本誌特別調査
2017年役員報酬・賞与等の最新実態(労務行政研究所)
社長の年収は4441万円。社外取締役の年間報酬の平均額は643万円
- 1
- 2
2 社外取締役の選任状況と報酬水準
社外取締役の選任状況[図表5~6]
コーポレートガバナンス・コードでは、少なくとも2名以上の独立社外取締役を選任すべきとしている(原則4-8)。これらへの対応を探るため、まず各社での社外取締役の選任状況について尋ねてみた。
集計結果は[図表5]のとおりとなり、規模計で見た選任済み企業の割合は94.2%、規模別では1000人以上90.9%、300~999人96.7%、300人未満95.7%と、いずれの規模でも9割超に達している。併せて尋ねた「社外取締役を初めて選任した時期」の回答では[図表6]、「2013年以前」53.8%が過半数を占めた一方、改正会社法が公布された14年が12.3%、同法が施行された15年以降は合わせて34.0%に上り、官民によるガバナンス改革機運の高まりに合わせて新規の選任が進んできた様子が見て取れる。
また、[図表5]から現在選任している社外取締役の人数を見ると(規模計)、「2人」53.1%が最も多く、これに「3人」19.5%が続いている。規模別に見ると、1000人以上は「2人」が52.5%と過半数を占め、さらに3人以上選任している割合を合わせると4割超に上るなど、規模が大きいほど選任数が増える傾向が表れている。
社外取締役の年間報酬[図表7]
回答があった235人(平均年齢63.1歳)の平均支給額は、報酬月額52万円、年間賞与19万円、これらを合わせた年間報酬は643万円となった[図表7]。規模別に見た年間報酬は、1000人以上が883万円で最も高く、300~999人が553万円、300人未満が410万円となっている。
◎調査名:「役員の報酬等に関する実態調査」
1. 調査対象:
全国証券市場の上場企業(新興市場の上場企業も含む)3562社と、上場企業に匹敵する非上場企業(資本金5億円以上かつ従業員500人以上)273社の合計3835社。ただし、持ち株会社の場合は主要子会社を対象としたところもある。
2. 調査時期:
2017年7月10日~11月2日
3. 集計対象:
前記調査対象のうち、回答のあった120社。産業別、規模別の集計社数は右表のとおり。本調査は社名を秘匿扱いで行ったため、会社名を一切公表していない。所属業種については、調査時点におけるものとした。なお、項目により集計(回答)企業は異なる(項目により回答していない企業があるため)。
4. 利用上の注意:
図表の割合は、小数第2位を四捨五入し小数第1位まで表示しているため、合計が100.0にならない場合がある。また、本文中で割合を引用する際には、実数に戻り再度割合を算出し直しているため、図表中の数値の足し上げと本文中の数値とは一致しないことがある。
注)*ここでは、一般財団法人労務行政研究所が行った(調査期間:2017年7月10日~11月2日)「役員の報酬等に関する実態調査」をもとに、『日本の人事部』編集部が記事を作成しました。詳細は『労政時報』第3944号(2018年1月12日発行)に掲載されています。
◆労政時報の詳細は、こちらをご覧ください → 「WEB労政時報」体験版
- 1
- 2
人事の専門メディアやシンクタンクが発表した調査・研究の中から、いま人事として知っておきたい情報をピックアップしました。