スター社員
スター社員とは?
「スター社員」とは、企業内で突出して高い成績を上げている社員のこと。ハーバード・ビジネス・スクール教授で経営学者のボリス・グロイスバーグ氏などの研究によれば、「卓越した成果を上げ、内外からのビジビリティ(認知度)が高い人物」と定義されています。つまりスター社員とは、組織や業界の内外で「あの人は素晴らしい」と判断されている人のことを指します。
人事はスター社員をどう扱うべきか
特別扱いと周囲へのハレーション
そもそも企業における「優秀さ」とは何でしょう。スター社員を研究している神戸大学 大学院経営学研究科 准教授の服部泰宏さんによると、組織には「上司の評価」と「社内の評判」という二つの優秀さがあるといいます。どんどん昇進していく人は、評価だけでなく、評判も加味されているのです。
服部さんは優秀さを分析するファクターとして、「人的資本(その人が何を知っているか)」「社会関係資本(誰とつながっているか)」「心理的資本(心の「しなやかさ」を持っているか)」の三つを挙げています。「上司の評価」が良い社員は「人的資本」と「社会的資本」が評価されており、「社内の評判」が良い社員は「心理的資本」が重要だという結果が出ました。
スター社員は時折、特別待遇となることがあります。それは最年少昇進であったり、巨大なプロジェクトへのアサインであったりしますが、そのような扱いをしなければ、優秀さゆえ他社に引き抜かれてしまうかもしれないからです。
スター社員への特別待遇をしつつも、周囲に嫉妬のようなネガティブな感情を抱かせないためにはどうすればよいのでしょうか。特別待遇というベネフィットだけでなく、特別扱いとともにスター社員が引き受けているリスク(例えば、年収は倍だが、成果がなければ解雇されるなど)を知ってもらったり、特定の部署から距離を置いたりすることで、社内のハレーションを抑えることができます。人事担当者はスター社員を見いだすために、何を優秀とするのかをよく考え、きちんと活躍してもらえる土壌をつくることが大切です。
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