「シン・人事の大研究」調査レポート【第7回】
新卒入社時から人事を担当している人にはハイパフォーマーが多い?
人事パーソンは何を学び、どんなキャリアを描いているのか。自身をどう評価し、どのように変わろうとしているのか――。立教大学 田中聡氏・中原淳氏と『日本の人事部』編集部による「シン・人事の大研究」の調査結果を基に、人事パーソンの実態を明らかにしていきます。
仕事で成果を出している人事パーソンはどんなキャリアを歩んできたのか?
学んだことを活かしてパフォーマンスを発揮する人事パーソンとは、どんな人なのでしょうか。調査結果から、人事パーソンを4タイプに分類しました。
高い成長実感を持っていて、人事評価でも高い評価を得ている人は「ハイパフォーマータイプ」(32.6%)。成長実感が高く、評価は中位以下の人は「成長志向タイプ」(23.7%)。人事評価が高く、成長実感がやや低い人は「成果志向タイプ」(15.9%)。それ以外は「その他タイプ」(27.8%)で、図表のような割合となりました。
では、「新卒入社時から人事」を担当してきた人と、「事業部門から異動して人事」を担当した人とでは、どちらがハイパフォーマータイプの割合が大きいのでしょうか。
ハイパフォーマータイプの出現率をみると、「新卒入社時から人事」は35.7%、「事業部門から異動して人事」は30.3%という結果で、ハイパフォーマータイプが多いのは「新卒入社時から人事」でした。
また、「新卒入社時から人事」の人には「成長志向タイプ」が多く、「事業部門から異動して人事」の人には「成果志向タイプ」が多いこともわかりました。
ちなみに、CHROの方々にキャリアのバックグランドを聞いたところ、「中途入社を経て人事」59.5%、「事業部門から異動して人事」37.8%、「新卒入社時から人事」2.7%でした。役職上位層ほど、他社での人事経験を持つ転職組が多い傾向にあることがわかります。
早すぎる異動、遅すぎる異動は要注意?
人事に異動する前の事業部門での経験年数と、ハイパフォーマー人事の出現率を調べたところ、出現率が高いのは事業部門「未経験」または「3年以上10年未満」の人でした。早すぎる異動または遅すぎる異動は要注意と言えるかもしれません。
第8回のレポートでは、「ハイパフォーマー人事の学びは、何が違うのか」を探ります。
次回もお楽しみに!
実施時期 | 2022年2月1日(火)~ 2月28日(月) |
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調査対象 | 企業で人事関連の仕事(人事、人材開発、組織開発など)に従事している方 ※「人事関連の仕事」とは、ご自身が所属する組織の「人と組織にまつわる業務全般」を指します。所属部署が本社人事部であるか事業部であるかは問いません。採用支援や人事コンサルティングなど、人事担当者に対してサービスを提供する企業に従事されている方は該当しません。 |
調査方法 | Webでのアンケート |
回答者数 | 1,514名 |
全国の人事パーソンを対象に行った大規模調査の結果から、人事パーソンの実状を明らかにしていきます。