フレックスタイム制の労使協定(固定残業代がある場合)
現在フレックスタイム制の従業員に対し、固定残業代を45時間分相当支給しております。
労使協定を締結するにあたり、固定残業代についても記載する必要があるのかをご教示いただければと思います。
雇用契約書は個人ごとに、固定残業代として時給×45時間×1.25の金額を記載しております。
超過時間及び不足時間の取扱いについては、
「清算期間中の実労働時間が所定労働時間を超過したときは、会社は、超過した時間に対して時間外労働割増賃金を支給する。また、不足したときは、その不足時間分の賃金を控除して支払う。」とだけしておけば問題ないのでしょうか。
よろしくお願いいたします。
投稿日:2025/04/28 12:17 ID:QA-0151560
- 米男さん
- 東京都/情報サービス・インターネット関連(企業規模 11~30人)
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プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
回答いたします
フレックスタイム制における協定書につきましては、
以下の事項を定めることとされております。
・対象となる労働者の範囲
・清算期間
・清算期間における総労働時間
・標準となる1日の労働時間
・コアタイム(任意)
・フレキシブルタイム(任意)
よって、固定残業代につきましては必須となる協定事項には該当いたしません
ので、記載がなくともかまいません。
また、超過時間及び不足時間の取扱いにつきましては、
記載いただきました、所定労働時間が何を指すのかは、
良く解釈問題に発展しますので、より具体的に記載をいただければと思います。
投稿日:2025/04/28 14:09 ID:QA-0151567
相談者より
ご回答、ありがとうございます。
固定残業代は、法定内時間外労働・法定時間外労働・深夜労働及び法定休日労働のみなし残業の分として法定時間外労働に換算45時間相当分を支給する。
※実就労時間に基づく残業代がみなし残業代(固定残業代)に満たない場合であっても支給する。
※賃金計算期間における法定内時間外労働・法定時間外労働・深夜労働及び法定休日労働の賃金・割増賃金の合計がみなし残業代を超過した場合は、超過額を支給する。
と記載があれば、問題はございませんでしょうか。
投稿日:2025/05/01 20:23 ID:QA-0151665大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
労使協定に固定残業代の記載 不要
雇用契約書に固定残業代の明確な記載必須(できればもう少し具体的にするのが安全)
ご質問いただきまして、ありがとうございます。
次の通り、ご回答申し上げます。
1.基本的な事項
フレックスタイム制を導入する場合は、労使協定で以下の事項を定めなければなりません(労基法32条の3、施行規則12条の3)。
(1)清算期間(最大3か月)
(2)総労働時間(清算期間内に働くべき時間の総枠)
(3)1日の標準労働時間
(4)コアタイム・フレキシブルタイム(あれば)
→ これらは労使協定で必ず記載が必要ですが、
「固定残業代については、労使協定に記載義務はありません」。
固定残業代制度そのものは、雇用契約書や就業規則できちんと記載されていればOKです。
2.雇用契約書における固定残業代の記載内容
ご提示いただいた内容、
「清算期間中の実労働時間が所定労働時間を超過したときは、会社は、超過した時間に対して時間外労働割増賃金を支給する。また、不足したときは、その不足時間分の賃金を控除して支払う。」
この条文だけだと、固定残業代との関係が少し弱い印象です。
つまり、
「45時間分の固定残業代を支払っているが、それを超えた場合は追加で支払う」
という趣旨が、もう少し明確になっているとベターです。
3.より適切な条文例(修正版)
例えば、雇用契約書ではこんなふうに書くとより明確になります:
・本契約に基づき、時間外労働45時間分に相当する固定残業代(月額〇〇円)を支給する。
・実際の時間外労働時間が45時間を超えた場合は、その超過分について別途割増賃金を支給する。
・なお、45時間に満たない場合であっても固定残業代は全額支給されるものとする。
・清算期間中の実労働時間が所定労働時間に満たない場合、不足分の賃金は別途控除できるものとする。
こうしておくと、
「固定残業代を何時間分としているか」
「超過したらどうするか」
「不足しても固定残業代は減額しない(基本)」
がクリアに伝わるため、労基署チェックやトラブル時にも安心です。
(※最後の控除については、フレックスタイム制特有の「不足分控除(ノーワークノーペイの原則)」を意識して書いています。)
4.結論まとめ
項目 要否
労使協定に固定残業代の記載 不要
雇用契約書に固定残業代の明確な記載必須(できればもう少し具体的にするのが安全)
以上です。よろしくお願いいたします。
投稿日:2025/04/28 14:33 ID:QA-0151571
相談者より
ご回答、ありがとうございます。
固定残業代は、法定内時間外労働・法定時間外労働・深夜労働及び法定休日労働のみなし残業の分として法定時間外労働に換算45時間相当分を支給する。
※実就労時間に基づく残業代がみなし残業代(固定残業代)に満たない場合であっても支給する。
※賃金計算期間における法定内時間外労働・法定時間外労働・深夜労働及び法定休日労働の賃金・割増賃金の合計がみなし残業代を超過した場合は、超過額を支給する。
と記載があれば、問題はございませんでしょうか。
投稿日:2025/05/01 20:24 ID:QA-0151666大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
お答えいたします
ご利用頂き有難うございます。
ご相談の件ですが、フレックスタイムに関わる労使協定の定める内容に関しましては、法令で決められている事項に限られます。
従いまして、示された内容で十分ですし、固定残業代といった会社任意の制度について労使協定に定める必要はございません。
投稿日:2025/04/28 18:53 ID:QA-0151580
相談者より
有難うございました!
