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【「特別な休暇制度」の導入&活用方法】「従業員の多能工化」との合わせ技で生産性もアップ!

特定社会保険労務士

假谷 美香

2. 企業が導入するメリット

企業が特配休暇制度を導入するメリットとして、次の四つが考えられます。

  1. 福利厚生の充実により企業イメージがアップし、人材が安定的に確保でき定着率が良くなる
  2. 従業員の健康保持増進を行うことにより、企業の活力そのものが向上する
  3. 従業員が社会参加の機会等を得て自己実現ができるようになり、仕事の質や効率が向上する
  4. 企業の社会的責任(CSR)を果たすことに繋がる

これらはすべて、一見目に見えるものではないように思われますが、いずれも経済効果を数値化することができます。

例えば、最近、経営者から「なかなか優秀な人材が獲得できない」、また「人材を獲得できても定着しない」という声がよく聞かれます。人材が定着しないことによって、企業が採用にかけるコスト(人事担当者の人件費、求人媒体への経費等や教育訓練コスト)は大きくなっています。人材を安定的に確保することができるようになり、定着率がアップすれば、「採用コストや教育訓練コストの削減」として効果が数字に表れるのです。

photo

また、従業員の健康状態が良くなって企業の活力そのものが向上すると、一人ひとりが能力を最大限に発揮できるようになり、企画力の向上や新しいマーケットへの参入も可能になります。当然、それは売上の増加として数字に表れてきます。

さらに、仕事以外の分野における自己実現により仕事の質や効率がアップすれば、生産性向上にもつながり、利益率そのものが増えることも十分に考えられます。

四つ目の「企業の社会的責任(CSR)を果たすことに繋がる」については、労働CSRへの取組み(少子化、長時間労働、過労死などの問題について、消費者や取引先、地方公共団体など様々な関係者との対話や協調を通じて解決を図ること)で、資料3のような効果も確認されています。

特配休暇制度を導入することによって、企業全体が活力を取り戻すとともに、経済的にも大きな成果が期待できるのです。

■資料3 労働CSRへの取組みによる効果
資料3 労働CSRへの取組みによる効果

3. 特配休暇制度の種類は?

特配休暇制度を目的から分類すると、表のようにまとめられます。

■特配休暇制度の種類
目的 休暇制度 内容
ワーク・ライフ・バランス (家庭生活の充実) 記念日休暇 自分が選んだ記念日(結婚記念日、子どもの誕生日等)に取得できる
結婚休暇 本人の結婚式や新婚旅行の場合、数日取得できる
配偶者出産時休暇 配偶者の出産時に取得できる。付与日数によっては、遠方(配偶者の実家)で出産するときなど余裕をもって立ち会えると好評な企業もあり
学校行事休暇 子供(企業によっては孫も)の学校行事の際に取得できる
従業員の健康維持・活力の回復 リフレッシュ休暇 (節目休暇) 心身の疲労回復(リフレッシュ)のために取得できる。多くは5年、10年といった節目の時期に、数日取得できる制度を導入
バースデイ休暇 本人(もしくは家族)の誕生日に取得できる
病気休暇 私傷病の治療のために取得できる
ボランティア・社会貢献 ボランティア休暇 ボランティアを行う際に取得できる(臓器提供のドナーになる際に利用した事例もあり)
裁判員休暇 裁判員に選任された場合に取得できる
自己啓発・能力開発 ステップアップ休暇
自己啓発休暇
自己啓発や能力開発を目的としたセミナー、講座を受講する際に取得できる

(1)病気休暇は“導入割合No.1”

制度化されている特配休暇制度のうち、もっとも導入されている割合が高いのは「病気休暇」で、2位「裁判員休暇」、3位「リフレッシュ休暇」と続きます。

「病気休暇」と言うと、私傷病休職をイメージされる方がいらっしゃるかもしれませんが、ここで言う病気休暇は、一般的な「休職制度」とは若干内容が異なります。

意識調査における「病気休職」とは、原因を私傷病によるものとして、治療が長期にわたることを前提に連続して1ヵ月以上出勤できない状況で雇用契約を継続し、会社に在籍したまま休職することができる制度のことを言います。これに対し、「病気休暇」は、治療のために取る休暇です。

そのため、病気休職の期間の上限を「6ヵ月~1年未満」とする企業が19.6%で最も多いのに対し、病気休暇の年間取得日数の上限日数は「61日から90日」とする企業が22.5%と最も多く、期間を短く設定する傾向が見られます。なお、上限がある企業は64.1%で、ない企業は27.8%となっています。規模が小さい企業ほど上限を設けていない傾向が見られます。

「私は病気には絶対ならない」と言い切れる人はほとんどいません。そういう意味でも、このような休暇があると、より安心感を持って従業員が働くことができるでしょう。

(2)リフレッシュ休暇は“認知度No.1”

photo

特配休暇制度を導入していない企業において認知度の高い休暇は、1位「リフレッシュ休暇」、2位「裁判員休暇」、3位「ボランティア休暇」です。導入割合の高い「病気休暇」は、認知度では5位です。導入実績と認知度が違う点が面白いところです。

筆者の関与先の会社でもリフレッシュ休暇を導入している会社は沢山あり、その内容はバラエティに富んでいます。もちろん、特配休暇制度そのものが法令で定められたものではありませんから、会社が独自の名称と内容を定めることに、何の問題もありません。

