内定者意識調査(内定期間中の心境編)
25卒が内定期間に求める支援1位… 先輩社員との関係構築
累計13,000社420万人以上の組織開発・人材育成を支援するALL DIFFERENT(オールディファレント)株式会社(所在地:東京都千代田区 代表取締役社長:眞﨑大輔)および「人と組織の未来創り🄬」に関する調査・研究を行うラーニングイノベーション総合研究所は、2024年10月15日~12月9日の期間で、2025年入社予定の内定者414人を対象に「内定者意識調査」を行いました。本レポートでは、25卒内定者が内定期間に抱く気持ちと想定する入社後の困難について調査・分析した結果を公表いたします。
〈背景〉
近年の深刻な人手不足の慢性化により、若手人材を確保する難易度はますます高まっています。採用活動の早期化や、採用に直結するインターンシップ、いわゆる「採用直結型インターンシップ」が25卒から解禁されるなど、企業は多くの学生にアプローチするための様々な施策を促進しており、学生の獲得競争が激化しています。このような状況において、企業はいかに内定者の気持ちや不安をキャッチアップし、入社前にサポートできるかが、内定辞退・早期離職の防止のカギとなります。
そこで当社は、本年も「内定者意識調査」を実施しました。Z世代かつ真のデジタルネイティブ世代である25卒内定者が内定期間に抱える気持ちや想定する入社後の困難、企業に求めるサポートは何か、実態を明らかにします。
調査結果の概要
● 社会人になる気持ち、「不安・心配」が約7割で最大
● 約7割の内定者が「自分の能力で仕事についていけるか」に不安を感じている
● 入社後に直面すると想定する困難、約半数が「仕事の難しさ」「生活リズムの変化」と回答
● 内定先に求めるサポート、半数超の内定者が「先輩社員との関係構築」と回答
【考察】内定辞退・早期離職を防ぐために企業が取り組むべきこと「先輩社員との交流で不安軽減と期待感の醸成を」
調査結果の詳細
1.社会人になる気持ち、「不安・心配」が約7割で最大
まず初めに、25卒内定者に対して、社会人になるにあたりどのような気持ちが強いか質問しました。 結果、「不安・心配な気持ち」が69.3%と最も高い結果となりました。次に「嬉しさ・楽しみな気持ち」が48.8%、「期待感」が43.0%と続きました。
2.約7割の内定者が「自分の能力で仕事についていけるか」に不安を感じている
次に、どのような不安を感じているか質問しました。
結果、「自分の能力で仕事についていけるか」が68.4%でトップとなりました。続いて「しっかりと成果を出せるか」が54.1%、「先輩・同期とうまくやっていけるか」が42.5%、「上司とうまくやっていけるか」が38.4%という結果になりました。 この結果より、半数以上が自身の能力や成果に対して不安を感じていることがわかりました。また、先輩・同期のような身近な存在との関係構築に不安を感じている割合が高いこともわかりました。
3.入社に向けて期待すること「色々なことを学び成長できる」がトップで約7割が回答
様々な不安を抱える内定者ですが、入社に向けてどのような「期待」を抱いているかについても質問しました。
結果、「色々なことを学び成長できる」が67.9%と最も高い割合となりました。続いて「給料がもらえる」が55.8%、「社会の役に立てる」が38.4%となりました。自身の成長に対する項目が1位になった点は、25卒内定者の働く動機を考える上で見逃せないポイントです。
4.入社後に直面すると想定する困難、約半数が「仕事の難しさ」「生活リズムの変化」と回答
次に、学生から社会人への転換期(トランジション)を迎える内定者が、入社後にどのような困難に直面すると思うか質問しました。
結果、48.8%が「仕事が難しい」、45.9%が「生活リズムの変化」と回答し、約半数の内定者が仕事の難しさや、生活リズムの変化へ適応することに苦労すると想定していることがわかりました。
次いで「仕事を覚えられない」が34.5%、「社会人としての考え方の習得」が33.1%、「社会人の基礎的なマナーの習得」が31.4%という結果になりました。
5.内定先に求めるサポート、半数超の内定者が「先輩社員との関係構築の機会」と回答
最後に、内定期間中、入社する会社からどのようなサポートを受けたいと考えているか質問しました。
結果、「先輩社員との人間関係を築く機会がほしい」が51.2%で最大の割合となりました。次いで「他の内定者との人間関係を築く機会がほしい」が43.7%、「マナーや仕事の進め方など、社会人の基礎を教えてほしい」が38.6%となりました。
まとめ
多くの企業が内定辞退や新入社員の早期離職に悩む中、25卒の内定者がどのような悩みを抱え、入社後の苦労を想定しているか、実態を明らかにすべく本調査を実施しました。