投稿日:2025/05/01 20:24 ID:QA-0151667大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
ご回答、ありがとうございます。
固定残業代は、法定内時間外労働・法定時間外労働・深夜労働及び法定休日労働のみなし残業の分として法定時間外労働に換算45時間相当分を支給する。
※実就労時間に基づく残業代がみなし残業代(固定残業代)に満たない場合であっても支給する。
※賃金計算期間における法定内時間外労働・法定時間外労働・深夜労働及び法定休日労働の賃金・割増賃金の合計がみなし残業代を超過した場合は、超過額を支給する。
と記載があれば、問題はございませんでしょうか。
について、ご回答申し上げます。
問題があるかないかは、最終的には所轄の労基署の判断になります。
問題の有無は、所轄の労基署の担当官にご確認されることをお勧め申し上げます。
投稿日:2025/05/02 00:24 ID:QA-0151673
相談者より
有難うございました。
投稿日:2025/05/02 10:16 ID:QA-0151689大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
追加のご質問に回答いたします
追加のご質問に回答させていただきます。
以下のような表現は、かなりの会社でも見られておりますが、
現在は、固定残業代に関する取扱いは厚労省からも公開されており、
何かしら問題が生じた場合は、無効となる可能性が極めて高いものです。
>固定残業代は、法定内時間外労働・法定時間外労働・深夜労働及び
>法定休日労働のみなし残業の分として法定時間外労働に換算45時間相当分を
>支給する。
固定残業代制度を採用する場合は、計算方法や条件を明確に労働条件通知書等
で対象者に明示する必要があるとされており、明確でない部分は無効となる
可能性が高いと言えるでしょう。
よって、仮に法定休日労働のみなしを含める場合は、全体に内包するのは
避けていただき、個別に内訳詳細を明示することがトラブル回避の観点から
も必要です。
×:固定残業代 51,000円(法定外労働・法定休日労働32時間分)
〇:固定残業代 51,000円※
※(法定外労働24時間分:37,500円、法定休日労働8時間分:13,500円)
考え方としては、就業規則や賃金規程に、時間外労働に関する手当と計算式
が規定されているかと思いますので、固定残業代に含める場合は、原則、
その手当単位で、時間と時間相当分の金額を明示する必要がございます。
投稿日:2025/05/02 07:45 ID:QA-0151674
プロフェッショナルからの回答
ご相談内容について回答いたします
1つ目のご相談内容について、固定残業代につきましては、フレックスタイム制の労使協定への記載は不要となります。
なお、フレックスタイム制の労使協定に記載すべき事項は以下の6つとなります。
1、対象となる労働者の範囲
2、清算期間
3、清算期間における総労働時間(清算期間における所定労働時間)
4、標準となる1日の労働時間
5、コアタイム(※任意)
6、フレキシブルタイム(※任意)
また、フレックスタイム制の労使協定にあたっては以下の事項を記載しておくのもおすすめです。
- 休憩時間
- 適用外の時間帯
- 休日の取り扱い
- 遅刻や早退などの取り扱い
- 有効期限
- フレックスタイム制の解除
固定残業代についてフレックスタイム制の労使協定への記載は不要ですが、固定残業代の制度を適用する対象従業員全員に明確に周知する必要があるため、導入する場合には、就業規則に必ず規定しなくてはなりません。フレックスタイム制での導入の場合も同様に就業規則へ規定する必要があります。
就業規則に規定すべき固定残業代制の記載事項は以下のとおりです。
1、固定残業代の金額(計算方法)
2、固定残業の労働時間数
3、固定残業時間を超えた残業の取り扱い(超過部分の残業代を支給する旨の規定)
4、固定残業代が深夜割増残業代や休日割増残業代も含むのであれば、その取り扱い
その上で、個人ごとの雇用契約書に固定残業代が給与に含まれることを記載し、かつ具体的な残業代の金額を記載しておくことが必要となります。
2つ目のご相談内容について、超過時間及び不足時間の取扱いについては、「清算期間中の実労働時間が所定労働時間を超過したときは、会社は、超過した時間に対して時間外労働割増賃金を支給する。また、不足したときは、その不足時間分の賃金を控除して支払う。」と規定しておくことで問題ないと考えます。
特に「不足時間」の取扱いについて、繰越ではなく控除であることを明確にするためにも、この規定を労使協定に盛り込むことがよろしいかと考えます。
投稿日:2025/05/02 14:45 ID:QA-0151732
プロフェッショナルからの回答
ご質問の件
・まず、固定残業代45hというのは、1ヵ月としては限度時間ですが、
1年の限度時間は360hとなりますので、
1ヵ月は30h以内とするのが適正です。
・労使協定では、ご質問の記載では、労使トラブルのリスクが大きくなりますので、
ただし、固定残業時間を超えた時間とするなど記載しておいた方がよろしいでしょう。
・賃金控除についても、
原則としては固定残業代は賃金控除の対象外となりますが、
固定残業代も賃金控除に含む場合には、
就業規則も併せて、
固定残業代の扱いについても記載しておく必要があります。
投稿日:2025/05/06 20:31 ID:QA-0151785
回答に記載されている情報は、念のため、各専門機関などでご確認の上、実践してください。
回答通りに実践して損害などを受けた場合も、『日本の人事部』事務局では一切の責任を負いません。
ご自身の責任により判断し、情報をご利用いただけますようお願いいたします。
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