リモートワークビザ
リモートワークビザとは?
「リモートワークビザ」とは、リモートワークで他国に拠点のある企業に働いている外国人に対して、自国に居住することを認めるビザ(査証)のこと。コロナ禍によって世界的にリモートワークが進み、一部の国では自国内にある企業に就労していない人に対してもビザを発給する動きがみられ始めています。2021年12月時点で、アイスランド、エストニア、クロアチア、ジョージア、UAE(アラブ首長国連邦)などでリモートワークビザが導入されています。
リモートワークビザで
国境を越えた労働が可能に
2021年3月、アラブ首長国連邦(UAE)政府は、新しく「リモートワークビザ」を導入することを発表しました。それまではUAEで外国人が居住するには、同国に所在する企業に雇用されるか、同国内に企業を保有している必要がありました。リモートワークビザを取得すれば、UAEに居住しながら、リモートワークで日本やアメリカに拠点のある企業に勤めたり、日本の会社を経営したりすることができるようになります。
月3500ドル以上の収入があることが申請の条件となっており、申請が認められれば1年間の居住が可能になります。リモートワークビザを取得すれば、家を借りることや銀行口座を開くことが可能になり、新型コロナウイルスのワクチン接種も受けられます。
リモートワークビザを発給する国側のメリットは、自国内の生活者が増えることで、消費が増加し経済が活発になること。さらに高所得者が増えれば、投資が広がり経済回復につながることも期待されます。リモートワークを行う労働者のメリットは、これまで居住に必要だった「国内の企業に雇用される」という条件が緩和されたことにより、現在の職を維持したまま低リスクで移住できる点などが挙げられます。
日本では、2022年1月にヤフーが社員の居住地制限を撤廃する新しい人事制度を発表し、話題となりました(日本国内のみという条件はあり)。今後、フルリモートでの就労を希望する人にとって、住む場所を柔軟に選べることが企業選びの重要なポイントになるかもしれません。
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