結果、約7割の内定者が「不安・心配な気持ち」を抱いていることが分かりました。不安を感じる内容としては、「自分の能力で仕事についていけるか」がダントツとなり、次に、「しっかりと成果を出せるか」が続きました。
一方、期待することとしては「色々なことを学び成長できる」がトップとなりました。
想定する入社後の困難において「仕事が難しい」がトップとなったことからも、今年の内定者は、自身の能力や成果が仕事で通用するかに対して不安を感じており、不安払拭のためという側面もあってか、学び成長できる環境を期待する内定者が多くなりました。
入社への準備期間である内定期間中に受けたいサポートとしては、「先輩社員との関係構築」「内定者との関係構築」「マナーなどの社会人の基礎教育」を求めていることがわかりました。不安や想定している入社後の壁をスムーズに乗り越えるために、周囲との関係性を構築し、早く企業に馴染むことで、入社後の成長を期待している様子が見受けられました。
【考察】内定辞退・早期離職を防ぐために企業が取り組むべきこと 「先輩社員との交流で不安軽減と期待感の醸成を」
内定者が不安と期待を抱く入社前の時期においては、「不安の軽減」と「期待感の醸成」を意識したサポートが効果的です。
1. 「不安の軽減」サポート
2025年卒の内定者も、これまでの内定者と同様に「自分の能力で仕事についていけるか」や「しっかりと成果を出せるか」といった悩みを抱えています。こうした不安を軽減するためには、内定者に近い年代の先輩社員による等身大の体験談(成功談や失敗談)を伝える場を設けるとよいでしょう。直接対話の機会を提供することで、内定者は働くイメージをより具体的に持つことができ、さらに先輩社員との関係を構築するきっかけにもなります。このような取り組みによって、内定者は「自分の能力で仕事についていけるか」という不安を乗り越えるための大切なヒントを得られるでしょう。
2. 「期待感の醸成」サポート
内定者の約7割が入社への期待として「いろいろなことを学び、成長できる」と回答しています。この期待に応えるためには、入社後に期待される役割や業務を、入社前の内定期間中に具体的に伝えていくことが重要です。特に、社会人としての基礎を身に付けるための具体的なアドバイスや取り組み方を伝えることが効果的です。これは、社会人としての第一歩である「生活リズムの変化」や「基本的なマナー・考え方の習得」といった課題を乗り越える上で、大きな助けとなります。
このように、精神面の支援やビジネススキルの初歩的な教育を、入社前の学生が無理なく取り組める形で提供する工夫が企業には求められています。
ALL DIFFERENT株式会社
事業開発推進本部 コンテンツマネジメント部 部長
CLM(最高育成責任者)
河合 司真子(かわい・しまこ)
<調査概要>
- 調査対象者
当社が提供する内定者向け研修の受講者(2025年卒業予定) - 調査時期
2024年10月15日~12月9日 - 調査方法
Web・マークシート記入式でのアンケート調査 - サンプル数
414人 - 属性
(1) 業種
農業 林業 0人(0.0%)
建設業 34人(8.2%)
製造業 39 人(9.4%)
電気・ガス・熱供給・水道業 8人(1.9%情報通信業 129人(31.2%)
運輸業 郵便業 9人(2.2%)
卸売業 小売業 35人(8.5%)
金融業 保険業 17人(4.1%)
不動産業 物品賃貸業 5人(1.2%)
学術研究 専門・技術サービス業 11人(2.7%
宿泊業 飲食サービス業 0人(0.0%)
生活関連サービス業 娯楽業 7人(1.7%)
教育 学習支援業 0人(0.0%)
医療 福祉 3人(0.7%)
複合サービス事業 3人(0.7%)
サービス業 他に分類されないもの 30人(7.2%)
公務 2人(0.5%)
その他 76人(18.4%)
わからない 4人(1.0%)
(2) 企業規模
1~50人 41人(9.9%)
51~100人 81人(19.6%)
101~300人 199人(48.1%)
301~1,000人 61人(14.7%)
1,001~5,000人 3人(0.7%)
5,001人~ 0人(0.0%)
わからない 29人(7.0%)
*各設問において読み取り時にエラーおよびブランクと判断されたものは、欠損データとして分析の対象外としています
*構成比などの数値は小数点以下第二位を四捨五入しているため、合計値が100%とならない場合がございます
◆本リリースの詳細は、こちらをご覧ください。
(ALL DIFFERENT株式会社 /1月27日発表・同社プレスリリースより転載)