社内の他部署で仕事を体験 副業解禁の足がかりに
企業で、社員の「副業」を認める動きが活発化している。副業の経験は、社員の成長や本業での新たな発想につながると考えられているからだ。こうした動きを受け、「社外」だけでなく「社内」の他部署でも、普段とは異なる業務を「兼業」することで、社員のキャリアを考えるきっかけにしようという企業が増加している。
オリックスは、2017年8月7日から10月13日の間、社員を対象とした社内インターンシップを実施。「他部署の具体的業務を知って視野を広げたい」「スキルや知識を吸収したい」といった社員からの要望に応え、原則5営業日の間、希望する部署での業務を経験させる。また、ロート製薬では、就業時間の一部を他部署での業務に従事できる「社内ダブルジョブ制度」を、昨年6月にスタートした。
副業を禁止している企業の多くは、副業を認めることで社員の動きが把握しづらくなり、長時間労働を助長したり、情報漏えいにつながったりすることを懸念している。しかし、こうした懸念も、「社内の副業」であれば解消することができる。受け入れ部署の負担や、本来の所属部署からの理解など、導入にあたって検討しなければならない点もあるが、副業解禁の足がかりとして、こうした施策を導入する企業が今後増加するのではないだろうか。
(『日本の人事部』編集部)