「社長さん白書2025」を発表
経営者の関心は「人」にシフト、経営者と従業員の価値観のギャップも浮き彫りに
アクサ生命保険株式会社は、全国47都道府県、18,976人の中小企業経営者を対象に実施した意識調査の結果に基づき、「社長さん白書2025」を発表しました。
本調査は、アクサ生命の保険契約にご加入いただいている中小企業の経営者を主な対象として継続的に実施しており、今年で14回目となります。わが国の企業の99.7%を占める中小企業の経営者の本音に耳を傾け、経営リスク対策や福利厚生の課題解決のサポートに活かし、日本の明るい未来に貢献することを目指しています。
今回の調査では、経営資源である「人」に焦点をあて、経営者の抱える心配ごとや人材確保に欠かせない従業員の福利厚生についてお伺いしました。また、今年4月に改正された「育児・介護休業法」など法改正に対する意識調査も実施しました。
<本調査のサマリー>
経営者の関心は「人」へ。従業員が働きやすい職場環境づくりが今後の成長のカギに
■経営資源である「人」への関心が高まる
経営の最重要資源について聞いたところ、「人」と考える経営者が約8割に上りました。現在の経営の心配ごとでは、「組織・人材のマネジメント」と答えた割合が41.3%と高く、2013年調査の22.6%から大きく伸び、売上拡大(41.8%)と同等の関心を集めていることが分かりました。少子高齢化による労働人口の減少や労働市場の変化が影響しているものと思われます。
■人材確保策で「賃上げ」が前年比約4.8倍と急速に進展
人材確保の施策としては「賃上げ」(46.9%)や「現在の福利厚生の充実」(27.6%)などが上位となり、最も多かった「賃上げ」は2024年調査の9.8%から約4.8倍と急速に進展しました。「再雇用、定年延長を導入」、「健康経営優良法人認定取得」という回答もあり、人材の採用・定着に向けた施策に注力する経営者が増えています。
■職場環境の整備に課題
「人」への関心が高まる一方で、職場でのストレスチェックを「既に実施している」あるいは「実施を検討している」は20.9%にとどまり、多くはまだ手探りの状況でした。「育児・介護休業法」についても7割以上が「聞いたことがあるが内容は知らない」あるいは「知らない」と回答し、改正内容の浸透が不足しているようです。
■経営者と従業員に価値観のギャップ
経営者と従業員の価値観にはギャップがあることも明らかになりました。人生において重視することは、経営者は「家族関係」や「仕事の充実度」に回答が集まりましたが、従業員は「精神的なゆとり」や「自由な時間」を求めています。長期的な人材確保に向けて多様化する従業員の価値観を理解する必要がありそうです。
■人材確保のための対策は「賃上げ」と「福利厚生」
人材確保のために実施している対策としては、「賃上げ」が 46.9%と圧倒的に多く回答されました。次いで「現在の福利厚生の充実」が 27.6%となり、ほかには「新たな福利厚生導入の検討」も 12.6%に上り、人材確保対策として福利厚生の充実が注目されています。
■ストレスチェックの実施はいまだ浸透せず、今後の課題に
職場におけるメンタルヘルス不調者の増加を背景に労働安全衛生法が改正され、2025 年 5 月 14 日から 3 年以内に全事業場でストレスチェック実施が義務付けられます。ストレスチェックを「既に実施している・実施を検討している」企業は全体の 20.9%でした。約 8 割の企業は「実施する方法がわからない・これから検討する・未定」と回答しており、今後、経営者は実施に向けた対応が必要になってきます。
■介護離職防止策の現状
ビジネスケアラーの増加を背景として、働きながら家族の介護に従事する従業員を支援するために2025年4月に「育児・介護休業法」が改正されました。内容について「知らない」35.5%、「聞いたことがあるが内容は知らない」40.0%となり、全体の約75%の経営者が十分に理解していない状況が明らかになりました。
従業員の介護離職を防ぐためには、「有給休暇の取得推進」36.2%や「チームでのフォロー体制の構築」31.2%など、体制整備を検討する企業が多いようです。一方で、「特に何も考えていない」も34.5%に上り、今後の対策が急務となってくる企業もありそうです。
■経営者と従業員の価値観のギャップが浮き彫りに
経営者と従業員の間で人生において重視しているものに違いがあることが明らかになりました。両者ともに「健康状況」を最も重視していますが、経営者は「家族関係」57.3%、「仕事の充実度」42.7%、「友人関係」33.1%などの人とのつながりを重視する傾向がみられます。一方、従業員は「精神的なゆとり」49.6%、「自由な時間」43.6%、「家計の状況(所得・消費)」42.7%と“ワークライフバランス”を重視する傾向があることがわかりました。ストレスチェックの実施や仕事と介護の両立支援が人材確保の一助となると考えられます。
<調査概要>
調査期間:2025年3月3日~5月31日
調査方法:ウェブアンケート
調査対象:全国47都道府県の中小企業経営者
回答者数:18,976名
◆本調査の詳細は、こちらをご覧ください。
(アクサ生命保険株式会社/2025年9月8日発表・同社プレスリリースより転載)
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