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【ヨミ】トウケイテキサベツ

統計的差別

「統計的差別」とは、侮蔑的な意図からではなく、過去の統計データに基づいた合理的判断から結果的に生じる差別のことです。労働者個々の能力を正確に把握できなくても、企業は過去の統計に基づき、労働者の業績と性別・年齢・学歴などの属性との関係について平均的な傾向がつかめるので、属性間で業績に明らかな違いがあれば、より業績のいい属性を持つ労働者を厚遇しようとします。このように経済合理性を求めて行動すると、結果として差別が生じる状況を「統計的差別」と呼びます。
(2014/7/14掲載)

ケーススタディ

ガラスの天井も学歴差別も合理的な判断
統計をうのみにせず、個人に正当な評価を

統計的差別」の典型的な例としてよく挙げられるのが、男女間の雇用格差の問題です。意欲も能力もあるのに、男性には当たり前に与えられているキャリアアップの機会が、女性には同等に与えられていないという差別――いわゆる「グラスシーリング」(ガラスの天井)についても、その原因は、伝統的なサラリーマン社会の女性蔑視の風潮などより、むしろ統計的差別の理論によって説明できる部分が大きいといわれます。

女性を対象とした過去のさまざまな意識調査などの結果から、「6割の女性が出産を機に仕事を辞める」「女性の三人に一人は専業主婦になることを望んでいる」といった統計データが導き出されています。統計的に女性は男性より勤続年数が短く、離職率が高いと分かっていれば、企業が経済合理的に効率を追求して行動するかぎり、女性への積極的な投資は控えざるを得ません。これが過去のデータを根拠とした合理的判断から、結果的に生じる統計的差別です。

同じことが、学歴差別についてもいえます。企業の採用担当者が過去のデータを選考の根拠として重視する場合、例えば△△大学出身者より〇〇大学出身者のほうが入社後の業績が平均的に良かったという傾向が統計から顕著に表れていれば、一人ひとりの人材の意欲や能力は見極められなくても、〇〇大学の卒業生というだけで積極的に採ろうとするでしょう。それが会社の利益にかなうと考えるからで、△△大学が「嫌い」「劣っている」という気持ちはなくても、結果的に差別が生まれてしまうのです。

統計的差別によって不利を被る集団に属する人材は、その個人の能力や意識は高くても、属する集団の平均的傾向のせいでネガティブに評価され、正しく遇されていない可能性が高いといえます。能力開花の機会も与えられないまま、優れた人材が「この会社にいても仕方ない」と考えて離職したりすれば、本人にとってはもちろん、企業にとっても大きな損失となるのは間違いありません。

「どうせ辞めるだろう」と、離職率を根拠に女性への統計的差別を続けることが、実際の離職率の高さを助長しているのだという声もあります。こうした現象を、社会学では「予言の自己成就」と言います。「6割の女性が出産を機に仕事を辞める」「女性の三人に一人は専業主婦になることを望んでいる」といったデータをうのみにして、それを前提に女性を処遇することで、企業は大切な人材を失ってしまっているのです。

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