東証プライム上場企業の2023年
夏季賞与・一時金(ボーナス)の妥結水準調査
全産業118社ベースで79万4008円、対前年同期比1.5%増
22年夏季に続きプラスとなるものの、増加幅は縮小
労務行政研究所
民間調査機関の一般財団法人 労務行政研究所(理事長:猪股 宏)では、東証プライム上場企業を対象に、今年の賃上げと同時期に交渉・妥結した夏季賞与・一時金について調査し、支給水準は118社、支給月数は121社の結果を集計した(2023年4月12日現在)。
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2023年夏季賞与・一時金の支給水準
東証プライム上場企業の全産業ベース(118社、単純平均)で79万4008円、対前年同期比で1.5%増となった。産業別に見ると、製造業は同2.3%増、非製造業は同1.9%減と傾向が分かれる(下表および[図表1])。 -
妥結額の推移
各年4月時点の集計で見た夏季一時金妥結額は、2019年の74万3588円(対前年同期比0.7%増)まで増加傾向にあったが、コロナ禍の影響で2021年は71万397円(同2.5%減)と減少した(2020年は集計未実施)。その後、2022年には76万5888円(同6.5%増)と大幅な増加に転じ、引き続き2023年も79万4008円(同1.5%増)と対前年同期比プラスを維持したものの、増加幅は縮小した[図表2~3]。 -
支給月数の水準
全産業121社の平均で2.48カ月。同一企業で見た場合、前年同期(2.46カ月)を0.02カ月上回った。最高月数は3.73カ月と前年同期(4.09カ月)を下回り、最低月数は1.50カ月で前年同期(1.50カ月)と同じである[図表4]。
[1]2023年夏季賞与・一時金の支給水準
2023年春季交渉時に決まった夏季賞与・一時金の支給水準は、東証プライム上場企業の全産業ベース(118社、単純平均)で79万4008円、同一企業で見た前年の妥結実績(78万2652円)と比較すると、金額で1万1356円増、対前年同期比で1.5%増となった[図表1]。
[2]夏季賞与・一時金妥結額の推移
妥結額の推移を見ると、2019年(74万3588円、対前年同月比0.7%増)まではおおむね増加傾向にあったが、2021年はコロナ禍で71万397円、同2.5%減とマイナスに転じた(2020年は集計未実施)。翌2022年には76万5888円、同6.5%と大幅な増加となり、2023年も79万4008円、同1.5%増とプラスは維持したものの、増加幅は縮小している。[図表2~3]。
[3]2023年夏季賞与・一時金の支給月数
支給月数は、集計社数121社の平均で2.48カ月となり、同一企業で見た場合の前年同期(2.46カ月)を0.02カ月上回るものの、ほぼ横ばいである[図表4]。なお、個別企業における月数の最高は3.73カ月(前年同期4.09カ月)、最低は1.50カ月(同1.50カ月)となっている。
産業別に見ると、製造業の平均支給月数は2.61カ月と前年同期の2.57カ月から微増しており、非製造業は1.95カ月(同1.95カ月)と同水準であった。
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調査対象
東証プライム上場企業(2023年3月31日現在で1834社)のうち、原則として労働組合が主要な単産に加盟している企業。持ち株会社が東証プライム市場に上場している場合、その主要子会社は調査対象とした。なお、図表中の「商業」は卸売業、小売業。「情報・通信」には、IT関係のほか、新聞、出版、放送を含む。[図表1、4]の業種分類は、東洋経済新報社『会社四季報』をベースとしている -
集計社数
2023年春季交渉と同時期に2023年の夏季賞与・一時金を決定している企業(組合)で、当研究所が結果を把握した118社(月数集計は121社) -
集計対象範囲
「2023年夏季」「2022年夏季」「2022年年末」の3者の金額または月数が把握できた企業。原則、組合員1人当たり平均(一部の年齢ポイント、標準労働者、全従業員平均による妥結額・月数も集計に含む) -
集計方法
単純平均(=各社の1人当たり平均を単純に足し上げ、集計社数で除した) -
調査時期
2023年3月15日~4月12日
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