日本経済団体連合会、2015年3月卒『新規学卒者決定初任給調査結果』
~「前年の初任給から引き上げた」とする企業の割合は6割弱(57.9%)
半数を超えたのは、1998年調査(64.9%)以来17年ぶり~
一般社団法人 日本経済団体連合会は、経団連企業会員及び地方別経済団体、業種別全国団体会員企業273社の「ワーク・ライフ・バランスへの取組状況」についての事例集・アンケート調査結果を発表しました。
Ⅰ.調査の基本事項
調査目的:新規学卒者の初任給の実態と動向を把握し、今後の初任給対策の参考とするために1952年より毎年実施(東京経営者協会との共同調査)
調査対象:経団連企業会員および東京経営者協会会員企業1,906社
調査時期:2015年5月29日~6月26日
回答状況:集計企業数488社(有効回答率25.6%)
(製造業49.6%、非製造業50.4% 従業員500人以上規模78.9%)
Ⅱ.調査結果の概要
1. 初任給の決定状況 ―全産業―
「前年の初任給から引き上げた」とする企業の割合は6割弱(57.9%)にのぼり、2013年(9.1%)から大幅に増加した2014年(42.5%)をさらに上回った。初任給を引き上げた企業のうち、「賃金改定後引き上げた」が大勢を占め、春季労使交渉においてベースアップ等を行ったことが反映された結果となった。
初任給を引き上げた企業の割合が半数を超えたのは、1998年調査(64.9%)以来17年ぶりである。
2. 初任給決定にあたって最も考慮した判断要因 ―全産業―
この項目の調査を開始した2007年以降、「世間相場」(29.3%)の回答が最も多い。「在籍者とのバランスや新卒者の職務価値」(19.7%)が続く傾向に変化はないが、割合が昨年比3.6%ポイントの減少となった。
一方、月例賃金の水準引上げを行った企業が増えていることを背景に、「賃金交渉の結果、その配分で決めた」企業が15.8%と2014年に続き増加したほか、「人材を確保する観点から決めた」企業(14.3%)も同様の傾向である。
3. 学歴別初任給水準と引上げ率 ―全産業―
学歴別の初任給の引上げ額は、1,276円~2,229円(2014年調査592円~1,228円)と、すべての学歴で1,000円超となり、なかでも大学院卒(事務系・技術系とも)、大学卒(事務系)では2,000円を超える引上げ額となった。この結果、大学卒の初任給額が、事務系・技術系いずれも本調査開始以来、初めて21万円台となった。
対前年引上げ率は、大幅な上昇となった2014年に引き続き、0.77%(高校卒現業系)~1.01%(高校卒事務系)と、多くの学歴で1%前後の高い伸びとなった。これは、初任給を据え置く企業が増加した結果、すべての学歴において1%未満となった1995年以降で、最も高い水準である。
4. 学歴・規模別の初任給
大学院(修士)卒(技術系)では「3,000 人以上」規模の初任給が最も高いが、その他の学歴では「100 人未満」規模が最も高くなっている。また、短大卒(事務系)、高校卒(事務系)、高校卒(現業系)では、「500 人以上」(「3,000人以上」「1,000~2,999人」「500~999人」のいずれか)規模と比べ、「500 人未満」(「300~499人」「100~299人」「100人未満」のいずれか)規模が概ね高い傾向にある。
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(一般社団法人日本経済団体連合会 http://www.keidanren.or.jp/ /9月30日発表・同連合プレスリリースより転載)