大和証券キャピタル・マーケッツ株式会社
経営企画部 人事課 次長 中川隆弘さん、人事課 南 泰介さん
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中国語ができる人材を育成する上での課題と今後の展開
グローバル人材に関して言うと、外国人の採用の状況はいかがですか。
中川: 新卒採用の中で、外国人及び海外での生活経験のある人の採用を積極的に行っています。今年度の採用に関して言えば20%が該当し、中国人も多く含まれています。日本に留学している人も数多く存在しています。研修を行うことで会社としての中国語レベルを引き上げるのと並行して、中国語のできる人材の新卒採用を増やしているわけです。日本の大学への留学生も多くおり、彼らは日本語はもちろん英語も堪能で、とても優秀な人材です。そういった採用をするのには理由があります。海外で仕事をしていく上で、ネックとなってくるひとつに日本とその土地の文化の違いがあります。彼らにはその「文化の壁」というものがありません。そこで外国人を採用して、当社の文化、組織風土を理解してもらい、将来的にはグローバルに活躍してもらうことも含めた活用を考えています。
海外での生活経験のない社員において言えば、文化の壁はある程度仕方がないとしても、せめて言葉の壁はなくしたいと思い、研修を行っています。
今後は、どの程度までステップアップを考えていますか。
中川: コストのかかる話ですから、費用対効果を考えなくてはいけません。例えば、今の研修が中国語のネイティブレベルを100~200人育成することとリンクすればいいのでしょうが、それはまだ分かりませんし、少なくとも現在はそこまで考えていません。組織として、最低限のレベルの中国語のできる人材の母集団を増やすこと、この点がポイントだと考えています。
実際に、仕事で使うような場面は出てきましたか。
中川: まだ、そこまでは行っていません。英語が中心です。ただ近い将来、中国が世界で今以上の経済大国となったとき、社内に中国語のできる人材がどれだけ育成できているかが、ビジネスを大きく左右します。そのためにも、今から潜在的な中国語人材を育成していかなければなりません。というのも、語学に関しては、ビジネスレベルで使えるような人材を急に育成していくのは難しいからです。
中国語人材の活用について、どのような構想をお持ちですか。
中川: 将来的には、語学はもちろんのこと、日本と中国の文化双方を理解した人材を、多く育成し、活用していきたい。しかし、現時点では、それほど人材を育成できているわけではありません。我々の今後の課題は、こうした人材をいかに多く育成し、どのように活用するか、ということにあります。
東京本社から送る人材も増えているのですが、まだ大きな数ではありません。 とはいえ、日本で採用し、育成した人材を中国で活用していくほうが、企業理念の理解・体現という意味でもいいと思っています。そして、仕事は現地でやらなければ覚えませんから、日本で身に付けるべきことをきちんと学んだ上で、現地に行ってもらおうと考えています。
経営を取り巻く環境は厳しいのですが、語学に関しては、これまで通り、高い水準で手間暇とコストをかけることが当然と考えています。
最近、新卒者で海外に行きたがらないというケースも聞きますが…。
中川: 当社では、そうしたことはありません。当社の目標は、アジアを代表する投資銀行としてのステータスの獲得ですので、興味を持っているという人がほとんどです。何より当社は、海外に出ていかないと生き残っていけません。広く海外(とりわけアジア)へと、優秀な人材をさらに送っていきたいと思っていますので、このような経営方針への理解のある人に入社していただいています。
入社3年目で、海外で働いている社員も当たり前のようにいます。元気のある若い人材が、中華圏を含むアジアで活躍する姿が、さらに社員の意欲を引き出し、グローバルに活躍する人材の育成に大きく寄与していることも企業にとってのいい流れとなっています。こうした流れの中で、中国語をはじめとする社員の成長を、会社としてさらに促進すべく、研修内容の拡充を検討しています。
グローバル展開を進める企業にとって、その踏み出すべき最初の第一歩が、必要最低限の語学の習得であるというわけですね。
中川: その通りです。今後、中国でビジネスを進めていくには、いろいろな階段があります。その一つ目の階段が、語学です。まず、この一歩を踏み出せないと、次の階段には上れません。ですから、最初の一つ目の階段は、できるだけ多くの社員に上ってほしいと考えています。そのためにも、まずは我々人事が中心となって動かなければ、何も始まりません。まさに、このような研修が、人事に求められてきているのではないでしょうか。
本日はお忙しい中、貴重なお話を伺うことができました。ありがとうございました。
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