ここで念のため、行政の定義する「リフレッシュ休暇」について触れておきます。

1995年7月に厚生労働省が策定した「ゆとり休暇推進要綱」によれば、「職業生涯の長期化・職務の高度化に対応したリフレッシュのための休暇」と位置付けられています。最近は、職業生活の節目に労働者の心身の疲労回復等を目的として付与される休暇とも言われています。

筆者が知る企業(従業員数20名。飲食業)でも、10年ごとに10日間取得できるリフレッシュ休暇を設けています。会社が「成績優秀者」と認定した従業員については、このリフレッシュ休暇にハワイへの家族旅行をプレゼントしています(交通費、宿泊費、すべて会社負担)。本人はもちろん、家族からも大変喜ばれていると、経営者が笑顔で語っていました。

家族旅行までプレゼントするかどうかは別にして、何年間か会社に貢献をした従業員に休暇を与え、心身の疲労を回復してもらうということは、労働者の生産性向上や、意欲の向上に繋がる効果をもたらします。

(3)社会貢献意識の高まりと休暇制度

2011年3月11日に発生した東日本大震災をきっかけに、日本人一人ひとりが、自分には何ができるのかを考え、自ら動き始めました。それに伴い、企業においても、ボランティア休暇の日数を増やしたり、新たに導入を検討したりする企業が増えています。

意識調査の結果によると、今後、「東日本大震災にともなった特別な休暇を導入するかどうか検討したい」と考える企業は30.6%、導入予定がない企業は46.2%でした。一方、労働者側の希望としては、39.7%の労働者が導入を希望し、特に、規模の小さい企業ほど、導入を求める労働者の割合が高くなっています。

ボランティア休暇や社会貢献休暇については、大手企業で企業の社会的責任(CSR)の一環として積極的に取り組むところが増えています。中小零細企業にはまだまだ浸透していませんが、おそらく、今後、企業のコンプライアンスおよびCSRに対する意識が向上していくとともに、注目される休暇であろうと考えられます。

(4)犯罪被害者のための休暇制度

犯罪被害者のための休暇制度(以下、「犯罪被害者休暇」という)については、認知度そのものがかなり低い傾向にあります。

2004年に成立した犯罪被害者等基本法に基づき2011年3月に策定された「第2次犯罪被害者等基本計画」には、「被害回復のための休暇制度の周知・啓発」が掲げられ、リーフレットを作成・配布する等普及に努めているようですが、まだまだその認知度は低いようです。

調査結果によると、犯罪被害者休暇を「知っている」と答えた企業の割合は11%です。

規模の小さい企業ほど認知度が低い傾向があります(1、000人以上の企業では22.5%、30~99人規模では9.1%)。労働者が「知っている」と答えた割合は、わずか2.8%だった反面、44.6%の労働者が導入の必要性を感じていました。その理由は、71.4%が「制度化されていると利用しやすいため」と回答しています。

犯罪被害者休暇については、まだまだ認知度は低いながら、その内容を知れば、必要性を感じる労働者が多いことがわかります。

企業がこの休暇制度を導入する目的は、犯罪被害者の二次的被害を軽減したり回復させたりすることにあります(「二次的被害」とは、犯罪被害に遭ったことによる精神的ショックや身体の不調、医療費の負担や失業、転職による経済的困窮、捜査や裁判の過程における精神的・時間的な負担、周囲の無責任なうわさ話やマスコミ取材・報道による精神的被害を指す)。政府は、企業が犯罪被害者休暇制度を導入し、犯罪被害者となった従業員が仕事を続けられるようにすることで、上記のような二次的被害の軽減に取り組むことを求めています。

個々の従業員の生活を守るうえでも、犯罪被害者休暇制度は非常に重要な制度と言えます。

(5)興味深い特配休暇制度

特配休暇制度には、従業員の勤労意欲に大いに貢献しそうな興味深いものもありますので、次に紹介します。

[1]「年次有給休暇繰越制度」「ストック有給休暇」

取得しなかった年次有給休暇は、通常2年で時効消滅してしまいます。その分を、日数を限定して繰り越せるようにする制度が「年次有給休暇繰越制度」です。一方、もしもの時のためにストックできるのが「ストック有給休暇」です。

photo

両制度は、育児休業を終了し復帰した従業員に人気の制度です。育児休業を終えて復帰したものの、まだ子供が小さいうちは、さまざまな都合で休みが必要になります。そんなときに繰り越した年次有給休暇を使ったり、ストックしておいた有給休暇を使ったりするのです。

筆者の事務所でも、年次有給休暇繰越制度を導入しています。一旦発生した年次有給休暇を、最大3年まで繰り越せる制度です。真面目な従業員は、業務が忙しい時になかなか年次有給休暇を取ろうとしません。3年繰り越せる制度にして、業務の都合を見つつ家族旅行に行くときにでも使ってもらえると嬉しいと思っています。

[2]「単身赴任者休暇」

単身赴任をして、家族と離れて生活をしている従業員が帰省するための休暇制度です。本人のみならず家族にも喜ばれる制度として好評です。株式会社高島屋は、この休暇を「おかえりなさい休暇」と名付けて活用しています。休む理由が明確なため、上司や同僚からの理解が得やすく取得しやすいと好評とのことです。

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