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2019年度 新入社員の初任給調査
~東証1部上場企業241社の速報集計。35.7%が初任給を「全学歴引き上げ」~

民間調査機関の一般財団法人 労務行政研究所(理事長:猪股 宏、東京都品川区西五反田3-6-21)では、今年4月の新卒入社者の初任給を調査し、 4月9日までにデータの得られた東証1部上場企業241 社について速報集計をまとめた。
調査では、 35.7%の企業が2019年度の初任給を「全学歴引き上げ」た結果となった。「全学歴引き上げ」 の割合は、昨18年度速報集計時の39.7%から4.0ポイント低下した。一方、初任給を前年度と同額に「全学歴据え置き」した企業は57.3%で、昨年度速報集計時の52.3%から 5.0 ポイント上昇した。
初任給額は、大学卒で21 万2304円、高校卒で17万505 円の水準。同一企業で見た前年度の金額に比べ、それぞれ1479円・0.7%、1495円・0.9%上昇した。

<調査結果のポイント>

1.初任給の改定状況「全学歴引き上げ」35.7%、「全学歴据え置き」57.3%。「全学歴引き上げ」は、昨年度の速報集計時に比べて4.0ポイント低下[図表1]

2.初任給の水準大学卒(一律設定)21万2304円、大学院卒修士22万9951円、短大卒18万2184円、高校卒(一律設定)17万505円[図表3]

3.大学卒に見る上昇額の分布「引き上げ」が42.1%。引き上げた場合は「1000円台」が44.0%で多く、「2000円台」13.3%と合わせると1000~2000円台が過半数を占める。引き上げた場合の平均上昇額は3511円[図表4]

【調査要領】

1.調査項目:
2019年度の賃金見直しによって確定された2019年4月入社者の決定初任給(学歴別)。なお、初任給は原則として時間外手当と通勤手当を除く、諸手当込みの所定内賃金である。

2.調査時期・方法:
3月下旬に調査票を発送、併せて電話による取材も行い、4月9日までに回答のあった分を集計。

3.調査・集計対象:
3月下旬に調査票を発送、併せて電話による取材も行い、4月9日までに回答のあった分を集計。

1.初任給の改定状況[図表 1]

2019年度の初任給を前年度から「全学歴引き上げ」た企業が35.7%と、昨18年度速報集計時の 39.7%から 4.0ポイント低下した。産業別に見ると、製造業は46.9%の企業が引き上げたのに対し、非製造業は22.5%と 2割台前半にとどまり、24.4ポイントの差が見られた。

【図表1】初任給の改定状況
【図表1】初任給の改定状況

[注]「据え置き」の内訳(全学歴・一部)の[ ]内は、据え置き企業を100.0として算出した割合。

2.初任給の引き上げ率の推移[図表 2]

リーマンショックの影響を受け世界的不況に陥った09 年度は、前年度の32.7%から大きく低下し 6.4%となり、13 年までは 1割未満の低い割合が続いた。14 年度は、輸出産業を中心とする企業業績の回復、デフレ脱却 に向けた賃上げの政労使合意などを背景に23.2%と、13 年度の 4.2%から 19.0 ポイント上昇。賃上げ基調が続いた15 年度はさらに上昇して39.9%となった。16 年度は 33.9%、17 年度は29.4%と、引き上げ率は30 % 前後であったが、18 年度は再び大きく上昇し、39.7%となった。19 年度は 35.7%と若干低下し、16 年度をやや上回る引き上げ率となっている。

【図表2】引き上げ率の推移
【図表2】引き上げ率の推移

[注]11年度を除き、速報集計時のもの。11年度は速報集計を行わなかったため、最終集計時のもの。

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【用語解説 人事辞典】
統計的差別