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【ヨミ】レンケツピン 連結ピン

「連結ピン」とは、米国の組織心理学者R.リッカートが提唱した組織とリーダーシップの関係に関する概念です。リッカートは、人と人、人と組織、組織と組織を有効に結びつけ、コミュニケーションを円滑化する“潤滑油”の役割あるいはそうした役割を果たす能力を「連結ピン」と呼び、リーダーやマネジメント層には連結ピンとしての機能が求められるとしています。

連結ピンのケーススタディ

組織間を有効につなぐのがミドルの役割
上下の“パイプ”では子どもの使いと同じ

一般的に企業組織は、トップ・ミドル・ロワーという三つの階層から構成されるものと考えられています。1990年代以降、日本の多くの企業では、意思伝達のトップダウンあるいはボトムアップを迅速化し、激変する経営環境に即応するため、組織のフラット化が進められました。その煽りを最も受けたのはミドル、すなわち担当部署を管理するマネジャーや現場を牽引するリーダーでした。フラット化する組織において、経営=トップと現場=ロワーの中間層に位置するミドルはなくてもいい、削減すべき対象―― 一部にそう軽視する風潮が広まっていったのです。

しかし現実には、単純に中間層を薄くして組織をフラット化するだけで、問題は解決しません。少ない人員で過重な業務負担に追われるミドルが“本来の役割”を果たせなくなれば、その分だけトップとロワー、経営と現場の間のコミュニケーション・ギャップがかえって広がってしまうからです。昨今、社内メールなどを活用し、社員一人ひとりへの直接的な情報発信に心を砕くトップが増えているのも、そうせざるを得ないフラット化の弊害があるからではないでしょうか。

ミドルが果たすべき本来の役割とは何か。それこそが、トップとロワーを有効につなぐ「連結ピン」としての機能にほかなりません。

よく中間管理職はパイプ役といわれますが、重要なのは、「連結ピン」は組織の上下をそのままつなぐ“パイプ”ではないということです。経営は現場の考えや要求を近視眼的と見なし、現場は経営の方針や判断を理想論だと決めつける――すべての組織には大なり小なり、そうした対立の構造があるものです。にもかかわらずトップの言葉を、パイプのようにそのまま現場に届ければどうなるでしょうか。「経営には現場が見えていない。こんな目標を押し付けられたら現場はたまらない」といった反発を招くのは必然でしょう。そうした反発に対して反論したり、トップの示した戦略や目標の背景を説明して、現場を説得したりする努力もせず、部下の不満の声もまたそのままトップに“伝言”するだけ…そんな、ただのパイプ役しか果たせないミドルなら、たしかに削減の対象となってもしかたがありません。

トップの意向を具体的な目標に落とし込み、現場から意欲を引き出せるように言葉を選び直して部下に伝える。逆に部下の不満や要求を、経営の視点に沿った「提案」という形に仕立て直してトップに提示する。こうしたすぐれた調整能力こそが、優れたミドルに、そして「連結ピン」としてのリーダーに欠かせない要素なのです。

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