政府主導の改革進む 長時間労働が人材採用にも影響か
政府主導の働き方改革が進み、労働基準法の一部改正案として、企業の残業時間に月60時間の上限を定める原案がまとめられた。規制に関しては、企業の繁忙期などに配慮し、最大では月100時間までの残業を認めるものの、年間では平均月60時間を超えないよう求める方針。
現在、労働基準法において一日あたりの労働時間は8時間まで、一週間で40時間までとの上限が定められている。しかし、特別条項の締結によって実質制限なく従業員に残業させることが可能となるため、企業で長時間労動につながっている。改正後は上限規制に違反した企業に対する罰則が設けられ、より厳しく長時間労働の是正が推進される。
今後就職活動を行う学生にとっても、「長時間労働」は関心の高い要素だ。企業が学生にオファーを送る新卒採用サイト「OfferBox(オファーボックス)」を運営する、株式会社i-plug(大阪市淀川区、代表 中野智哉)は、2017年1月、大学3年生向けに「働き方」に関する意識調査を行った。
調査の中では、6割近い学生が長時間労働やサービス残業を気にすると回答。就活生にとっても、「長時間労働」であるかどうかは入社を決定する上で重要な要素であることがうかがえる。
政府による働き方改革への後押しが進み、今後ますます多くの企業が長時間労働改善へ着手することが予想される。対応の遅れは優秀な人材の獲得にも影響を及ぼすため、企業には早急な対応が求められる。
(『日本の人事部』編集部)