削減された残業手当を従業員に還元? 企業に求められる施策とは
働き方改革の重要性が叫ばれる中、従業員の残業時間削減に取り組む企業が増えている。しかし、残業が減ることでこれまで受け取っていた残業手当が少なくなってしまうことに、不安を感じる従業員は少なくない。
こうした声を受け、残業時間の減少によって削減された人件費を、社員に還元しようという動きが活発化している。株式会社はるやまホールディングスでは、今年4月から「NO残業手当」を開始。月間の残業時間がゼロの正社員に対して、15,000円を一律支給している。残業しても、実働残業手当が月間15,000円未満であれば、残業手当分を差し引いて支給するという。また、株式会社インテリジェンス ビジネスソリューションズでは5月から、残業ゼロの社員に対して20時間相当の残業代を支払うインセンティブ制度を開始した。
こうした制度により、従業員たちが意欲的に残業時間削減に取り組むようになることが期待できるが、実労働時間が減ることで、会社の利益が下がってしまったのでは本末転倒だ。企業には、残業時間削減に向けた制度の導入と並行して、生産性向上に向けた取り組みにも注力することが求められる。
(『日本の人事部』編集部)