パート・アルバイトの経営理念への共感と定着の関係性
アイデム人と仕事研究所
鈴木 優子
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愛社精神は定着につながる
ここまでで、経営理念に共感していると愛社精神を持っている場合が多いことがわかりました。では、愛社精神は定着につながるのか、関係性をみてみます。
愛社精神の有無と勤続についての考えの関係性が下記の図3です。愛社精神を持っているパート・アルバイトでは、現在の勤務先でできるだけ長く勤めたいと考えている割合が78.3%です。反対に、愛社精神を持っていないパート・アルバイトで長く勤めたいと考えている割合は43.6%で、34.7ポイントの差があります。
このことから、愛社精神を持っている方が、勤続意欲が高く定着しやすい可能性があることが考えられます。
教育が経営理念の浸透への鍵
経営理念が浸透し、愛社精神を持てば、定着の可能性が上がると考えられます。では、どのように経営理念を浸透させればよいのでしょうか。アンケートの結果にヒントがあります。
図4は、経営理念への共感度と、「どのように経営理念を知ったか」の関係性がわかるグラフです。経営理念に共感しているパート・アルバイトの70.4%が「入社時や勤務中に教育された」と回答しています。一方、経営理念に共感していないパート・アルバイトでは、教育で知った割合が46.6%、教育外で知った割合が44.6%となっています。経営理念を浸透させるには、教育や研修の場でしっかりと時間を取って伝えることが必要であると考えられます。
大事だとは思いつつも、実務に時間を取られがちで、なかなかできないパート・アルバイトへの経営理念の浸透。今一度、重要性を認識して、時間を取って教育して浸透させることで、パフォーマンスの向上や定着率アップにつながるかもしれません。
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●文/鈴木 優子(すずき ゆうこ)
アイデム人と仕事研究所 研究員。大学卒業後、出版社の営業・編集、編集プロダクション勤務を経て、2004年に株式会社アイデム入社。同社がWebで発信するビジネスやマネジメントなどに役立つ情報記事の編集業務に従事する。人事労務関連ニュースなどの記事作成や数多くの企業ならびに働く人を取材。
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