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森下仁丹の「第四新卒採用」とは
森下仁丹株式会社 専務取締役 事業統括担当 兼 ヘルスケア事業本部長
森下雄司さん
現場の人間が当事者意識を持って採用に臨む
今回の取り組み全体を通じて、苦労した点はありましたか。
やはり、エントリーされた方を絞り込んでいくことですね。一緒に仕事がしたいと思える方が、本当にたくさんいらっしゃいました。他の採用と違うと感じたところは、応募者の皆さんの熱量です。新卒や若手の採用でも、それぞれの思いがあることに変わりありませんが、まだまだ他に可能性があると考える30歳前後の方と、これがラストチャンスだと考える40代の方の転職では、挑む姿勢も全く違ってきますよね。
ご経歴も多様ですし、エントリーされた方一人ひとりに濃密なストーリーが存在します。面接では、そのストーリーや熱意を受け止めながら、それぞれの人生から得られた経験や価値観を引き出していく必要がありました。面接にあたる私たちも当然本気で臨むので、毎日面接が終わると、クタクタになっていましたね(笑)。面接を通じて、私たちも成長することができました。残念ながら採用に至らなかった方との対話の中でも、自社の課題が改めて見えてきたり、思いもしない気づきを得られたりしましたから。
採用活動を行う企業では、現場社員が忙しく、採用活動に協力できないという悩みもよく聞かれます。
なぜ、会社が採用に時間をかけさせないのでしょうか。不思議に感じます。やるべきことがたくさんあるというのは理解できます。しかし採用も社員の育成も、会社の明日の行方を決める大切な活動です。そこをないがしろにしてしまうのは、あってはいけないことだと思います。今回の採用では、10名ほどいる各部門の責任者が中心となって進めましたが、最優先事項として捉えていました。面接日が決まれば、他の予定はすべて変更かキャンセルです。
みんな必死なんです。そうでもなければ、私たちくらいの会社は残っていけない。今のまま会社がずっと続いていくことはありません。常に変化し、新しいものを世に送り続ける。それを止めてしまえば、たちまち減衰してしまいます。普段の仕事も、一日に5分でも10分でもいいので、新しいことにつなげる積み重ねが大切だと考えています。
上層部が勝手に新しい人材を連れて来ても、新しい動きが起こるはずはありません。ですから今回の採用では、現場の人間が採用にしっかりと関わりました。当事者意識を持って取り組まなければ、関心を持っていただいた方、エントリーいただいた方、採用された方、全ての方々に失礼にあたると思います。半端な気持ちなら、第四新卒採用などするべきではないと、その部分も含めて部門責任者たちとは議論を重ねました。
第四新卒採用は、今後も継続的に行う予定ですか。
第四新卒採用は、今後も継続的に行う予定ですか。
いえ。採用活動自体は継続しますが、今回のように大々的な実施は予定していません。まずは、今回入社した10名の社員に活躍してもらい、次の世代をしっかりと育てていくことで結果を出していきたい。「そういえば2017年ごろから変わったよね」と、この採用がなければ実現しなかった変化の積み重ねが起こることを期待しています。
改めて今回の採用では、多くの方々が森下仁丹にアクションを起こされたことを本当にありがたく思っています。もしかしたら今回はご縁のなかった方が、これを機に他の企業に転職されたり、次のステージに進まれたりしたかもしれません。また入社したメンバーが結果を出せば、同じ世代である40代、50代の方が新たな一歩を踏み出す気持ちになるかもしれない。結果的に、ニッポンも変わればいいなと思います。