東京オリンピック・パラリンピックを契機に企業側のLGBT支援は強まるか
2020年に開催する「東京オリンピック・パラリンピック競技大会」へ向けて、LGBTの差別撤廃のための動きが活発化している。
東京都では、「東京都オリンピック憲章にうたわれる人権尊重の理念の実現を目指す条例」を2018年10月に制定。これは、いかなる種類の差別も許されないという「オリンピック憲章」にうたわれる人権尊重の理念が広く浸透した都市となることを目的にした条例だ。第四条では、都や都民に加え、法人などの事業者に対して、「性自認及び性的指向を理由とする不当な差別的取扱いをしてはならない」と明記されている。
企業側でも、差別撤廃に向けた積極的な取り組みが目立つ。株式会社オリエントコーポレーションは2019年1月から配偶者およびその家族に関わる制度を、事実婚や同性パートナー(同性婚)に対しても適用を拡大。また、NTTグループも2018年4月から同性パートナーに対して、社内制度全般の適用を開始している。
電通ダイバーシティ・ラボの「LGBT調査2018」によれば、LGBTという言葉の浸透度は68.5%。前回2015年調査の37.6%から、大幅に浸透率が上昇した。一方で、LGBTを含む性的少数者(LGBT層)に対する職場でのサポート制度について、「ない」と回答した割合は54.5%と、「職場での十分なサポート制度がある」の5.5%を大きく上回った。
企業は社内におけるLGBTへの理解促進はもちろん、サポート制度の構築にも注力する必要がありそうだ。
(『日本の人事部』編集部)