21卒の新卒採用スケジュール見直し ルール廃止も検討
経団連は3月12日の会長・副会長会議で2021年春入社の学生を対象とする新卒採用ルールの見直しに着手した。(1)採用面接の解禁を3月に一本化する(2)面接解禁を6月から4月に前倒しする(3)ルールを緩め、「一つの目安」とする(4)ルールを廃止する という四つの案を軸に検討を進める。(日本経済新聞より)。
その背景には、東京五輪の開催に向けて東京ビッグサイトや幕張メッセなどの施設利用が制限されることがある。また、経団連の定める選考解禁日が形骸化していることも、見直しを後押ししているようだ。リクルートキャリアの調査によると、今年4月1日時点での19卒学生の内定率は19.9%(大学院生は除く)。これは前年同月の14.5%と比べても5.4ポイント高く、6月1日の選考解禁日に先駆けて選考を行う企業が増加していることがうかがえる。
経団連に参加していない企業の中には、時期に関係なく通年採用を実施している企業もある。ヤフーでは、新卒や既卒、経歴に関わらず、30歳未満であれば通年応募ができる。また、ソフトバンクでは「ユニバーサル採用」を実施。必要な時に必要な人材を採用することこそ本来あるべき普遍的(ユニバーサル)な採用であるとして、新卒・既卒を問わず通年採用を行っている。
期間を定めずに通年採用を行うことは、多様な人材の獲得にもつながる。今後、経団連が新卒採用ルールを「一つの目安」とするか、廃止するようなことになれば、時期に関係なく柔軟に選考を行う企業の動きは、ますます加速するのではないだろうか。
(『日本の人事部』編集部)