウル』『ストリートのコード』など。ソフトバンクアカデミア外部一期生。専門社会調査士。『プロティアン―70歳まで第一線で働き続ける最強のキャリア資本論』、『ビジトレ−今日から始めるミドルシニアのキャリア開発』、『プロティアン教育』『新しいキャリアの見つけ方』、最新刊『今すぐ転職を考えてない人のためのキャリア戦略』など。日経ビジネス、日経STYLEほかメディア多数連載。プログラム開発・新規事業開発を得意とする。

企画・編集:『日本の人事部』編集部

Webサイト『日本の人事部』の「インタビューコラム」「HRペディア「人事辞典」」「調査レポート」などの記事の企画・編集を手がけるほか、「HRカンファレンス」「HRアカデミー」「HRコンソーシアム」などの講演の企画を担当し、HRのオピニオンリーダーとのネットワークを構築している。

オピニオンリーダーからの提言

オピニオンリーダーからの提言

? このジャンルの新コンテンツ掲載時に通知します このジャンルの新コンテンツ掲載時に通知します
フォロー

無料会員登録

フォローすると、対象ジャンルの新着記事が掲載された際に通知します。
利用には『日本の人事部』への会員登録が必要です。

メールアドレスのみの登録で、15秒で完了します。

HR領域のオピニオンリーダーによる金言・名言。人事部に立ちはだかる悩みや課題を克服し、前進していくためのヒントを投げかけます。

この記事ジャンル キャリア開発研修

無料会員登録

会員登録すると、興味のあるコンテンツをお届けしやすくなります。
メールアドレスのみの登録で、15秒で完了します。

この記事を既読にする

無料会員登録

「既読機能」のご利用には『日本の人事部』会員への登録が必要です。
メールアドレスのみの登録で、15秒で完了します。

この記事をオススメ

あなたのオススメとして、ニックネーム、業種、所在地(都道府県まで)が公開されます。
※コメント入力は任意です。

オススメ
コメント
(任意)
■コメント投稿に関するご注意
以下に定めるご注意をご承諾の上、コメントを投稿してください。

1.
記載されている記事や回答の内容に関係のないコメントは、ご遠慮ください。
2.
以下の内容を含んだコメントの投稿を禁止します。『日本の人事部』事務局が禁止行為に該当すると判断した場合には、投稿者に通知することなく、コメントを削除または修正することもございます。予めご了承ください。
・第三者の名誉または信用を毀損するもの
・第三者を誹謗・中傷するもの
・第三者の名誉、信用、プライバシーを侵害するもの
・第三者の著作権等の知的財産権を侵害するもの
・第三者の権利または利益を侵害するもの
・公序良俗に反する内容を含んだもの
・政治活動、宗教、思想に関する記載があるもの
・法令に違反する、または違反のおそれがある記載のあるもの
・差別につながるもの
・事実に反する情報を記載するもの
・営利目的の宣伝・広告を含んだもの
・その他、内容が不適切と判断されるもの
3.
氏名・住所・電話番号などの個人情報を記載すると、トラブルに繋がる可能性があります。絶対に記載することのないよう、ご注意ください。
4.
掲載されたコメントにより発生したトラブルに関しては、いかなる場合も『日本の人事部』事務局では責任を負いかねますので、ご了承ください。
5.
ご投稿いただきましたコメントは、『日本の人事部』や、当社が運営するウェブサイト、発行物(メールマガジン、印刷物)などに転載させていただく場合がございますので、ご了承下さい。

コメントを書く

あなたのオススメとして、ニックネーム、業種、所在地(都道府県まで)が公開されます。

コメント
■コメント投稿に関するご注意
以下に定めるご注意をご承諾の上、コメントを投稿してください。

1.
記載されている記事や回答の内容に関係のないコメントは、ご遠慮ください。
2.
以下の内容を含んだコメントの投稿を禁止します。『日本の人事部』事務局が禁止行為に該当すると判断した場合には、投稿者に通知することなく、コメントを削除または修正することもございます。予めご了承ください。
・第三者の名誉または信用を毀損するもの
・第三者を誹謗・中傷するもの
・第三者の名誉、信用、プライバシーを侵害するもの
・第三者の著作権等の知的財産権を侵害するもの
・第三者の権利または利益を侵害するもの
・公序良俗に反する内容を含んだもの
・政治活動、宗教、思想に関する記載があるもの
・法令に違反する、または違反のおそれがある記載のあるもの
・差別につながるもの
・事実に反する情報を記載するもの
・営利目的の宣伝・広告を含んだもの
・その他、内容が不適切と判断されるもの
3.
氏名・住所・電話番号などの個人情報を記載すると、トラブルに繋がる可能性があります。絶対に記載することのないよう、ご注意ください。
4.
掲載されたコメントにより発生したトラブルに関しては、いかなる場合も『日本の人事部』事務局では責任を負いかねますので、ご了承ください。
5.
ご投稿いただきましたコメントは、『日本の人事部』や、当社が運営するウェブサイト、発行物(メールマガジン、印刷物)などに転載させていただく場合がございますので、ご了承下さい。

問題を報告

ご報告ありがとうございます。
『日本の人事部』事務局にて内容を確認させていただきます。

報告内容
問題点

【ご注意】
・このご報告に、事務局から個別にご返信することはありません。
・ご報告いただいた内容が、弊社以外の第三者に伝わることはありません。
・ご報告をいただいても、対応を行わない場合もございます。

オピニオンリーダーからの提言のバックナンバー

関連する記事

【用語解説 人事辞典】
キャリア・アダプタビリティ
プロティアン・キャリア