独身寮の運営に関する最新実態
独身寮の使用料は社有1万1302円、借り上げ1万2181円

4 食事の提供、光熱費・水道料の負担状況

「食事の提供の有無」[図表11]
社有では「食事の提供あり」が4割、借り上げでは「食事の提供なし」が8割台

社有では「食事の提供あり」が40.4％と、「食事の提供なし」38.5％を若干上回っている。一方、借り上げでは「食事の提供あり」は6.7％にとどまり、「食事の提供なし」が84.0％と8割超となっている。

なお、「食事の提供あり」の企業では、食費を使用料とは別途設定しているところがほとんどである。「食事の提供あり」または「寮により異なる」と回答したのは社有で64社、借り上げで19社であったが、そのうち使用料に食費を含めて設定していたのは社有で3社、借り上げで1社にとどまった。

【図表11】食事の提供の有無

食費の水準[図表12〜13]
朝食・夕食別に決めている場合、平均は社有で朝食211円、夕食433円、借り上げで同215円、439円

食費を使用料とは別に設定している場合、その決め方は “朝食・夕食別” がほとんどであり、“1カ月当たり定額” としている企業は社有で2社のみ（借り上げは0社）と少なかった。ここでは、一般的な決め方と考えられる “朝食・夕食別” の場合について食費の水準を見ていこう。

社有では、平均で朝食211円、夕食433円、朝・夕食の合計639円となった（夕食のみ提供している企業もあり、「朝・夕食の合計」は両方とも提供しているケースに限定して集計した。借り上げについても同様）。朝食は「200円台」、夕食は「400円台」に、それぞれ約半数となる51.4％が分布。朝・夕食の合計では、「700円台」（28.6％）が最も多く、次いで「500円台」「600円台」（いずれも25.7％）となり、500〜700円台に8割が集中している[図表13]。

一方、借り上げでは、平均で朝食215円、夕食439円、朝・夕食の合計643円となった。朝食は「200円台」が最多で87.5％、夕食は「300円台」「400円台」「500円台」がそれぞれ33.3％で並んだ。朝・夕食の合計では、「600円台」37.5％が最も多く、600〜700円台で6割以上を占める。なお、借り上げは集計（回答）社数が8社と社有と比べて格段に少ないため、[図表13]のようにグラフでは表していない。

ちなみに、“1カ月当たり定額” で決めているのは社有で2社のみあり、その金額は1万2000円（“朝食・夕食別” に決めている場合の朝・夕食合計金額の18.8日分）、1万5000円（同23.5日分）であった（[図表12]の脚注参照）。

【図表12】食事の水準（朝食・夕食別に決めている場合）

【図表13】社有寮の食費の分布（朝・夕食の合計）

光熱費・水道料の入居者負担状況[図表14〜15]
社有・借り上げともに、入居者の「負担あり」が多い

寮の個室化とともに、エアコン、テレビ、パソコンといった機器を使用するケースが一般的になっている。また、独身寮の運営自体にコストが掛かるため、企業としてはできるだけ経費の節減に努めたいところである。そこで、光熱費・水道料を入居者にも負担させているかどうかを尋ねた。

まず社有の場合、入居者の「負担あり」が光熱費は63.5％、水道料は49.0％である。水道料に比べて光熱費はコストが高く、季節による変動も大きいため、入居者にも負担を求める企業が多いものとみられる。また、「使用料に含む」とするところもそれぞれ1割台となっている。

借り上げの場合は、光熱費で82.4％、水道料でも77.3％が、入居者の「負担あり」としている。民間のアパート・マンションなどを借り上げている場合は、各部屋にメーターが設置されており、個人ごとの使用料の把握が容易であるためと考えられる。実際、「負担あり」で具体的内容に記述のあったものでは “実費” “全額個人負担” “個人で契約” といった内容が多く見られた。

本調査では、別途冷暖房費の負担状況についても尋ねたが、光熱費との区別がない寮も多いと考えられることから集計は割愛した。なお、具体的な回答として、夏季にはエアコン代として1000〜1500円を徴収するというものが見られる。詳しくは後掲[会社別一覧]を参照いただきたい。

【図表14】光熱費・水道料の入居者負担状況

【図表15】光熱費・水道料の入居者負担状況