ミッション・ビジョン・バリューとは、それぞれの違い
ミッションとともに策定されることが多いのが、「ビジョン(Vision)」と「バリュー(Value)」です。ミッションと合わせて「MVV」と略されることもあります。これら三つの関係はどのようになるのでしょうか。
企業はミッションに基づいてビジョンを策定し、ビジョン実現のための具体的な価値基準としてバリューを定めます。ミッション、ビジョン、バリューすべてを策定することで、組織としての一体感がより醸成され、一人ひとりの取るべき行動が明確になります。また、顧客などの第三者に対して、客観的に自社の存在価値を伝えやすくなります。
オーストリアの経営学者であるピーター・ドラッカーは、著書『Managing in the Next Society(邦題:ネクスト・ソサエティ)』の中で、「これからの企業は、ミッション、ビジョン、バリューを定め、組織全体で明確な存在意義や価値観を共有できている状態が望ましい」と述べています。
ビジョンとは
ビジョン(Vision)は、「展望」や「理想像」などと訳され、ビジネスシーンでは「会社が目指すべき理想の姿」を表します。ミッションが「Why(なぜそれをやるのか)」にあたるのに対し、ビジョンは「What(なにを目指すのか)」にあたり、より具体的なありたい姿や目標を示します。ミッションが永続的な理想を掲げるのに対し、ビジョンは達成することを前提としているため、段階に応じて新たなビジョンへとアップデートされていきます。
企業のビジョン例
楽天グループ株式会社
グローバルイノベーションカンパニー
キリンホールディングス株式会社
食から医にわたる領域で価値を創造し、世界のCSV先進企業となる
バリューとは
バリュー(Value)は、「価値」や「価値観」と訳される、「会社が大切にする価値観や行動指針」です。「How(どのように目指すのか)」にあたり、ミッションやビジョンを受けて、組織やメンバーに具体的な価値観や行動基準を示します。従業員に対する評価基準としてバリューの一致を掲げる企業もあります。
企業のバリュー例
楽天グループ株式会社
楽天主義
ブランドコンセプト:大義名分/品性高潔/用意周到/信念不抜/一致団結
成功のコンセプト:常に改善、常に前進/ Professionalismの徹底/仮説→実行→検証→仕組化/顧客満足の最大化/スピード!!スピード!!スピード!!
キリンホールディングス株式会社
熱意・誠意・多様性〈Passion. Integrity. Diversity.〉
ミッション
ミッション・ビジョン・バリューとは、それぞれの違い
ミッション、経営理念、パーパス、クレド、目標の違い
企業にとってミッションが必要な理由
ビジネスにおけるミッションの考え方
ミッションの浸透方法
ミッションについて参考になる企業事例
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